公園のトイレ裏
「てめぇタブレットばっか維持ってんじゃねーよ、だからてめぇはチビなんだよ‼」
「それ貸せや‼貸さねぇならこうだ‼」
そう言いながら僕はそいつらに背中や足を蹴られ続ける。鈍い音が公園のトイレ裏に響く。夕方で当たりは薄暗く人気もない。空はどんよりしていて夕立が来そうだ。こんな所でいじめに合ってる僕に誰も気付いてくれない。僕はただ耐える。
「邪魔」
誰かがボソッと言った。
ドンッ
トイレのコンクリートを殴った鈍い音が聞こえた。
「邪魔って言ってんの聞こえない?」
いじめっこ達が後退りする。
「わっなんだよ‼」
「この姉ちゃんこえー‼」
そう言って全員逃げていった。もう蹴られなくていいんだ。僕の顔に雨が落ちて来るのを感じた。
「おい、お前も帰れよ」
そう言って口調の荒いお姉さんは僕を通りすぎてその場を去ろうとした。
僕は立ち上がろうとするが上手く身体に力が入らずその場に倒れてしまう。
全身が痛い。ポツポツ降っていた雨が一気に降りだして僕の身体をみるみる濡らしてく。
降ってきた…早く帰らなきゃ。
そう思って身体を動かそうとする意識とは逆に僕はだんだん視界が暗くなっていった。
「…ったく 仕方ないな」