探索者の街 キルルカ 2
前回、“次回、守護者契約”と言いましたが、案の定書ききる前に二千文字を越えたので、サブタイトルが違いますが、気にしないで下さい。
それと、あらすじで“眷属”となっていたところを“配下”と変えました。
誤解を与えたことをこの場でお詫びします。
では、本編をどうぞ。
―――グローゼン大陸 探索者の街 キルルカ―――
この世界、ブリュンラッセルにおいて、使徒の支配がない街というものは、少ないが存在する。このキルルカもその一つで、“明確に”どの使徒も自分の支配領域と主張していない土地にある街だ。ここは、付近に多くのダンジョンを擁し、それに挑む探索者達を相手にする商人達の市場が規模を大きくしていったことにより発展した。
多くのダンジョンがあるため、ダンジョンから魔物が溢れる“暴走”に備え街を大きな城壁で囲んでいる。その在り様に、初めて訪れた者は、“まるで要塞だ”と言うだろう。
この四年で、この世界は変わった。いや変わる前の状況を俺は知らないから、どう変わったかは言及できないが…。俺はこの四年間このグローゼン大陸をベルと共に旅をしてきた。
その中で、多くのことを知った。
四年前の俺がこちらの世界に怠惰の魔剣『影』として転生した時に、使徒達がこの世界ブリュンラッセルに現れたらしい。使徒達は、己の定めた領地を魔物から守るために活動を始めたらしい。その一つが、『騎士』や『狩人』『暗殺者』などの配下集めだ。配下の仕組みは全世界に広まっていて、使徒の配下になれば各々の能力が強化されるっということが、この世界の常識となりつつある。
そんな中で、表舞台にいまだ顔を出していない使徒もいる。うちの使徒様もその一人だ。表舞台に立っている使徒で有名なのが、『博愛の使徒』と『傲慢の使徒』だ。
『傲慢の使徒』は、確定に近い未来視をすることができるため、それを用いて様々な出来事を見て、自分の領地の安全を、予め対策をしておくことで被害を少なくしているそうだ。
『博愛の使徒』は、シャルテ王国近辺を領地としている使徒だ。彼女の配下は、ほぼ全員が回復魔法を使えるようになるらしく、全世界に神官として派遣をしているそうだ。さすがに、他の使徒の『聖女』『魔女』程の回復魔法は使えないが、それでもそれに近い能力ではあるらしい。
ただその分、彼女の『騎士』『狩人』は身体強化がない。
また『勇者』(うちで言う『魔王』ポジション)は、《勇者の声》(うちで言う《魔王の声》)が使えない上に回復魔法も使えない。
さらに『賢者』『聖女』『守護者』は、三人ともが回復魔法を使えるがそれぞれ得意なことが違うらしい。
そして、重要なことだがその二人の使徒の配下は揃ったらしい。
現在うちの配下組は、一日の終わりにベルが魔王に連絡を入れているが、あいも変わらず俺とベルの二人しかいないらしい。どうやら候補は決まっているようだが、どうやってこちらに引き込むかを考えているらしい。
「で、ベルさんや。ここに、今度こそ守護者候補はいるんかいな?」
「え?あ、うん、多分。この前立ち寄った街でそういう情報をもらったよね?」
そして問題が、これだ。この四年間大陸中を文字通り歩き回り、例の商人を追いかけてきたが、時々だがベルの様子がおかしい。まるで何かを隠すような素振りをする。気のせいかもしれないが、キルルカに近づくにつれて、それは顕著になっている気がする。
「はぁ、ま、いいか。ほら行こう。」
そう言って、俺達はキルルカの東門へと近づいて行った。
「次。」
「こんにちは。」
俺達は、東門で簡単な検査を受け、キルルカに入った。
余談だが、俺の姿は魔力体なので見えない人間の方が多い。また見えたとしも、ベルの魔力と誤認される。俺自身気配は、現在の状態では変えられないみたいで、守護者と契約すれば俺の気配と守護者の気配は一つになるらしい。
また、ベルの姿は髑髏の仮面をつけたローブ姿の怪しい風貌だが、全てが魔道具であり相手からの認識に阻害を行うものらしい。ばれたらまずい気がするが、その時はその時だそうだ。それでいいんだろうか?
「今回こそ、見つかりますように。」
「ははは、さすが今回でこの旅行も終わりだよ。」
「旅行?」
ベルの思念話からそんな声が漏れた。ベルの方を見れば、やらかしたという顔をしているベルがいた。ベルは気まずそうにしながら続けた。
「実はね…。」
そして語られたのは、彼女の知るこの“四年間の真実”だった。
そして、ところ変わってキルルカの北東部、宿が立ち並ぶ宿場町の一画にある宿屋の一室。
「つまりだ。ベルもうちの使徒様も最初から、あの日から四年後、守護者候補が、キルルカの街にやってくるのは知っていたっと。」
「まぁ、要約するとそうだね。」
どうやら、最初に俺を飛ばした時点で、怠惰の使徒さんは守護者候補の母親が捕まって奴隷商人に売られるのは分かっていたらしい。その上で俺をあの村に飛ばし、ベルに“四年後には保護できるから”と俺の足止めと時間稼ぎを頼んだらしい。
「そのね。別に意地悪でやったわけじゃないんだよ?使徒様も君にこの世界に慣れて欲しかったんだと思うよ。それにこの世界について、いろんなことも知れたでしょ?」
ベルの言いたいことも分かるが、最初からそう言えばいい気がする。
それについて聞いてみたら、“面白そうだから”って言われたらしい。
「使徒様がもう守護者候補ちゃんを、保護したらしいから私たちは、明日彼女に会いに行きます。だから今日は休むってことで、いい?」
「ああ、そうだな。でもそれ今日じゃダメなのか?」
「君が良くても、私が無理です。ごめんなさい。」
ああ、俺は魔力体だから疲れとかないが、彼女は生身の人間だった。そりゃ疲れがあるか…。
「ああ、分かった。ごめん、無理を言った。」
「ううん。気にしないで~。」
そう言って、彼女はベッドに倒れこみ、規則正しい寝息を立て始めた。
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次回予告はもうしない。←どうせそうならないしw
と、言いつつ次回こそ守護者契約です。お楽しみに。




