15. 物語の文字数が多ければいいのか?
今回は小説の本文の長さ、つまり文字数の話にします。
作品本文の文字数とブクマ数/ページビューに関する考察はこのエッセイでも行われたので、これも参考に。
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まずは本文の全文字数の分布を示すヒストグラムを描いてみます。文字数については連載作品と短編作品は大きく違うので、ここでは連載と短編を別々にします。
図15.1
短編作品の全文字数の中央値は4500くらいだが、長編作品はそれの10倍くらいで、しかも平均値は10万を超えています。連載作品は数話から成される物語だからどこまでも長く書けるから当然ですね。
連載作品の中の分布はもう少し詳しく調べてみたいです。例えば話数との関係とか。
ここでは連載作品のヒストグラムで違う話数を違う色で示してみます。
図15.2
当然ですが、話数が多くなると文字数の分布も長くなる傾向にありますね。
次は完結した連載作品と未完結の連載作品の比較をしてみます。
図15.3
思った通り、すでに完成した作品の方が長い。中央値は10万字くらい。これも当たり前ですね。
さて、次は本文の全部の文字数と総合ポイントとの相関の話です。
まずは分布図を描いてみます。
図15.4
ここで色は14話と同じく、連載作品と短編作品を色で区別しています。茜色は連載作品で、緑色は短編作品です。
ブクマ数との相関ももちろん、大体総合ポイント分布図とはあまり変わらないはずですが、一応描いておきます。
図15.5
この分布図から見て、やっぱり文字数が長くなると、総合ポイントもブクマ数も高くなるという傾向にありますね。そして連載作品の方が短編作品より文字数が多いので、当然明らかに総合ポイントも高い。
各範囲の本文の文字数の作品の総合ポイントの平均値と中央値を描いてみたらこうなります。
図15.6
同じく、ブクマ数の平均値と中央値も描いておきます。
図15.7
これではっきりわかりますね。長く書くと人気になる可能性が高い。これは確かにわざわざ言わなくても常識で考えても当たり前のことだと思いますが、図を見たらはっきりと確信できます。
それに4話でも書いてありますが、本文の文字数は連載作品のエタりにくさに大きく影響を与える大切な因数でもあります。
しかしこの図は連載作品も短編作品も入れた結果です。もし連載作品だけ入れても結果はあまり変わらないので、もう連載作品の図はここに描きませんが、短編作品だけの場合は傾向が大きく違うので、描いておきましょう。
短編作品の総合ポイントの平均値と中央値。
図15.8
そしてブクマ数も。
図15.9
こうやって見ると、短編作品の場合は長ければいいだけではないようです。確かに10000字くらいまではポイントやブクマ数が高くなる傾向にありますが、もっと長くてもあまり何も代わりません。
以上、作品本文の文字数と総合ポイントやブクマ数に関する考察です。
次回は連載作品の1話はどれくらい長ければいいかについての話となります。
あけましておめでとうございます。
今日はもう2022年1月1日になったから、1-14話のデータも今日のものに更新しています。データが変わっても内容はほとんど変わっていないが、ついでに語字脱字も直して、読みやすくなると思います。