VS 村長
さてと。次のターゲットは生贄を捧げることを決定する村長!
こいつがいる限り永遠とターゲットが代わるだけで根本の解決にならないわ。
早速村長の家に行ってみましょう。
コンコンコン
「こんにちはー村長いますかあー」
「誰じゃあー入ってこーい」
「お邪魔します」
「おお、珍しいのぉ。お前さんがわしを訪ねてくるとは。まぁまぁ座りなさい。お茶でも出してやろう」
「ありがとうございます。」
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「さて、どうしたんじゃ」
「実はうちの畑の収穫物が今年思ったより少ないってうちの親が嘆いてて
もし今年、雨が降らなかったりで干ばつになったらどうしたらいいのかなあって村長様に助言をいただきたいんです。」
「おぉ、お前は若いのにしっかりしとるのぉ。でも心配せんでもええ。ここの土地は龍神様が守ってくださっている。今までそんな事態になったことは一度もないんじゃ。」
(いやいやそんな非現実的なことじゃなくて)
「でも私心配で夜も眠れないんです!明日食べ物がなくなったらどうやって生きていけばいいのか!私まだ死にたくない!!何か具体的な案はないんですか!?私が安心して眠れるような案は!」
「う、うーんそうじゃのぉ。とりあえず備蓄を多めに作っておくのもいいかもしれんが備蓄できるだけの収穫が今年はあるかどうか・・・」
「ほら!みたことか!そんなんじゃあ冬も越せませんよ!!せめて隣町の町長に融通してもらうとかできないんですか!?」
「あの強欲ばばぁがそんなもん出す訳ないじゃろ。」
「お知り合いなんですか?」
「あの婆さんのことはよお知っとる。あいつはこの村出身でわしらは幼なじみじゃった。じゃが、あいつは昔からこの村を嫌っておる。ずっとこんな村出ていってやると口癖のように言うておった。今更あいつを頼るなんて無理じゃ」
「そんなの言ってみなきゃ分からないじゃないですか!隣町の町長さんに会いに行きましょうよ」
「嫌じゃ!あいつに頭を下げるなんてわしのプライドが許さん。絶対に行くもんか」
(分からず屋のクソジジイ!)
「わかりました。ではそれはそれとして。次の質問なんですが、キリスト教という宗教を知っていますか?」
「は?何じゃ藪から棒に。そんなもんは聞いたことがないのぉ」
「イエスキリストという人が人々の罪を身代わりに受けるため、自らを磔刑に処したという話があって、これはひとえに彼の深い人類への愛ゆえの行動なんだとか」
「村長様はこの村を愛していますよね?」
「なんでその話からその質問へ行くんじゃ・・・」
(あら、意外にも察しがいいわ)
「いえいえ特に理由はないんです。ただ世界には人々への愛のためにそこまでできる偉人がいて、みんなのために自己犠牲できる精神が素晴らしいという話です。何かを救うために自らを犠牲とせず他人の命を捧げるなんて愚の骨頂だと思いませんか?」
「そ、そうじゃのぉ。わしだってこの村が危なくなったら命くらい差し出すわい」
「まあ心強い!これで多少安心して眠れます。ありがとうございました村長様! それではそろそろお暇させていただきます。」
「ああ、また何か聞きたいことがあればきなさい。」