第六十睡 魂のショートコント
おいおい、まさか本当にネタするつもりか、こいつ。ここで「嫌です」って言えば……いや、言わなくても、すぐさま助けてやるつもりだったのに。命に関わることだし。
だけど……うむ、これは見物だ。ミーナの存在意義を賭けたネタ、ハイテンションの真髄を……見せてもらおう。
「ハイテンションショートコント“蜘蛛の巣”……ああああああんぎゃああああああ!!! ミーナとしたことが、蜘蛛の巣に引っ掛かってしまいましたなあああはっはっはっはっは!!! 誰かミーナを助けてくだされ!! ヘルプミー! ヘルプミー!! ヘルプ………ミーナ!!!」
「タラ子、明日の予定は?」
「明日は隣の国から姫がお越しになります。なんでも魔王討伐についての話がしたいとのことで」
「え、マジ? 姫=美人だよな?」
「そんな方程式はありません。全くあさましいですね」
「まっ、チキン野郎だしな」
「こらこら、チキン野郎ばっかりだなって言われたばかりだろ」
「おっと、あーしったらまた同じ間違いを……」
「もう、ヒーナさんったら~」
「「「ひょほほほほほほほ」」」
「まままま待ってください! 帰らないでください!! もう一回! もう一回だけチャンスください! おーい……あ、違う、あああああんぎゃああああ!!!」
その後、さすがに実の姉を哀れに思ったのか、ヒーナの手によってヘルプミーナは無事、救出された。




