VS 神子
翌朝、私は情報収集のために村を歩いてみた。
「うーん、あとどれくらいで飢饉が起こるのかが分かればなあ。飢饉さえなかったらあのお姉さんも生贄にされることなんてなかったんだろうし」
村の備蓄はどうなってるんだろう。
各個人の家の事情だから私みたいな小娘が口を挟めるのか疑問だけど。
お米は多めに作っておいてねーって言ったところでそんなこと出来るんならみんな毎年やってるよなあ。
もう飢饉は来るのが確定したとして引越しするのはどうかな?村中の人たちが全国へ散り散りに〜非現実的だなあ。
いっそお姉さんと妹だけを村の外へ逃す?でも二人を逃しても別の人が生贄にされちゃうよ・・・
完全に詰んだ。どうすりゃいいのさ。
大体ここはゲームの世界っていう認識何だけど現実の世界とリンクしてるのかな?県外に行けばみんな文明的な暮らししてんじゃないの?
うーん・・・
「あれ?千代子ちゃんどうしたの?難しい顔して」
「あ、お姉さん。」
わー今まで前世の記憶とかなかったから普通に接してたけどゲームの人と喋ってるんだなあ〜
ちょっと感動。
っていうか一人で悩んでても仕方ないしぶっちゃけちゃお。
「実は相談があります!」
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「な、なるほど。」
「というわけでお姉さんこのままここにいると死んじゃうので県外にでも逃げてください」
とりあえず転生やらゲームやらの説明は置いといて、ある日突然神の声が聞こえて天啓を授けてくれたという体で話した。
「でも私たち姉妹みなしごで、行くあてもなかったところをこの神社の先代宮司様が引き取ってくださったのだから、私たちはこの神社を亡くなった宮司様の代わりにきちんと管理して後世に受け継いでいきたいと思っているの。それが私たちの受けた恩を返すことになるって信じてるから。」
「そっか・・・そうだよね。ここで育ってきたんだもん。簡単には変えられないよね。お話聞いてくれてありがとうお姉さん。私もこの神社好きだから先代宮司様の意志を受け継いでくれる人がいて良かった!」
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その後帰って色々考えた結果、
深夜にこっそり抜け出した私は神社に火をつけた。