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新しい人生の新しい学校生活 8

何かアドバイス等がありましたら教えてください

館に帰りつきセスはすぐに食事の準備を始める。

必要な分だけ残し、それ以外の不要な食材を冷蔵庫(日本には劣る)の中に入れる。

ちなみに残した使う食材はバンデンの肉をひと塊と今回買った野菜を少しずつ残した。

フライパンなどの調理器具は必要最低限置かれていた。

フライパンを取り出し、コンロの上に載せ弱火でフライパンを熱し始める。バンデンは大きいため、自分が食べる量を切り、残りは白のご飯にする。

セスはフライパンと一緒に出しておいたまな板に載せそれらを手際よく切っていく。

ハクライとシロクサを水洗いし千切りにし、トウガは包丁の側面でつぶす。この間に温まったフライパンに油をひく。そのまま待つのもあれなので、この館に用意されてと片栗粉と水を混ぜ合わせる。いた醤油のような色をした液体

温まった油をフライパン全体にまんべんなく広がらせる。

ここにバンデンの肉とトウガを入れ弱火のまま過熱を続ける。

十分後。

両面を五分ごとにひっくり返し、いい感じに焼けたろころで、先ほど混ぜ合わせておいた液体を投入した。

この後さらにふたをし十分間煮込む。

この間にセスは時間の有効活用のため使わなくなった包丁まな板と包丁を洗い、盛りつけるための皿とフォークとナイフを準備した。

十分が過ぎセスはふたを開ける。ふたをしたままでも香ばしい香りはしていたが、ふたを開けた瞬間にこれでもかと香ばしいにおいが広がる。

<いい香りがすると思ったら主殿だったか……>

においにつられて白がやってきた。

帰ってきてからすぐに台所に来たため、白の姿を見なかったが、どこかに行っていたみたいだ。

「もうできたから食事にするけど、白はそこに置いているバンデンの肉でよかった?」

白はセスが行ったバンデン肉をみ、これでいいとうなずく。

正直何を食べたいのか分からなかったため、2種類の肉を大量に買ったのだ。当然この中にセスの食事も入っている。

次にセスは、先ほど千切りにしたハクライとシロクサをボウルのような容器に入れ、これまた館にあったドレッシングをかけて即席サラダを作る。

ちなみにドレッシングの色は赤に近い茶色だ。

セスが今回作ったのはバンデンの肉のあんかけと即席シロクサハクライのサラダだけだ。

セスとしては、ここに米があればいいのにと思うが、そんな贅沢は言ってられず、せめて米のようなものがあればもっと美味しくたべれるのにと思ってしまう。

冷めてしまわないうちにセスは、食事をする食堂にこの二品を持って行き、椅子に着く。

白は大きな肉を口にくわえながら後についてきた。

ちなみに白の肉は大きいため、ちょうどあった大きい皿の上に載せて食べてもらうことになった。


セスは慣れた手つきでナイフとフォークを使い肉を口に運ぶ。

<主殿は料理ができたのか?>

バンデンの肉のあんかけを半分ほど食べたところで白から念話が来た。

「料理は少しかじった程度だよ」

白はその言葉を聞き思った。

ジーク達の食事を見ていたから分かる。セスはかじった程度というが、シンプルな素材でここまで作れる人間がはたして何人いるのかと。

「そんなに凄いことじゃないから」

セスは白の雰囲気で言う。

白は、そんなものなのかと納得し食事を再開する。

セスも食事に戻る。


食事を終えたセスは食器を洗っている。

この世界には洗剤はない。代わりに石けんのような泡がたつ物があり、これで油を浮かせて洗えた。匂いは、ほのかにオレンジのような柑橘類のような甘酸っぱいいい香りがする。

すべての食器を洗い終え、セスは外に出た。

セスは肌寒さを感じながら外の空気を肺いっぱいに吸い込み吐き出す。また吸い込み吐き出す。これを数回繰り返し、すっかり暗くなってってしまった空を見上げる。

あたりいっぱいに広がる星たち。強く輝く星から弱々しく輝く星。どれもこれも真っ暗な夜空を飾っている。

ここにはあの地球のように星の輝きをさえぎる邪魔な光はない。

地球のように星をさえぎる月はない。あるのは満点の星空。

その輝きに吸い込まれそうな感覚に陥る。

伸びをして、また深呼吸をする。

この世界に来て、または転生してからこの夜空は、どこも同じように、どの星も輝いた。

セスはこの星空やこの空気がなんとなく好きだった。

とてもリラックスできるから。

だが今回はリラックスできない。なぜなら、

ガサッ。

セスの数少ない至福の時を邪魔する者がいたからだ。

外に出る前よりもずっと前に気付いていた。館の敷地内に何かが侵入しいたことに。

セスがまったく知らない気配。

何もしてこないならこちらも何もしないつもりだったが、こちらに危害を加えるようなら容赦はしない。

セスはそう考えながら音のした方を見る。

そこには一人の男がいた。

男はこちらに近づいてくる。それはとても自然で隙が少ない。

セスはそこから一切動かず、男を見据える。

男は茶色のマントを羽織っており、顔にはマスクを着けていた。手にはケースをふたつ持っている。

身長は170センチほどだろうか。平均的な身長だ。肩幅は少し広く背丈の割に大きい印象を持つ。

暗いせいで相手の年齢は分かりにくいが多分20代前半

男がセスの3メートルほど先で止まった。

「あなたがセス・クラウン殿でよろしいでしょうか」

少し低い声で聞いてきた。

セスはなんとなくの予想がついた。それと同時に一気に警戒心を強める。

「ええ、自分がセス・クラウンですが……?」

相手には分からないように自然な体勢で警戒する。

「…………」

「…………」

二人の間での沈黙。

この沈黙を破ったのは男の方だった。

男はケースを上に放り投げ一気にセスの方に詰める。

その速さは警戒していないと反応しきれない速さだった。

ボクシングのような構えで左フックを繰り出してくる。

セスは腕をクロスさせそれを防ぐ。防いですぐに今度は右ストレート。

それも防ぎ防御に徹する。

右左右右。

フック、ストレートを多用する。

セスは涼しい顔ですべて防いでいく。

いきなり右側から強烈な衝撃が来る。その威力を防ぎきれずにセスは吹き飛ばされる。

男は手ではなく今度は蹴りを繰り出してきた。

ここまででかかった時間はほんの数秒。

男は腕を上げる。その手に先ほど投げたケースが握られる。静かに腕を下ろし、セスの方に近付く。

だが、そこにセスの姿はなかった。そこに気配があるのに。

男は辺りを慎重に見渡すと同時に気配も探る。

他には誰もいなく、当たり前だが気配もそこにしかない。

「後ろ」

唐突に聞こえた声に驚きすぐさま後ろを振り返った。

が、誰もいない。その瞬間、男は膝をついた。

何事かわからずにいる男の目の前にセスがいた。

(なにが……起きた……?)

男はセスを見上げる。

「……は……はは。強いな……」

男はそう呟き、立ち上がる。

「申し訳ありません。手荒なまねをして」

「いえ、そんなことはありません」

男はセスに謝り手に持っていたケースをこちらに差し出してくる。

「こちらはロッデ様からの荷物をお預かりしています」


セスは男を今日掃除した部屋に案内する。

「申し遅れました、わたくしロッデ様のもとで仕えているディモと申します」

男はディモと名乗る。

帰り際に買っていた菓子と茶を出す。

ディモはケースを机の上に載せ中身を見せてきた。

中に入っていたのは純白と漆黒の拳銃二丁とマガジン四個だった。

セスはそれらを取り出し確認する。その拳銃には銃口がなかった。

「これはセス殿がロッデ様に頼んだSAWだと伺ったのですが……」

ASW(詠唱支援武器)

Aria support weapon

これらの頭文字をとり、省略したのがASWだ。

これらはその名の通り詠唱を支援する武器である。

基本この世界には詠唱をし、その詠唱により魔力を別の物質に変える。変えた魔力を魔法として行使する。

これが基本的な魔法だ。

これらを詠唱なしに、それでいて高威力にするには、何かしらの媒体をもって発動すれば効率よく行くのではないか、と作られ始めたのがASWである。

ASWが作られ始めたのが九年前。

一応の実用化されたのが五年前。

それから五年後にさらに進歩して作られた。この九年間にASWは急激に進化した。

その性能はこの世界の百年以上の進歩だと言われているほどだ。

だが、誰でも手に入るわけではない。なぜならこの技術を持っているのは数える程度の企業しかないからだ。それに高価なのだ、やたらと。平均価格がだいたい五万デジベルほどだ。

セスはASWを眺めながら、

「ええ、自分が頼みました。ロッデさんに頼めば安心ですから」

ASWをケースに戻しセスはディモを見る。

最初は何の事だか分かってなかったらしく、数秒後にあっと声を出し気付く。

「申し訳ありません! 層いえばこちらのケースも一緒に渡すように申し渡されてました」

セスは二つ目のケースを受けとりケースを開ける。中身を確認してすぐに閉める。

ディモがこちらをしきりと気にしている。

多分、中身が何なのか気になるのだろう。

「中身のことはロッデさんに何も聞いてなかったんですか?」

セスの言葉に、

「はい、ロッデ様はその二つ目のケースだけ中身を教えていただけませんでした」

やはりそうか。セスはクスッと笑いロッデのことを思い浮かべる。

「本当にあの人はなかなかに人が悪い」

呟きながらセスはケースを開きなおし中身をディモに見せる。

中身を見たディモは疑問の顔になる。

「これは……何なんでしょうか?」

ディモは疑問をぶつけてくる。

まぁ、確かにそういう疑問を聞いてきてもしょうがないと言えばしょうがない。なにせ中に入っていたのは石ころのような物と、先ほどのASWとは少し違う形のASWが二丁と、指輪が五つだったからだ。

ASWは、あってもなぜ四丁も? とは思うが、これといって不思議には感じない。が、この隅の方にある石ころのようなものと指輪五つは不思議にしか思えない。

セスはケースを閉める。

「何でしょうかて聞かれても……ただのASWと石と指輪ですけど?」

そのまんまのことを口に出す。

「いや、それはそうなんですけど……」

男は口ごもる。

「まあ、そんなことはどうでもいいんですよ」

セスは説明が面倒になりこの話を切り上げる。

「そうですか……申し訳ありません」

ディモはこちらに謝り席を立つ。そのまま部屋の扉に手をかける。

「あっ、そういえば先ほどセス殿は吹き飛んだと思ったのですが……あれは私の見間違いなんでしょうか?」

ついさっきした戦闘のことを言っているのだろう。

「あぁ、あれですか? そうですね、確かに見間違いではありますね。けど確かに吹き飛んではいましたね」

セスの言葉にディモはポカンと口をあける。

何を言っているのか分からないという表情をしている。

「簡単に言ってしまえば僕じゃないほかの何かが吹き飛んだだけですよ」

セスは簡潔にしかし少し分かりにくい答えを言う。

「やはりですか……。聞いていた通りのお人だ。ロッデ様が気に入るわけだ。では失礼しました」

扉をあけ部屋を出る。セスもその後追い玄関の外まで付いていく。

「そういえば、ロッデさんに来るときはちゃんと連絡してくださいと伝えておいてください。今日来られたみたいですから」

今日来ていた客人はロッデで間違いないだろうと、確信を持って伝えてくれと頼む。

「分かりました。機会があったらまた。では」

ディモが見えなくなるまでセスは見送り館の中に入る。

先ほどいた部屋に再び入ると、

<主殿、このケースの中に何かおかしなモノがあるぞ>

中に入っていた白が語りかけてくる。

おかしな物? と思いつつ近付くとおかしなものが何を指してているのかがわかった。

「ああ、多分、ロッデさんのいたずらかな。開けるんならまぁ気をつけた方がいいかもね」

セスは目で白に開けるかを聞く。白はうなずきセスはケースを開ける。




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