セスが出ていった後のちょっとした話 14
遅くなって申し訳ないです。
エリカの魔法で助けられたジークはゆっくりと立つ。ゆっくりとは言ってもその間のジークは全くと言っていいほど隙が無い。
「......ふぅ、これは本気でやらないといけないな......」
ジークは一息つき戦闘の大勢に入る。その構えは、右足を前に、左足を引き、右手を前に左手を腰のあたりまで下げた構えだ。なんともシンプルな構えだった。だが、ジークの構えはジークにとって戦いやすい体術の構えだった。
ジークが立って構えるまでの間、男は動くことができないでいた。男は見とれていたのだ。ジークの構えるまでの動きに。その動きは流麗で誰もが見とれるものだった。
「......はっ!」
男はジークに見とれていたことに少し驚いた。殺さないといけない相手なのにだ。だけど、油断はしない。むしろこれまで以上に警戒心が強くなった。
......もう、油断はしない。
男はそう強く思った。だからこそすぐに魔法の展開を始める。その速さは、これまで以上に速いスピードで魔法の展開をするこができた。ジークもほぼ同時に魔法の展開を始め男と同じ時に魔法の展開が完了し、魔法名を同時に声に出し、魔法を発動する。
「フレアランスっ!」
「バーンフレア!」
どっちも同じフレア系上級魔法だ。
フレアランスは複数の槍としてジークに向かい、バーンフレアは男と同じ数の炎の玉が男のフレアランスに向かっていく。そしてそれは、ぶつかり爆発音を轟かせる。この爆発により周りはほとんど吹き飛んだ。が、ジークとエリカには汚れ一つ無い。男はマントの端が少し焦げてなくなっていた。
「はぁ......はぁ......くそッ! ジーク・クラウン貴様手を抜いてるな」
男は息を切らしながら言う。
一方ジークは疲れた様子もなく平然としていた。
「......は、ははは......ああ、我汝にこの命を捧げよう。汝我の命を喰らい力を得よ。その力を持って我の敵を地獄につき落とせ! アドラス!」
男は魔力消費の召喚魔法の詠唱をし、アドラスを呼び出す。魔法陣が男の前に描かれ中に影が現れる。その中の影がだんだん実体を持ち始め、数秒で実体化した。それは鳩のような顔の大型の人型をしていた。
「はぁ......はぁ......くたばれジーク•クラウン」
男はその場に膝をつきながら言う。男が召喚したアドラスはジークに向かって歩き始めた。その歩みはゆっくりしているが油断できない。
......なんで アドラスなんてだすんだよ......魔力の消費が多くなるだろ......
ジークはまた、心の中で愚痴る。
アドラスはゆっくりした歩みを止めてジークを凝視する。そして、地面を蹴ってジークに一瞬にして詰め寄り強力な蹴りをジークに繰り出す。ジークはそれを防ぎアドラスの腹に両手を当てアトラスを吹き飛ばす。飛ばされたアドラスは空中で体勢を立て直し空を蹴ってまたジークに詰め寄る。
「なっ!?」
今度の詰め寄りは先ほどの詰め寄りよりもさらに速い。そのはやさに驚き一瞬ジークに隙ができた。アドラスはそれを見逃さずに近距離で魔力の塊をぶつける。塊はジークに直撃し爆発した。その爆発は男が放った魔法より、男とジークの魔法がぶつかった時の爆発よりも大きく激しい。そんなものを直撃させられジークの体は跡形もなく吹き飛んだと男は思った。男は心にゆとりができ周りを見渡す。
「な......なんだとっ!?」
男は驚きを隠せなかった。男の驚きとはエリカが魔法を使ってなかったこと、それと、あれだけの爆発があったにもかかわらず部屋の損傷が小さいことだった。このこことから誰かが周りに被害が出ないように何かしらの方法で部屋を守らなければならない。まず、エリカが魔法を使ってないと言うことは、他の第三者かジークしか部屋を守ることができない。一番確率が高いのは第三者がやったと考えられるが、もし、ジークがやっていたとしたらジークが相当な実力者ということになる。が、それはない。ジークが部屋を守ってるようには見えないからだ。それに、あれだけの爆発だ、それ相応の実力がないとできない。ゆえに第三者のほうが強い。と、考えを巡らせていたところ、
「おい、もう終わりか? ほんと面倒なもん出しやがって、おかげて倒すのに手こずったじゃないか」
爆発で吹き飛んだと思っていたジークが余裕の表情で男の前に立っていた。
「......うそ......だろ......。なんで......なんであれに勝てるんだよ!」
「まぁ、あの程度の召喚でジークさんを殺ろうなんて考えが甘いですよぉ〜」
これまでのジークたちの戦闘を観戦していたエリカが答える。
「これでお前の負けだな」
ジークは確信をもって言う
変なところがあったら言ってください。




