謝罪
色々あったが、話は落ち着いた。
「で?」
ごめんなさい。盛りました。落ち着いてません。
「すまない。」
「それで?」
これの繰り返しである。
「そ、そのモーリスさん。話が進みませんので…。それでその?傲慢の守護者であるあなた様が、一介の学生でしかない僕らに何の用でしょうか?」
「本当にすまなかった。」
「だったら消えろ。」
ルナしゃーーん!!
△△△
頑張った。俺超頑張った。
何をしたかと言うと、あれだ。ルナに甘えた。
ある程度は、機嫌が直ってくれてよかった。
「で?」
まだ、怖いけど…。
「貴殿が、怠惰の守護者なのだろ?」
モーリスもさっきみたいに謝るだけじゃなくて、本題を切り出してきた。
「知らない。」
ルナさん…。
「ふっ。ただの学生が、私の首に傷に付けれるとでも?」
そうですよねー。先程の一件でモーリスの首には赤い線が…。
「あなたが私より弱かっただけ。」
「ふはは。知っているだろ?私は傲慢の守護者だ。」
何を言いたいかは分かる。
普通に考えて、使徒の配下において制限がかかっている魔王や勇者を除いた場合の平時では、守護者が一番の実力を持っている。
そんな守護者に傷を付けるなんて、油断していたとはいえ一般人には無理だと思う。
「だから?」
「あくまでも白を切る気か?傲慢の守護者たる私が配下でも無い一般人如きに傷を付けられると?」
形勢が悪いな…。
「ルナ。」
「何?」
「諦めよう。これは、分が悪い。それに、相手の狙いが分からん。」
「…。ん。」
ややあって、ルナが頷いてくれた。
「モーリスさん。一応ルナが怠惰の守護者だ。」
「そうか。認めてくるか。」
認めなければならない状況にしたのはお前だろうに…。
「うるさい。」
「ルナ。」
「…、ん。」
まったく…、敵視しすぎだ。て言うか、ここまで人を敵視するなんて、ベル以来初めてじゃないか?
ルナはどちらかって言うと、人見知りをするような奴で、俺以外に対して塩対応だけど、ベルやモーリスに対しては、“敵”を見るような、そんな目をするんだよな。
「それで?モーリスさんは、ルナに何の用なんだ?」
「傲慢の使徒様が未来予知をできるのは、怠惰の使徒であるルナも知っていると思う。」
「ああ。それでこの学園で色々事件が起きるから、それに対処するために俺達も呼び戦力として呼ばれたんだろ?」
今更なんでそんな話を?
「ああ、そうだ。そして、私達の他に憤怒の賢者であるタリアも居る。」
そうだな。正直、守護者二人でさえ過剰戦力だと思うし、そこに賢者とか何を考えてるんだと言われても仕方ないレベルだ。
「そこでだ。怠惰の守護者である貴殿には、最後まで予備戦力であって欲しいのだ。」
ん?
「意味が分かんない。」
「どういう意味だ?」
「なに簡単な事さ。学園で起こることは、私だけで十分だという事だ。」
…。
「元からそのつもり。」
「俺達は、元々予備のままで、動きなんてないぞ。」
多分だけど、俺隊が学園に通う事になった理由は、怠惰の使徒がルナに学園に通わせたかったからだろうしな。
「そうか。貴殿は元からそうだったか…。」
「ん。」
「そのつもりで、目立たない様に行動してたのにな。」
「す、すまない。一応、人目に付かないように配慮はしたんだが。」
おい、入学式直後に来た奴は、どこの誰でしたっけ?まぁ、俺は大人なので、そんなことは言わないけどね。
「それでも、怠惰の守護者が来るのは事前に聞いていたんだ。それなのに、憤怒の賢者も入学してきた。」
「ああ、俺達もタリアが入学するなんて知らなかったしな。」
「これは、私だけでは不安だからだと思った使徒様が、憤怒の使徒様にもお願いをしていたかららしい。」
はぁ?
「不安って…。」
「雑魚だからじゃない?」
「ルナ!」
「ん。」
まったく、言って良い事と悪い事がある。モーリスも落ち込んじゃったし。
「分かってるさ。幼い頃から守護者として頑張ってきても、私には運があっただけなのだからな。」
そうモーリスは寂しそうに言った。
「私の幼馴染は、自力で最年少で騎士の座を勝ち取ったらしい。私と違って実力で、だ。」
ああ、多分あの最年少騎士って騒がれていた灰色の髪の勤勉の騎士だろ。俺達を探しに来たモーリスに話しかけた奴だから、若干覚えている。
「あいつは昔からすごいんだ。幼い時にした約束を果たそうとしている。」
…。
「自分語りなら、一人でしてれば?」
「ル――。」
「すまない。貴殿達には関係ない事を話してしま―――。」
「もう終わりなら、消えて?」
ルナが、そんな冷たさを感じる言葉を吐いて、モーリスは今一度頭を下げて、校舎に戻っていった。
「くだらない。」
「ルナ?」
「離したくないなら・・・。」
「え?なんだって?」
「なんでも。ご飯食べたら、戻ろ?」
「あ、ああ。」
俺達も、残ったご飯を食べて校舎に戻った。
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