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短い短編(童話・ヒューマンドラマ・現実恋愛など)

ひらひらした長い布

 ただいまー。


 と、わたしがかえってもへんじはなかった。


 そっか。お母さんもお姉ちゃんもまだかえってないんだ。


 お父さんはいつももっとしごとでおそいし。


 私は家のかぎをしめて、手をあらって、自分のへやに行った。


 自分のへやに入ってびっくりした。


 え、なんかいる。


 長くて、ひらひらしたぬの。


 これはなんだろう?


 あ、前に本でよんだ、天女のはごろもかな。


 だったらわたしは、これでそらをとべるかもしれない。


 そうおもって、わたしはつかまえようと手をのばしたけど、にげられた。


 てんじょうのすみの、とどかないところに行ってしまった。


 そとににがしたほうがいいのかな。


 わたしはまどをすこしだけあけてみた。


 出て行くけはいはない。


 うーん。


 わたしはどうしようかとかんがえたけど、とくにこうげきもしてこないので、そっとしておくことにした。


 わたしはせおったままだったランドセルをゆかにおき、しゅくだいと、れんらくぶくろをとり出した。


 れんらくぶくろのなかに入っている、かみをとり出した。


 かみにはもんだいがかいてあって、あとわたしのかいたこたえがかいてある。

 

 あと赤でまるかばつかさんかくがかいてあって、そして、てんすうがかいてある。


 そう、これはテスト。


 今日、とってもわるかったテストだ。


 だれもいないし……かくしちゃおうかな。


 わたしはつくえのひきだしのおくに、テストを小さくおりたたんでいれた。


 これでよし。


 と思っていたら。


 あのはごろもみたいなのが、わたしのところにきた。


 そして、ほんの少しのすきまからひきだしの中に入って行った。


 そしてすこしたったらひきだしがひらき、はごろもみたいなのはテストにまきついたじょうたいで出てきた。


 なんで?


 せっかくかくそうとしたのに、なんでじゃまするんだろう? このへんないきものは。


 わたしはふしぎだった。


 お母さんのあたらしいペットなのかな?


 だったら、とてもおそろしいペットだ。


 わたしはかんがえたけど、このはごろもみたいなのにみはられてるから、どこにもかくせない。


 しかたなく、テストの直しをすることにした。


 わたしはきょうかしょをひらき、テストのまちがっているところを、直した。


 ぜんぶなおしおわるまでには、けっこうじかんがかかった。


 けど、ちゃんとおわれた。


 だから、少しほっとしていたら、


 とつぜん、はごろもみたいなのが、わたしの前にきた。


 え? なに? と思っていたら、わたしにほんの少しだけまきついて、そしてきえた。


 見えなくなっちゃった……なんだったんだろう。


 いまのいきものは。


 思いあたるとしたら、一つ。


 さっきまでいたいきものは、ゴールテープみたいなものなのかも。


 わからないけど、わたしがちゃんとテストの直しをしたら、きえたし。



    ☆   〇   ☆



 わたしのよそうはあたっていたみたいで、それからも、ときどき、ひらひらしたものは、ときどきやってきては、わたしがなにかたっせいすると、きえていった。


 それは、わたしいがいにはみえない、ふしぎなもの。


 でも、なぜだか、わたしだけみえるのが、正しいようなきがした。

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