僕登場!
サブタイトル考えるのが、一番難しいと感じる今日この頃…。
少女たちが入ったのは、ベッドが一つと、薬品だろうビン詰めされた液体のような“もの”が、陳列された棚のみがある殺風景な部屋。
この部屋、殺風景ではあるが掃除はこまめにされているのだろう。瓶やベッドには、埃が溜まっている様には見えない。床も、掃除はされているようで、少女たちの靴跡が残ることはない。
ただ、掃除は行われているとは言っても、ここは旧市街。この部屋を構成している材料は木材であり、それも品質の悪いものを使用しているようだ。天井や床では、所々が変色しているのが見て取れる。
「この薬品何かしら?」
ローブの少女は、棚に並べられた、黄、緑、赤、青、茶、白、黒、紫の色の薬品を見て首をかしげる。その棚に並べられた薬品のような“もの”は、瓶の中で動いているように見えるので、なるほど気になるものである。
「触らない。」
「っ!」
黒髪の少女に止められなければ、ローブの少女はその液体の入った瓶に伸ばそうとしていた手を慌てて引っ込める。
「ごめん。それ一応、扉の鍵だから…。」
「そ、そう。こちらこそ、知らずとは言え、ごめんなさい。」
「のーぷろぶれむ。」
「へ?!あなた、もしかして?!」
黒髪の少女が、この国で使われているグローゼン大陸共通語ではない言語を発したとき、ローブの少女の表情は驚愕に染まった。発音はたどたどしいが、その言語はブリュンラッセルには“存在しない”言語だったからだ。
「?間違った?」
「いや、使い方は正解だ。」
「そ?」
「そんなことよりも、扉を開くぞ。」
ローブの少女が、驚きにより呆然とするの無視して、一人と一つの声は、行動を始めた。
黒髪の少女はベッドの方へ歩いていき、その下を探る。そこから棒を取り出した。その棒は、茶色をベースにして、棚の液体のうち紫のもので模様が刻まれているようだ。
黒髪の少女は、その棒を部屋の中心に持っていき、劣化により空いたと思われていた床の穴に挿し込む。
そして、棒を右回りにまわすと、棚にある各色の瓶が輝き数秒後、「がこっ」という音がしたと思ったら、天井が輝き始めた。
「毎回思うが、眩しいな。もうちょっと、光量を抑えれないのか?」
「むり。あきらめて。」
「あいつ、意外と派手好きだよな…。」
「ん。」
天井の輝きは、どうやら変色した一部分が輝いているようだ。それをよく見れば、ローブの少女が男達を殺すのに使用した、『空間』属性の“転移”の魔法陣であった。
一瞬その輝きは、一際大きくなる。
「久しぶり、マリアベル。」
そしてその輝きが収まり、恐る恐るローブの少女が目を開ければ、そこには教会があった。その教会の入り口の扉の前で、少年の姿をした怠惰の使徒が、ローブの少女にそう声をかけた。
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