14. 長いあらすじがいいのは連載作品だけ
今回はあらすじの話です。
読者がこの小説に興味があるかどうかは、作品タイトルと同じように第一印象を与える大切な要素ですね。書いた内容はもちろんですが、ここでは主にあらすじの長さ……つまり文字数について考察します。
あらすじの文字数の大切さに関する考察はこのエッセイもやったので、これも参考に。
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まずTS作品のあらすじの文字数のヒストグラムを描いたらこうなります。
図14.1
大体100字くらいは多いようですが、中央値も平均値も200字くらいですね。
あらすじは最大1000字まで書けるので、精いっぱい最大の1000字まで書いた作品もあるが、あまり多くないですね。
そのためヒストグラムの右の方が数少ないので、y軸を対数スケールにもしてみます。
図14.2
連載と短編の違いも見てみましょう。これもy軸を対数スケールにします。
図14.3
こうやって並べて比較してみると、違いは明らかですね。短編ならあらすじの中央値は大体100字くらいで、50字くらいの方が多い。
理由は多分単純です。そもそも短編は本文も短いから、わざわざ長いあらすじを書く必要はないでしょうね。
次はあらすじの長さと総合ポイントとの関係の分布を描いてみます。
図14.4
ここで茜色は連載作品で、緑色は短編です。短編の分布が短いあらすじと低いポイントの方に多い。
この分布を見れば、ポイントが高いのは大体あらすじ長い方に集まっているようですね。つまり長いあらすじはやっぱり大事です。
これは9話で話したキーワードの数と長さの場合と同じ理由だと思います。検索する時にキーワードの他にあらすじも検索対象なので、できるだけいっぱい長く書くと、人に見つけられる確率は高くなるでしょう。
あらすじの文字数とブクマ数の分布を描いても同じような傾向です。
図14.5
各範囲のあらすじの長さと総合ポイントの平均値と中央値を描いたらこうなります。
図14.6
どうやらあらすじが長ければ長いほどポイントが高くなるというのは間違いないですね。しかし800文字くらいまでだけで、もっと長く書くとむしろポイントが減っていくようです。
ただしそもそもあらすじを800字以上書く作品数はあまり少ないので、たまたま高かったり低かったりする可能性もあるのであまり当てにならないかもしれません。
連載だけ見ても、全体とはほぼ同です。
図14.7
しかし短編だけ見れば結果は大きく違うようです。
図14.8
短編の場合200-300字くらいが一番ポイント高いです。短編はあらすじが長すぎると逆に悪い印象を与えて、読まれなくなるかもしれません。
以上、あらすじの文字数に関する考察です。
次回は作品の本文の文字数について見ていきます。