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渡辺勘兵衛

私(三成):(渡辺勘兵衛はどうしましょうか?)

所員:(500石でありますから今、まで通りで宜しいかと思われるのでありますが……。)

私(三成):(いや彼は元々柴田勝家や、のちの太閤となる羽柴秀吉から2万石で誘われていたところを『今はこれしか出すことが出来ませんが、私(本来の三成)が100万石の知行を得た暁には10万石をお与えします。』と約束して手に入れた傑物。その後、佐和山城主となった三成から加増の打診があるも『まだ殿が100万石になってはおりませぬから。』と固辞。当初の500石で現在に至っている。と……。)

所員:(能力に見合った報酬を与えることが出来ていないことに元の三成も負い目を感じていたとは思われますが、なにぶん三成自身の出世の道が断たれてしまいました。)

私(三成):(こと勘兵衛に関しては、彼自身の収入を増やす手立てを考えなければいけないのでありますが……。)

所員:(副業や兼業を容認するのも一つの手かと思われますが。)

私(三成):(……ただそうなりますと彼の特技は『いくさ働き』でありますので、今の佐和山で彼を活かすところはありません。……となりますと自動的に他家との掛け持ちとなる。そうなりますと……。)

所員:(肝心な時。勘兵衛が佐和山に居ないことになってしまう。と……。)

私(三成):(かと言いまして、彼にとって苦手としている内政を見てもらうのも申し訳ない……。)


と、思案した結果。ろうそくであぶり黒くなったガラス板をハメた木眼鏡を掛け、全身金色でコーディネートされた衣装を身に纏い、不思議な踊りを繰り広げる渡辺勘兵衛の姿が領内各地で目撃されることになったのでありました。


所員:(名前は『彦太郎』で宜しいでしょうか?)

私(三成):(『彦根』と言う地名は東山道と北国街道の結節点として既に存在していましたが。……感想欄に『着ぐるみで台無し』と気になる点として指摘されているのでありますが……。)

所員:(ならパロディとならぬよう『彦根太郎』にしましょうか?)

私(三成):(6音は俳句や川柳の先生から注意されることがありますので。出来れば5か7音にしたほうが座りが良いと思われますし、『彦根太郎』は既に市役所などの凡例として用いられていることが予想されます。)

所員:(それなら『彦根の太郎』。)

私(三成):(7音にはなりますが、たぶん『17音しかないのに勿体ない。』と言う理由で俳句の先生が『根』と『の』の2文字をマジックで消され、結果残ったのが『彦太郎』。それ読まれたかたが感想欄に……。)

所員:(じゃあ6音だけど誰にも怒られない『彦左衛門』で手を打とうか。)

私(三成):(家康に対する恨みつらみをぶちまけてこの世を去った点では共通していますが。……と言うより、勘兵衛自体。目立つことが嫌いなわけではありませんので、普通に勘兵衛がかぶきながら気ままに領内を練り歩いている。で良いと思いますよ。)


 その後。そんな勘兵衛の様子をたまたま見掛けたルイス・フロイス(1599年段階で既にこの世を去っていることついては流してください)が彼に興味を抱き。著作『日本史』の中で紹介。評判はヨーロッパに広まり、時のローマ教皇クレメンス8世より謁見の誘いが舞い込み、2回目の遣欧使節が企画されるも。秀吉の禁教令に伴う余波のため断念。ただヨーロッパにおける勘兵衛の評価が逆輸入された日本においてブレイク。富山の薬売り以外無事に還ることが出来ないと言われた薩摩の国からの興行依頼を利用した豊臣政権は、伊集院忠棟殺害に伴う島津家の混乱を収集させるべく


「……俺。調停とかやったことないんだけど……。」

と難色を示す渡辺勘兵衛を薩摩の国に派遣するのでありました。

(この話はいつか外伝として綴る考えは。……今のところありません。)

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