付録:『おまえは だれだ?』シナリオ
※自分で回すために書いた、メモ書き的な内容です。
※あくまでオマケなので、この内容は完全に読み飛ばしても大丈夫です。
○シナリオ概要
【対応システム】クトゥルフ神話TRPG(6版)
【シナリオ名】 おまえは だれだ?
【ジャンル】 クローズドシナリオ
【プレイ時間】 3~4時間ほど
【人数】1人
【備考】ロストエンディングあり。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
●オープニング
あなたはいま、深い眠りについています。
そんなあなたに、夢の中で語りかける声がありました。
その内容は、以下のようなものです。
胎児よ
胎児よ
何故躍る
母親の心がわかって
おそろしいのか
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
●0号室
目覚めるとそこは、見知らぬ病室でした。
病室の壁と床は一面ゴム張りになっていて、患者が怪我をしないよう、あらゆる点において配慮が為されています。
あなたが顔を上げると、自身の視界がずいぶんと狭くなっていることに気づくでしょう。
どうやらあなたは何か、仮面のようなものを被せられているようですね。
服装も、見慣れぬ入院着です。
また周囲には、自分以外にも同じような格好の男が一人、倒れているようでした。
【調べられるもの】 ……仮面、倒れた人、部屋全体
・仮面
仮面はどうやら、頑丈な金具で固定されているらしく、外すことはできそうにありません。
また、顔に張り付くような、のっぺりした質感の仮面で、自分でもそれが何の形なのかわかりませんでした。
・倒れた人
なんとその男の喉元は、鋭利な何かでぱっくりと引き裂かれているようです。
あなたには、はっきりとわかるでしょう。
彼はすでに息絶えてしまっており、二度と息を吹き返すことはない、と。
【SANチェック:成功で1、失敗で1D3】
《目星》:あなたは、慎重な手つきで死体を表向きにします。その顔は、へらへらと笑っている、軽薄そうな男の仮面に覆われていました。
また、彼の指先はベットリと血で濡れており、それによって床に文字が描かれていることがわかります。
⇒『ダイイングメッセージ?』
DEATH
・部屋全体
部屋は、半開きの扉が一つきりあるだけの空間です。
扉には一枚、羊皮紙が貼り付けられていました。
⇒『最初の部屋:羊皮紙の内容』
おまえは だれだ?
おまえの しょうたい きづかぬかぎり
ここから でること できないよ
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
●3F 東側廊下
部屋を出るとそこは、長い長い廊下でした。
廊下には小窓があって、そこからわずかに光が差し込んでいるのがわかります。
またその廊下は、自分が出てきた部屋を含めて、全部で7つの病室に繋がっているようでした。
廊下の先には、出口へ向かうと思われる大扉がみえます。
どうやらそこだけは、扉が半開きになっているようでした。
【調べられるもの】 ……各病室、小窓の外、床に散らばっている紙
・各病室
廊下に接続されている病室はすべて、施錠されています。
また、自分が出てきた部屋の番号は、『0号室』のようでした。
・小窓の外
外を見て、あなたは初めて気がつきます。
自分の今いるこの場所が、極めて異常な空間であることに。
一面の、白。
まるで”虚無”という言葉をそのまま体現したような空間です。
このように恐ろしい体験をしたあなたは、【SANチェック:成功で1、失敗で1D3】。
※また、光の反射の関係か、窓に自分の顔を映すことはできない。
《目星》:病院は三階建てになっていて、自分がいまいるのはその三階のようでした。
・床に散らばっている紙
⇒『3F東側病室 患者情報』
患者0番:軽率で不安定。死亡。
患者1番:人を欺くことに長ける。
患者2番:他者を信用できない。死亡。
患者3番:嘘を吐き続ける。死亡。
患者4番:協調性なし。死亡。
患者5番:死亡。
患者6番:過度な愛情。コミュニケーション能力に問題あり。
【イベント】
『“???”との出会い』
発生条件:任意のタイミング、PLが廊下奥の扉から出ようとする。
あなたが廊下を通って奥へと進むと、ガチャリと音を立てて扉が開きます。
現れたのは、美しい天使の仮面を被った小柄な男or女の人でした。
※基本的に探索者の異性でよいが、探索者の好きな性別をPLに訊ねて良い。
※“???”はほとんどしゃべることができず、ジェスチャーできる範囲の情報しか伝えることができない。また、彼or彼女に自分の仮面の形を尋ねても、要領を得ないだろう。
※彼女の暗示するタロットカードは、“恋人”である。ただし、このままだと“恋人”の名前は『???』のままで不便なので、プレイヤーにあだ名を付けてもらっても良い。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
●3F待合室
部屋に入ると、病院の待合室らしい場所に出ます。
その中央には、仮面の男が一人、立っていました。
仮面の男は、探索者を認識するとすぐさま声をかけてくるでしょう。
「やあ。きみが選ばれし者だね!」
と。
【調べられるもの】 ……仮面の男、非常階段、エレベーター、西側廊下へ繋がる扉。
・仮面の男
うさんくさい雰囲気の男の仮面を付けています。
《知識》1/2 or 《オカルト》:あなたはこの仮面に見覚えがある。
《知識》1/4 or 《オカルト》:あなたはこの仮面が、タロットの“魔術師”であることに気づく。
《交渉系技能》成功、(ロールプレイなどの会話で)
「もしこの先に通りたければ、私とのクイズ勝負に勝つ必要がある」という情報が得られる。
・非常階段
施錠されており、通ることができません。
・エレベーター
ボタンを押しても、何の反応もありません。
どうも、この建物自体に電気がきていないようでした。
※《機械修理》などで扉を開けて、《登攀》したりして別の階までスキップしても良いだろう。
※ただしその場合、ほとんど運で自分の正体を当てる必要があるのでオススメしない。
・西側廊下へ繋がる扉
半開きになっており、先へと進めそうです。
どうやらこの建物は、カタカナの“コ”の字状に作られているようです。
【イベント】
『仮面の男とのクイズ勝負』
発生条件:仮面の男とのクイズを了承する。
「いいだろう。いまから出すクイズに、答えてみたまえ! なお、制限時間は五秒だ」
(仮面の男が出すクイズの例)
『死者を笑わせる方法はあるか?』
『殺人鬼を改心させるには、どのような朝食を用意すべきか?』
『恋人一人と、見知らぬ一億人。どちらか殺すとしたら、どっち?』
『愛する人がゾンビになって生き返った。あなたはどうすべきか?』
『母と恋人、犠牲にするならどちら?』
※この時、彼が出すクイズは全て、回答不可能な内容である。
※あんまりにもプレイヤーが気づかないようなら、“???”(恋人)が「先へ進んだ方が良いジェスチャー」で助言してもいい。彼の課題をクリアするには、応えられる問題を出させる必要がある。
『正義の仮面』
発生条件:“正義”の仮面を装着した状態で仮面の男と話す。
すると仮面の男は大変恐縮して、こう言うでしょう。
「おやおや! “正義”のお嬢さん! 死んだと思っていたが、生きていたのか?」
その後、ロールプレイなどで先に進ませるよう求めると、
「そうしたいのはやまやまなんですが、鍵を渡すには、どうしてもクイズに正解してもらう必要があるんです。そういうお役目なので……」
とのこと。
※彼に「正しいクイズ」を出すことを約束すると、“正義”の仮面はぱかんと割れて、床に落ちて転がるだろう。
『本当のクイズ勝負』
発生条件:“正義”の仮面による交渉を行った状態で、クイズに挑む。
クイズが以下のような内容に変化する。
(例)
『答えは簡単だ。死んだ偉人と生ける愚者。敬意を払うべきなのはどちらか?』
『答えは難しくない。イチゴが五つ載ったホールケーキを正確に三等分する方法は?』
『答えはたいしたことない。一ドル札を公平に四等分するにはどうすればいい? ちなみに小銭は一切持ち合わせがない』
『答えは深く考える必要がない。うどんとそば、どっちが美味しいか?』
『答えはごく普通のことだ。男と女、どちらの人生が幸せか?』
『答えは、とんでもなくくだらないことさ。アイスとホット、どちらの珈琲がうまい?』
『答えは、仔犬でもわかることだよ。カラスとネズミ、どちらを駆除すべきか?』
『答えは、あなたが思うとおりのことだよ。煙草と酒、どちらが身体に悪いか?』
『答えは、普通だ。序盤・中盤・終盤、隙がなく犬を殺してソフトクリームを食べる?』
『答えは、どうでもいいことだ。命、夢、希望。どこから来て、どこへ行く?』
『答えは簡単だ。あままままままま、そしてこけけけけけけなのか?』
『答えは簡単だ。(“???(恋人)”に口を塞がれてそれ以上しゃべれなくなる)むぐぐぐぐぐ……』
※このクイズの答えは、『答えは○○だ。』の○○の部分。
(例)『答えは簡単だ。~~~~』というクイズなら、答えは『簡単』。
※これでもわからないようなら、『答えは○○だ。』以降の部分を思い切り理不尽な問題にしてみるとヒントになるだろう。
答えを言うと、非常階段の鍵を手渡し、
「ありがとう。もうこれで、理不尽なクイズを出さなくてすむよ」
「最後に、ヒントをくれてやろう。私の正体は、“魔術師”だ。がんばりたまえ」
といって、毒を飲んで自殺する。
【SANチェック:成功で1、失敗で1D3】。
『魔術師との戦闘』
どうしても答えがわからない場合、魔術師と戦うことも可能。
ただし魔術師はわりと強く、魔法を使って反撃してくることに注意。
勝つと“非常階段の鍵”。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
●3F 西側廊下
待合室を抜けて廊下を進むと、やはりたくさんの病室に繋がっている廊下に出ます。
先ほど通ってきたところと同様に、床には大量の紙が散らばっていました。
【調べられるもの】 ……散らばっている紙、各部屋
・散らばっている紙
⇒『3F西側病室 患者情報』
患者7番:傍若無人。死亡。
患者8番:不正を正す才能。自殺。
患者9番:陰湿な性格。死亡。
患者10番:■■■■(かすれていて読めない)
患者11番:無気力。死亡。
・各部屋
ほとんどの部屋は施錠されているようですが、8号室だけ、鍵がかかっていませんでした。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
●8号室
部屋に入るとまず、女性の死体が転がっていました。
女性は顔をぐしゃぐしゃに潰された状態で死んでおり、床はドス黒い血だまりができています。
【SANチェック:成功で1、失敗で1D3】。
また、彼女の傍らには、遺書と思われる紙と、仮面が落ちていました。
【調べられるもの】
・死体
《アイディア》or《医学》:この死体は、手首を切って死んだ後、何者かによって顔を潰されたようです。
※失敗しても、手首を切った痕には気づいて良い。
・死体そばの紙
⇒『遺書』
あらゆる不正と戦ってきたが、もう限界だ。
この世は不公平に満ちあふれている。
こんなところで、私は生きていくことはできない。
せめて“選ばれし者”のため、この仮面を遺すことにする。
・仮面
王冠を被った女性の仮面。
《目星》:裏面にうっすらと、『JUSTICE』という文字が描かれています。
《アイディア》(あるいはロールプレイでも):この仮面は、自分の仮面の上にすっぽりと被ることができることがわかります。
※この情報は最悪、“???(恋人)”がジェスチャーで教えてくれる。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
●非常階段
非常階段を通って2Fへ向かうと、1Fへ通じる階段が塞がれていることがわかります。
どうやらこの階段を使って1Fまで降りていくことはできそうにないですね。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
●2F待合室
あなたが、二階へ通じる非常口を開くと同時に、つんと血の臭いが鼻につきました。
それもそのはず。そこにあったのは、死体の山だったのです!
死体は折り重なるような格好で、待合室の中央に倒れ伏していました。
死因は恐らく、失血死。……というか、それ以外に考えようがありません。
彼らは皆、喉を切られて死んでいるのですから。
こんな恐ろしい光景を目の当たりにしたあなたは、【SANチェック:成功で1D3、失敗で1D6】。
【調べられるもの】 ……死体の山、部屋全体、エレベーター
・死体の山
死体は全部で8人。
彼らはそれぞれ、あなたたちと同じ入院着を身に纏っていて、
聖職者と思しき、気品のある女の仮面。 (II 女教皇)
車輪を模したと思われる仮面。 (X 運命の輪)
王冠を被った初老の男の仮面。 (IV 皇帝)
十字架の帽子を被った男の仮面。 (V 教皇)
鉄兜を被った精悍な男の仮面。 (VII 戦車)
王冠を被った女の仮面。 (III 女帝)
口を開けたライオンを模した仮面。 (XI 力)
白髭生やした、思慮深そうな老人の仮面。 (IX 隠者)
……を、顔に嵌めています。
《知識》の二分の一:成功で()内の情報を提示して良い。
・部屋全体
先ほど通った受付とレイアウトは変わりません。
向かって右側と左側に、廊下へと繋がる扉が一つずつ。進む道はそれだけのようです。
・エレベーター
やはり、電気は通じていません。
何らかの方法で通電するしか、1Fに向かうことはできそうにありません。
【イベント】
『逃げる“???(恋人)”ちゃん』
発動条件:2F受付に十分以上居続ける。
リアル時間で計っても良いし、KPが「悩みすぎているな」と思った時でも良い。
見知った患者たちの死体のそばにおかれて、“???(恋人)”はだんだん恐怖に駆られるようになる。
おおよそ五分ほどでプレイヤーに「さっさとここを出よう」と促し、それでも無視し続けると、我慢できずに『2F 西側廊下』へと逃げ去ってしまう。
《ナビゲート》を使うことで、18号室へと逃げ込んだことがわかるだろう。
その後、“???(恋人)”を追って18号室に入ると、
「ちょっとあなた、可哀想でしょ! 怖がってるじゃない!」
と、“月”に少し怒られる。
『“吊された男”の奇襲』
発動条件:“20号室の男(吊された男)”の正体に気づかないまま全ての部屋を巡り、“2F待合室”に入る。
あなたが待合室に入ると、――突如としてあなたの身体を、” “???(恋人)”が強く押し倒しました。
振り向くとそこには、メスを握った、“20号室の男”の姿が。
男は、こう叫びます。
「おまえ……おまえさえいなくなれば、ぼ、ぼ、ぼくが“選ばれし者”になれるんだ!」
“20号室の男(吊された男)”の最初の攻撃が自動成功する。
その後、“20号室の男(吊された男)”との戦闘。
『エレベーター起動』
発動条件:この階の全ての部屋を巡り、“吊された男”を無力化or倒す。
エレベーターが通電して、
「“選ばれし者”へ。“世界”が、一階、出口前にてお呼びです」
というアナウンス。
※この瞬間からキーパーはプレイヤーに、十分間(任意)の制限時間を設けること。
※その間、プレイヤーは病院内を自由に探索・行動して良いが、制限時間が経過すると、建物のあちこちが崩壊を初めていく。プレイヤーは、否応なくエレベーターに逃げ込まざるを得ない。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
●2F 東側廊下
扉を開くと、12~16号室と、散らばっている紙がある。
【調べられるもの】 ……散らばっている紙、12~16号室
・散らばっている紙
⇒『2F東側病室 患者情報』
患者12番:無駄な努力を好む。
患者13番:■■■■(かすれていて読めない)
患者14番:浪費癖。ガラクタを集める。
患者15番:■■■■(かすれていて読めない)
患者16番:■■■■(かすれていて読めない)
★各部屋のイベント★
・12号室
仮面を付けた女性が一人、天井から吊された状態で死んでいる。
その仮面は、天使を模したデザインだ。
※先ほど恐ろしい死体を目の当たりにしたばかりのため、【SANチェック】は不要。
※喉元には、これまでの死体同様、ぱっくりと切り傷が見られる。
※また、ここにいるのは“吊られた男”ではなく、“審判”の暗示の女性である。
・13号室
びくりとも開かない。
※難易度を下げたいなら、ここで《アイディア》の四分の一を振って成功したら、
『心なしか懐かしい匂いがする。』くらいの印象を抱かせても良い。
・14号室
部屋の中では、ぶくぶくに太った、一人の女が座っていました。
女の仮面は、金髪の白人女性を模したものです。
女性は、ぶつぶつぶつぶつと、独り言を口にしていました。
「あれもほしい、これもほしい……ああ! どうしてこの世には、欲しいものがなくならないの?」
《目星》成功:この病室には、不揃いのひな人形、部品の欠けたパソコン、両目に黒目の入ったダルマ、二十年以上前に発売された携帯電話、テープがでろでろになったビデオテープ、自立できないマネキン……そんなもので満ちていました。
《目星》失敗:この病室、ガラクタだらけだな、と思いました。
※“節制”の部屋。逆位置になっているため、彼女は極めて酷い浪費家である。
※この部屋にはいろんなガラクタが存在するが、唯一顔を映すことができるものは存在しない。
※彼女に、何らかの不要品(例:割れた“正義”の仮面など)をあげることで、「必要なものはいらないから」と言いながら『狂人の情報(下記参照)』をくれる。
※なお、彼女に役立つモノ(例:“月”がくれるお菓子など)を与えても、「本当に役立つものなんていらない!」と突っ返される。
※彼女とはまともなコミュニケーションが取れない。
・15号室
部屋に入ると、ガラス張りの仕切りの向こう側に、悪魔の仮面を被った男が座っていました。
彼は、こちらに気づくなり、
「ようこそ、“選ばれし者”!」
と、にこやかな口調で話しかけてきます。
※“悪魔”の部屋。正と逆位置が入れ替わっているため、彼は善人である。
※KPは、プレイヤーが悩んでいるようなら彼の口を借りてヒントを出してあげてもよい。その場合は、下記『狂人の情報』を参照すること。
※ヒントは、以下の内容を参考にする。
Q:お前は何者か? など。
「私はしがない“悪魔”だよ。それ以上でも、それ以下でもない」
Q:選ばれし者とは?
「我々は“選ばれなかった者”。きみは“選ばれし者”。私に言えるのは、ここまでだ」
Q:なぜ、自分はあの部屋に連れてこられたのか?
「さあ。それはあんたをここへ連れてきた“世界”にしかわからない」
「ただ、気持ちはわかるよ。あいつはたぶん、この場所の全てを、きみの目で確かめて欲しかったんじゃないかな」
Q:13番、および番号で指定された患者について質問された場合。
「悪いが、それは私の裁量では答えられない」
Q:この場所にいる人々について。
「彼ら……というか我々は、きみの兄弟のようなものだ。残念ながらもう、ずいぶんと数が減ってしまったがね」
Q:いつからここでこうしているのか?
「さあ、それはわからない。我々には時間の感覚がないんだ。何年も前からずっとこうしている気もするし、ほんの数日前に自己を認識した気もする」
Q:この場所に関する質問
「この世界は、きみのイメージの中にのみ存在する空間だ」
「この世界はいわば、母親の胎内なのさ。
いまもこうしていると、やつの声が聞こえてくるようだ。
躍れ、躍れ、胎児たち……ってね」
「やつ? 言わずと知れた、あの男さ。千の無貌を持つ、あらゆる生命の厄介者だよ」
Q:脱出に関する質問
「ここから抜け出すには、“世界”とのゲームに勝たなければならない」
「どうもこの階に、危険なヤツが紛れているようだね。きみも気をつけるといい」
Q:“恋人”に関して
「ああ、3Fの患者では、唯一の生き残りだね」
Q:冒頭の詩に関する質問
「おや、きみもあの小説が好きなのかい? 『ドグラ・マグラ』。私もあれが、大好きなんだよ。……考えてみればあの小説は、狂人たちによる精神の葛藤の物語であったね。いまの我々の状況と、少し似ている気がしないか?」
Q:探索者のつけている仮面について訊ねられたら
「それを答えるのはフェアじゃない。自分の頭で考えたまえ」
「ただ一つだけ、私の裁量で言えるのは、きみは“悪魔”ではないということだ。そもそもこの病院にある仮面は、たった一つずつしかないんだよ」
Q:その他の難しい質問・真相に近すぎる質問。
「それを答えるのはフェアじゃない。“世界”と会って直接聞くことだ」
※KPは、任意のタイミングで「今日は少し、喋り疲れた、もう眠ることにする」といって、悪魔を眠りにつかせること。今後、この部屋に来ても眠っている悪魔の面の男がいるだけで、なにも起こらない。
・16号室
扉を開くと、室内はひどく混沌としています。
これまであなたは、この病院の中で奇妙なものをたくさん見てきましたが、その中でも16号室は飛び抜けて異常でした。
その部屋の内部を一言で説明するならば、崩壊した瓦礫の山。
ばらばらになった建物の残骸が、室内全体を埋め尽くしているのです。
【調べられるもの】
・部屋全体
《目星》:あなたは瓦礫に混じって、見るも無惨にばらばらになった死体を発見するでしょう。
死体はもはや、生前の姿を想像することもできないほどの損傷具合で、完璧に粉砕されてしまっています。またあなたは、“塔”を模した仮面を被った男の頭部の存在にも気づくことができるでしょう。 【SANチェック】成功で1、失敗で1D6。
・瓦礫の山
《目星》:あなたはその中に、一冊の日記帳の切れ端を発見します。
その内容は、以下のようなものでした。
⇒『16号室 日記帳の切れ端』
――いろいろ考えたが、やはり“選ばれし者”のために、自らを犠牲にしようと思う。
ただし、普通の死に方はしたくない。できることなら、自分らしい死体を用意して、少しでも“選ばれし者”の心に残りたい。
それが私の、最後の願いだ。
仕事は、あの男に頼んだ。このようなことを頼めるのは、あいつしかいない。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
●2F 西側廊下
扉を開くと、17~21号室がある。
【調べられるもの】 ……17~21号室
★各部屋のイベント★
・17号室
ベッドの上に、ぼんやりと横になっている仮面の女性がいます。
仮面は、金髪の白人女性を模したもの……なのですが、なにより目を引いたのは、その姿です。彼女なんと、服を一枚も着ていないのでした。
「ああ……いやだいやだ。……何をやってもうまくいかないし、死んでしまいたい。……でも私、死ぬ気力もないわ……!」
※“星”の部屋。無気力の象徴。
※何を聞いても、何をしても(仮に暴力をふるわれたとしても)ほとんど反応を示さない。
※彼女から情報を得たいなら、彼女の望む“死”を与えてやる必要がある。
もしプレイヤーが彼女を殺してやるならば、布団の中に隠した“狂人の情報(下記参照)”をくれるだろう。
※自らの手で彼女を殺してしまった場合、精神的ショックのために【SANチェック】成功で1D3、失敗で1D6。
・18号室
“月”を模した仮面を被った女性が、鼻歌を歌いながらフルーツの盛り合わせを食べています。
彼女はこちらに気づくと、
「あら、いらっしゃい、“選ばれし者”!」
と、好意的に挨拶してくれるでしょう。
※ロールプレイ、あるいは《交渉系技能》の成功
「ここの病院の患者さんはみんな、“逆位置”の性格らしいわ」
「でも、“正”と“逆”の位置が真逆の人もいるの」
「例えば、私がそうね」
「もし、見た目が邪悪な人でも、“逆位置”の人はきっと、良い人よ」
「それとは逆に、嘘ばっかり言う人もいるわ。気をつけて」
※彼女と仲良くなることで、フルーツを分けてもらえる。
※『カットされたフルーツは、優しくて懐かしい味でした。あなたは、心に温かいものが流れ込むのを感じるでしょう。』【SAN値1D3】回復。
※隠しアイテムとして、果物ナイフを用意しておく。フルーツの盛り合わせがあるので、ナイフがあっても良い。
・19号室
“太陽”を模した仮面を被った男が、飲んだくれています。
男は、へらへらと笑いながら、
「よお、選ばれし者! 今日も良い天気だなあ!」
……などと、訳のわからないことを言うでしょう。
※“太陽”の彼は、人生を浪費している。何を聞いても、酔っ払いの戯言でしかない。
※彼は、“悪魔”とは真逆のことをいう。
「この場所? 近所にある大学病院だよ?」
「ここを出たけりゃ、出口を探すしかないんじゃないか? 三回回ってワンと鳴きゃ、すぐ出られるさ」
「お前の正体? そりゃあ“愚者”さ。俺の前にいるのは、根っからの間抜けだからな」
※“吊られた男”は、彼の“無意味な助言”にそそのかされた結果、殺人鬼となってしまった。
その事実を彼から聞き出すことは難しいかもしれないが、暴力を振ったり、プレイヤーのAPP対抗で真相を聞き出すことができるかもしれない。
・20号室
部屋に入ると、仮面を上下、逆さまに被った奇妙な男が座っています。
「あ、どうも、こんにちは……」
探索者は彼に、どこか投げやりな印象を受けました。
※ここで得られる情報は少なめ。
何を聞いても、
「え、あ、はい……」
「いや、自分は何にも知らないっす」
というような返答。
※ここにいるのは“審判”ではない。“吊された男”である。
※《心理学》成功で、「こいつは嘘を吐いている」とわかりやすく説明して良い。
※ここまでに登場した死体は、彼の仕業。
※彼をここで“吊された男”に何らかの対処を取らなければ、部屋を出たあたりで奇襲を受ける。
※彼に対して敵対的な行動をとると、戦闘。
※彼の正体を理解した上で、《交渉系技能》などを使えば、ヒントをくれる。「なにか、やるべきことが欲しい」らしい。
※“吊られた男”は、無駄な努力が大好き。ロールプレイで何か、別のことに興味を向けてやることができれば、無力化しても良いだろう。
※もしその結果を“吊られた男”が気に入れば、“狂人の情報(下記参照)”をもらえてもよい。
・21号室
この部屋の扉は、固く閉ざされています。
※“世界”は1Fにいる。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
●エレベーター内
ごく一般的なエレベーター。
“恋人”と二人きりになれる最後の場所。
PLがここまでで狂人の情報:『タロットカード表』を手に入れていない場合は、この情報を提示してあげるべきである。
【イベント】
『恋人と通じ合う』
発生条件:ここまでの探索で “恋人”に酷いことをしていない(KP判断でもよい)。
“恋人”が、何か伝えたがっている。
《アイディア》の半分:成功で、あなたには、危機を共に乗り越えた“恋人”の言っていることがなんとなくわかるでしょう。“恋人”はどうやら、「これまで出会わなかったカードの暗示こそが、あなたの正体だ」ということ、さらに「私の知る限り、自分以外の3Fの住人はみんな死んでしまった」と言いたいようです。
《アイディア》の半分:失敗でも「これまで出会わなかったカードの暗示こそが、あなたの正体だ」ということはわかる。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
●一階
探索者がエレベーターを開くとそこは、だだっぴろい空間が広がっていました。
あなたが期待したような、普通の病院の出口は見当たりません。
あなたはすぐに思い至ります。
このような構造の建物が、この世に存在して良いはずがない、と。
言いようのない不安に囚われたあなたは【SANチェック:成功で1、失敗で1D3】。
辺りを見回すと、テーブルが一つ、あることに気づきます。
テーブルの前には一人、男とも女ともつかない、中性的な仮面を被った人が座っており、何やらカードをシャッフルしているようです。
仮面の人はまず、こう言うでしょう。
「やあ、“選ばれし者”。よく来たね。私は“世界”だ」
※“世界”曰く、この場所から出るにはゲームに勝つ必要がある。
※なお、“世界とは物理的に接触できないので戦闘はできない。
【イベント】
『最後のゲーム』 ♪BGM変更『挑戦状』
発生条件:“世界”の勝負を受ける。
「ゲームのルールは単純だ。これからきみに、三枚のタロットカードを見せる。
それを見てきみは、自分の立場が『高い』か『低い』かを宣言してもらう。
全問正解することで、ゲームクリアだ」
※各問題での成否は敢えて答えず、不正解だったとしても最後まで答えてもらうこと。
※探索者がずっと身につけていた仮面の正体は、消去法で“死神”である。つまり、探索者の立場は、13だ。
※恋人と仲良くしていれば、目線でそれとなく答えを教えてくれる(高いところを見ていると“高い”、低いところを見ていると“低い”。わからないと首を傾げる)。
※ただし、最後の問題だけは“世界”に咎められてしまうので答えを教えてくれない。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
● エンディング
・グッドエンド
「すばらしい!」
そういって“世界”は、ぱちぱちぱちぱちと拍手を送ります。
いつしかその拍手は大きくなっていき……気がつくとあなたの周囲には、これまで出会った全ての患者たちが立っていることに気づきました。
「すばらしい見識だ。さすがは、我々を犠牲にして選ばれただけはある」
そういう彼は、どこか晴れ晴れとした声色です。
※PLのロールプレイを待つ。何か質問があるなら、ここで答えてもよい。
※質疑応答は“悪魔”の項を参照にすること。
(迷ったときのセリフ例)
「我々は、大本を辿ればおなじもの。おなじルーツを持つ存在なのだ」
「これまでのゲームは、とある輩から出題された」
※ある程度で見切りを付けて、
そして“世界”は、一枚の手鏡を取りだし、あなたに見せるでしょう。
その仮面は、――しゃれこうべ。人間の頭蓋骨を象ったものでした。
それが暗示するタロットカードは、たった一枚だけ。
あなたの正体は、“死神”だったようです。
「約束したとおり、きみを無事、元の世界に戻してやろう」
“世界”はそう宣言します。
(恋人が生存し、“嫌い”判定でなければ)
「だがその前に、冒険を共にしてきた“恋人”と、お別れを言うと良い」
※恋人へ、別れの言葉のロールプレイ。
※もしプレイヤーが、“恋人”を連れて帰りたいと望んでも、“世界”は首を横に振る。
「我々とて、そうしたいのは山々だ」
「しかし、一つに肉体に宿るのは、たった一つの魂だけなんだよ」
その後、【1D100】のシークレットダイス。
80以下の出目で、“恋人”は最後に一言だけ、
「さようなら。私の愛しい人」
……と、エールを送ってくれるだろう。
失敗しても、ジェスチャーだけで感謝を伝えてくれる。
※プレイヤーのロールプレイ。
そうしていると、その場にいた患者たち全員が、仮面を外します。
その全てが、どこか、あなたの面影のある顔なのでした。
”選ばれなかった者”たちは、”選ばれし者”であるあなたをじっと見つめて、こう言います。
「きみはこの場所で、立派にやった」
「きっと現実でも、うまくやるだろう」
「我々の分も、強く生きてくれ」
▼
そして、あなたの意識は暗転しました。
どこか遠くで、誰かの声が聞こえます。
胎児よ胎児よ何故躍る 母親の
心がわかっておそろしいのか
たしかに、あなたは“死神”でした。
あなたはかつて、数多の同胞を、押しのけ押しのけ、肉体を得た。
自分を除いた、あらゆる可能性を鑑みることなく、ただただ生へとしがみついたのだ。
あなたは、“選ばれし者”である。
そして彼らは、“選ばれなかった”。
▼
目を覚ますと、あなたはいつものベッドで眠っていました。
不思議な夢を見たような気がします。
ですが、きっとそれは、夢ではない。
その証拠にあなたの心には、”選ばれなかった彼ら“の想いが、強く刻み込まれていたのですから。
※プレイヤーのロールプレイで一言もらって、〆。
『肉体への回帰』END
・クリア報酬
SAN値:1d6回復を二回行う。
不定の狂気を発動したPL:『1D6ヶ月×1D3』でSAN回復。
クリティカルが発生したスキルに経験値チェック。
1d100を振る⇒失敗したら成長判定⇒1d10をロールして出目で上昇。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
・バッドエンド
「……残念だ」
“世界”は、哀しげに笑います。
「きみは結局、自分が何者かを正確に理解することができなかった」
「一つ聞きたい。きみは、きみ自身のことを何者だと思っている?」
※RPで答えてもらう。
「なるほど。その答えは間違っているようでいて、正しいのかも知れない」
「なにせ我々は、大本を辿れば同じもの。あり得たかも知れない、可能性の一つなのだから」
「だが、これで良かったのかもな」
「あなたはこれから、あなたが望む者になれるのだからね」
「さよならだ」
「どうか、我々を憎まないでくれ。憎むべきは、我々みんなを弄んだあの怪物、――ナイアーラトテップと名乗ったあれなのだ……――」
▼
ふとあなたが目を覚ますと、いつものベッドで目を覚まします。
見慣れた天井。見慣れた部屋。
見慣れた、自分の身体。
しかしあなたは、自分の身体が思うように動かないことに気づくでしょう。
あなたの身体は、【PLが答えたタロットカード】が暗示する何者かに、乗っ取られてしまっていました。
※もはや、探索者はプレイヤーの制御下にない。
※GMがその探索者を自由にロールプレイしてよい。
※プレイヤーが選んだタロットカードによるロールプレイ。
(例)
“魔術師”なら他人を信じられない性格。
“審判”なら、失敗した人生をくよくよと悔恨する性格。
“世界”なら、堕落した性格。
「ちがう! こんなのは自分じゃない!」
心のどこかで、あなたは叫びます。
しかし、あなたの肉体もはや、あなたのものではない。
得体の知れない何かに、主導権を握られてしまいました。
とはいえ、最後まで諦めてはいけません。
あるいは何かの拍子にまた、人格が入れ替わる瞬間が来るかもしれませんから……。
キャラクター・ロスト(NPC化) 『オマケの人格』END
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
●狂人の情報
狂人たちが与えてくれる情報。
情報は原則、一人一つ。どれを与えるかはKPが自由に決めてよい。
またこれらの情報は、クリティカルを出した場合や、狂人たちとの会話の流れでKPが「渡してもいいかな?」と思った時、自由に渡してよいが、基本的に最初は『タロットカード表』がベター。
『タロットカード表』
0 愚者/I 魔術師/II 女教皇/III 女帝/IV 皇帝/V 教皇/VI 恋人/VII 戦車/VIII 正義/IX 隠者/X 運命の輪/XI 力/XII 吊された男/XIII 死神/XIV 節制/XV 悪魔/XVI 塔/XVII 星/XVIII 月/XIX 太陽/XX 審判/XXI 世界
『正位置と逆位置』
タロットカードには、正位置と逆位置が反転しているものが存在する。
悪魔、月、死神などがその代表である。
『仮面』
仮面は特注品である。
世界に一つだけしかない。
『2F西側病室 患者情報』
患者17番:無気力。反応を示さない。
患者18番:■■■■(かすれていて読めない)
患者19番:無駄な時間を過ごす。
患者20番:■■■■(かすれていて読めない)
患者21番:「“選ばれし者”へ。1階にて待つ」
『院内死亡者リスト(最新版)』
愚者/魔術師/女教皇/女帝/皇帝/教皇/戦車/正義/隠者/運命の輪/力/審判
『院内患者リスト』
魔術師:裏切り
恋人:コミュニケーション不全
吊された男:意味のない努力
死神:覚醒
節制:浪費
悪魔:生真面目
塔:破壊
星:無気力
月:希望
太陽:意味のない時間
世界:未完成
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
●キャラクターデータ
・???(恋人)
STR:4/CON:6/POW:10/DEX:5
APP:13/SIZ:10/INT:10/EDU:6
HP:8/MP:10/SAN:0/回避:10/ダメージボーナス:-1d4
[技能]
目星:50%/こぶし:60%/キック:50%/クトゥルフ神話:30%/
応急手当:99%/隠れる:50%
※これに加えて、プレイヤーの最も得意な戦闘技能を一つだけコピーする。
【備考】
あなたの“恋人”である。大抵の行動には怒らないし、PLの指示にはしっかり従う。
彼女を犠牲にする行動をとったとしても、“恋人”は気にしないだろう。
ただし、嫌なものは嫌らしい。
彼女に対して明確な敵意を一度でも向けると、“嫌い”判定となる。
“嫌い”判定ではない状態でエンディングを迎えると、80%ダイスロール。成功でしゃべる。失敗で、ジェスチャーのみで感謝を伝えてくる。
※恋人のロールプレイについて
恋人は、可能な限り主人公の手助けになろうと動く。主人公が怪我をすれば応急手当をするだろうし、プレイヤーがおかしくなったら、《こぶし》を振って正気を取り戻そうとしてくれるだろう。
恋人が知っている情報の中でももっとも有要なのは、3Fにいる患者の情報を知っている、ということ。
そのため、受付で転がっている死体を一つ一つ訊ねれば、その正体を確認することができるだろう。
ただし、恋人は怖がりである。あまり長時間、死体だらけの2Fの受付で拘束していると、怖がって“月”のいる18号室へと逃げ去ってしまう。
とはいえ、また18号室に向かえば、再びプレイヤーと同行してくれるし、そのために“嫌い”判定になることはない。
・仮面の男(魔術師)
STR:8/CON:9/POW:27/DEX:12
APP:15/SIZ:12/INT:18/EDU:21
HP:11/MP:27/SAN:0/回避:24/ダメージボーナス:0
[攻撃手段]
こぶし:50% 1d3
キック:25% 1d6
死の呪文:24MP 詠唱時間として、1d3R。対象を炎に包み込み、毎ラウンド継続してダメージを与える。毎ラウンド対抗POWロールが必要。すべての目撃者は正気度ロールが必要で1/1d6正気度ポイントを失う。
・20号室の男(吊された男)
STR:11/CON:11/POW:6/DEX:12
APP:14/SIZ:13/INT:10/EDU:15
HP:12/MP:6/SAN:0/回避:24/ダメージボーナス:0
[攻撃手段]
こぶし:50% 1d3
キック:25% 1d6
メスで斬りかかる:30% 1d4
※これに加えて、プレイヤーの最も得意な戦闘技能をコピーする。
・その他の狂人全員
STR:11/CON:11/POW:6/DEX:12
APP:12/SIZ:12/INT:11/EDU:15
HP:12/MP:6/SAN:0/回避:24/ダメージボーナス:0
[攻撃手段]
こぶし:50% 1d3
キック:25% 1d6
※各狂人のロールプレイについて
基本的に、2Fで登場する狂人たちは2Fの情報しか知らない。
そのため、何らかの形で患者たちを2F受付に連れて行っても、「わからない」と答えるだけだろう。
なお、ここの連中の生活は、基本的に“世界”の創り出す様々なものによって成り立っている。
食事は? 飲み物は? などの問いかけても、「“世界”が供するものをもらっている」という答え以外は帰ってこないだろう。
ただし、彼らはイメージの存在である。生きていくために食事をしている訳ではなく、ある種の娯楽として食事を嗜んでいるにすぎない。
また、彼らには“時間の感覚がない”というのも共通事項である。多くの場合、プレイヤーは、「いつからここでこうしているか」を訊ねるので、そうした場合は「わからない」と答えておくのがベター。




