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甘い匂いの部屋
目が覚めると僕は知らない天井が。身体には布団がかけられていた。
頭が少しぼーっとして、痛い身体を無理矢理動かして起き上がる。
ここは?
部屋は甘い匂いがする。布団からも同じにおいがする。部屋の窓は網戸にされていて網戸の近くまで行くと外が見えた。
僕が通っている通学路が見えた。
僕、あいつらに公園のトイレの裏でいじめられててそのうち気を失ったんだっけ?あの時誰かが来て。
記憶を辿っていくと不意にドアが開いた。
「なんだ、起きてたのか」
髪をかきあげながらその人は言った。
「君、家に連絡しときなよ。飯食わせてやるから食ったら自分の家に帰れよ」
機嫌は悪そうだが僕を助けてくれたし悪い人ではないだろう。そう思った。