念の為
お姉さんたち姉妹が離れで眠っているのは確認済みなので神社本体だけに火をつけて燃やす。
これで守る物がなくなったお姉さんたちはどこへでも行けるという寸法である。
よしよし、お姉さんたち目が覚めて避難したみたいだね。
呆然としちゃって可哀想・・・
とりあえず一仕事終わったから帰って寝よう。
翌朝、家族で朝ごはんを食べていると早速母が昨日の火事の話をする。
「昨日不審火で龍神神社のお社が燃えてしまったんだって!うちは離れてるから聞こえなかったけど村中大騒ぎだったらしいわ。怖いわねぇ」
「えー火事?僕も見たかったー!」
「これ!めっそうなこと言うもんじゃねぇ!」
「あそこの神子さん姉妹はどうなるんだろうね」
「ああ、あの子たちなら大地主様がしばらく面倒見てくれるらしいわよ。」
「え!?」
「どうしたの大声出して」
「ううん。別にー」
え?まだここにいるつもりなの?大地主様って急に何なのよ。
悪代官みたいな顔して絶対すけべなことするつもりでしょ!
こうしちゃいられない!私は大地主の家に早速向かった。
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さすが大地主、でかい家だわ。
家の周りはぐるりと塀で囲われているけど隙間からちょうど大地主と姉妹が見える。
「いやーそれにしても災難だったね。わしは先代宮司とは幼馴染でな。君たち二人に何かあれば支えになってやってほしいと生前頼まれてたんだ。」
「自分の家だと思ってゆっくりするといい。お社が完成するまでかなり時間がかかりそうだからね。」
「はい、すいませんがお世話になります。きっちり働きますのでよろしくお願いします。」
「お願いします。」遅れて妹も礼を言う。
「そんなに畏まらなくてもいいよ」と奥の方から出てきたのは長身のイケメンだ。
「もし良かったらずっといてくれても構わないよ」
「はははは困った息子だ!いくらお前たちが幼馴染とはいえ結婚するまでは間違いを犯さんようにな!」
お姉さんの方を見ると顔を赤くして満更でもないようだ。
あれ?これイケるんじゃね?
この二人がくっつけば流石に地主の息子の嫁を人身御供にはしないっしょ。