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信長の失敗を逆手に取り

所員:(武田家滅亡後。家康に与えられた駿河を除く甲斐と信濃・上野は織田信長の管轄下に置かれることになります。ここで注目されますのが信長の占領政策。とりわけ武田家の本貫地であります甲斐の国でありまして……。他国を占領した際の統治方法となりますと、従って来ましたその土地の有力者の力を借りながら行うことがよくある手段でありまして。信長もこれまで同様の手段を採用していました。ところが大和や摂津の国では任せたものに裏切られましたり、越前におきましては任せたものが一向宗の手により惨殺される。と言いました苦い経験があったこともありましてか。甲斐の国におきまして信長は、武田家にゆかりのあるものを徹底的に弾圧する政策を採用しました。これは信長ばかりで無く。秀吉政権下におけます肥後や豊前。更には東北地方にも見られた政策であります。)

私(三成):(そんな中、本能寺において信長が倒れます。そうなりますと……。)

所員:(これまで身を隠していました武田の旧臣はチャンスとばかりに一斉蜂起。甲斐の国に入りました河尻秀隆を襲撃し、惨殺する事件が発生します。主が居なくなりました甲斐の国。ここに目を付けたのが徳川家康と北条氏政。その争いに家康が勝利を修めるのでありましたが、その際。家康が採った政策は信長とは真逆のもの。武田旧臣の大量採用でありました。)

私(三成):(織田と徳川は、主家を滅亡に追いやった同じ仇ではありますが、一切雇用しないばかりか。命をも狙っていた織田家に比べれば……。)

所員:(で。徳川のもとに集まった武田旧臣の数は実に895名にも及び、その大半は武田時代の取り分が50貫以下と小禄。にもかかわらず彼らは、農業土木や鉱山開発と言いました経済力強化には不可欠な能力に長けたものばかり……。三河と言う後進地域出身の家康にとりまして、喉から手が出るほど欲しい人材が集まるのでありました。)

私(三成):(なぜ信長は、そんな有能な人材を除け者にしたのでしょうか?)

所員:(それだけ信長は武田家を恨んでいた……。とも言えますし、わざわざ武田から採用しなくても。自分のところに経済のことが出来る人材が居たから。であったことが考えられます。)

私(三成):(お互いの思惑が一致して……。)

所員:(で。家康は武田の旧臣を有効活用しまして甲斐の経営に乗り出すのでありますが、彼らの大半が武田時代。比較的手ごろな取り分であったこともありましたので。家康は彼らを『直臣』として採用した上、甲斐の運営に携わる実質的な責任者とも言える奉行職から民政を担う代官に至るまで、そのほとんどを武田の旧臣に任せる。それだけ家康は甲斐の支配に神経を使っていたとも言えます。)

私(三成):(怒らせると、国持大名を惨殺することが出来る勇猛な集団でありますからね……。)

所員:(だからと言いまして奉行・代官が自由勝手に農民を搾取することが無いよう、代官に対する弾劾権を農民に認めるなど一定の制限も加えることも忘れてはいません。)

私(三成):(家康の直轄領と言う事になりましょうか……。)

所員:(甲斐での実験が、関東へ移ってから活きて来るのでありますが、それはのちほど。)

私(三成):(甲斐と同じく占領しました信濃につきましては?)

所員:(信濃につきましては、武田時代から武田に従うことを条件に元々の利権が認められていた領主が多く、おいそれとは攻め滅ぼすことが出来ない規模を武田時代から有していたこともありますので、家康も彼らの所領を安堵する形で徳川家に組み込む方針を採用しています。そのため甲斐のような直轄化の動きは見られません。これは本貫地であります三河や比較的早い段階に領国化しました遠江も駿河・信濃と同じ状況にありました。その後、秀吉と対立する過程の中で、筆頭家老であります石川数正が豊臣方に離反する事件が発生。これまで培って来ました徳川家の決まりごとの全てが秀吉に筒抜けとなってしまう事態となりました家康が頼みとしたのが『武田家の決まり事』。これを採用するのに役立ったのは。)

私(三成):(甲斐の国で採用した武田の旧臣。)

所員:(彼らの影響力が高まるにつれ、相対的に薄まることになったのが三河以来の徳川家臣。でも給料は……。)

私(三成):(引き抜きでは無い。無職からの転職者の哀しさでありますね……。)

所員:(そんな状況の中。秀吉から新たな命令が課せられるのであります。)

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