13. ちゃんとした1話のサブタイトルも大事でしょう
先回の作品タイトルの続き、今回は作品の各話のタイトル、つまり『サブタイトル』のことです。
本文の長い連載作品を投稿する時に1話、2話、3話……に分けるのが普通ですね。それぞれの話にどんなサブタイトルを付けたらいいか悩む人もいれば、適当に数字を使う人もいるようです。
確かに作品タイトルほど大切ではないはずですが、それでも作品の面白さや読みやすさに関わるはずでしょう。
例えばサブタイトルをただ『1、2、3、4、5、……』にした作品などは時々見かけますが、そんなサブタイトルを見るとなんか読む気はなくなって、読む前にブラバしてしまいたい人も多いでしょう。それに1文字だけだとマウスでクリックする時もスマホ画面にタッチする時も間違いやすくて、ちょっと不便です。何より作者のいい加減な性格を感じる気がして、読む前から悪い第一印象を与えてしまいます。
というわけで、今回はサブタイトルの長さと作品の人気度の関係を見ていきましょう。
1話のサブタイトルの文字数に関する考察はこのエッセイも参考に。
>> https://ncode.syosetu.com/n2628fr/32/
実はサブタイトルのデータはなろうAPIに入っていないので、格別にサイトをスクレイピングしてウェブページのhtmlコードからサブタイトルの部分を取る必要があります。だから今回は今までより手間かかることです。
短編はサブタイトルがないので、今回の対象は連載のTS作品のみとなります。
それぞれの作品の1話1話のサブタイトルを調べてその文字数の中央値を取ってヒストグラムを描いたらこうなります。
図13.1
ヒストグラムから見ると、サブタイトルの文字数は大体10字くらいのものが多いとわかります。1文字しかないサブタイトルを使う作品も意外とたくさんありますね。
右側の数は少ないので、はっきり見えるようにy軸を対数スケールにします。
図13.2
30字以上はさすがにあまりないが、少しありますね。最大は56字まで。でも普通の場合あんなに長いサブタイトルはあまり必要ないでしょう。それに、ただ1話や2話しかないという可能性も高いです。
試しに1話サブタイトルと話数との関係を描いてみたらこうなります。
図13.3
案の定、最大の56字は1話しかないようです。話数が多ければさすがにいちいち長いサブタイトルを付けるのはどうかと……。
他にもただ1話しかない作品はいっぱいありますね。しかしこれはまだ投稿し始めたばかりの作品や1話だけ投稿してすぐ放棄してエタってしまったものである可能性も高いので、さすがにあまり当てにならないかもしれないので、これから行う分析から除外して、2話以上の連載作品だけを対象とします。
次はサブタイトルの文字数と総合ポイントとの関係の分布図を見てみましょう。
図13.4
ここで色は話数を示すのです。1話しかないものは除外したので、ここで最小限は2話となります。ただし50以上は全部同じ赤色にしています。
分布図から見ると、高いポイントの作品は10字くらいのところに多いようですね。
もっとはっきりそれぞれの範囲内の獲得ポイントの概略をわかるために、平均値と中央値を取って棒グラフを描いたらこうなります。
図13.5
ちょっとわかりにくいみたいですが、サブタイトルの文字数が長くなると、大体総合ポイントが高いという傾向は見えますね。
サブタイトル文字数1-20の各範囲の総合ポイントの割合も見ておきましょう。
図13.6
結果から見ると、とりあえず10字くらいは一番いいみたいです。
ブクマ数との関係を調べても同じような傾向です。
図13.7
確かに1話サブタイトルは長い方がいいですが、結局これはただ一つの因数にすぎません。実際に1文字のサブタイトルを使う作品でも人気になったものもあります。
サブタイトル1文字しかない作品のポイントの分布もちょっと見てみましょう。
図13.8
ということで、多分1文字のサブタイトルは全然駄目っていうわけではないが、やっぱりちゃんとしたサブタイトルを付けておいた方が有利でしょう。作者のためにも読者のためにもメリットです。私個人としても数字だけのサブタイトルはあまりおすすめしません。
おまけに、夕月悠里さんに言われて、作品タイトルとサブタイトルの相関も考察してみました。
図13.9
この図で色は総合ポイントを示します。
分布図から見ると、タイトルもサブタイトルも長い作品もあるようですが、あまり少ないです。長いタイトルの作品は、大体1話のサブタイトルを1文字にするものはほとんどいないようで、大体は10字くらいが多いです。
以上、サブタイトルの長さに関する検討です。
次回はあらすじの文字数の話です。