セスが出ていった後のちょっとした話 5
「本当にすまない! 俺に出来る範囲なら何でもする、だから泣きやんでくれ!」
その言葉を言った瞬間にエリカは泣きやんでいた。まるでその言葉を待っていたのかのように。
「本当に何でもするんですねぇ~......ふふ、何してもらおうかしらぁ~?」
笑っていた。右手を口を隠すようにして、とてもおもしろいものを見ているかのようにエリカは笑っていた。
その笑顔はいつもどおり美しく、可愛らしい。さっきまで泣いていたのは全て本当に泣いているようにしか見えなかった。だがもし本当に演技だとしたら、驚くことは間違いない。それにしても上手い演技だった。
ジークは、エリカのこの笑顔が恐ろしいと思った。
「......へ?」
ジークはヘンテコな声を出して口をポカンと開けていた。
唖然と言う言葉がしっくりくる顔を、ジークはしていた。
「......エリカ?」
ジークは恐る恐る話しかける。
「何ですかぁ~?」
「......」
だが、エリカの笑顔がものすごく怖くてジークは、次の言葉が出なかった。
「......えっと、その、ごめんなさい!」
ジークはたまらず謝っていた。
「どうしたんですかぁ~? 何がごめんなさいなのか分かりませんよ~?」
エリカは笑顔を崩さずジークに言う。今のエリカの笑顔は、この時間がエリカにとって至福の時間のように思わせる。それだけエリカの顔は楽しそうだった。
「本当に何がごめんなさいなのかぁ~、分かりませんよ~」
ジークが何も言わないからエリカはまたジークに聞いた。
「......ごめんなさい」
だがジークは、ごめんなさいしか言わない。
「......もう怒ってないですからぁ~顔を上げてくださ~い」
エリカはジークがすごく落ち込んでいるのを見て、やりすぎたと思い、ジークをイジるのをやめる。
「本当か?」
ジークは弱々しくエリカに聞く。
「本当ですよ~」
エリカは怒ってないと確証づけるかのようにジークにその大きな胸を押しつけるように抱きつく。
鼻と鼻がくっつきそうになる程の間しかない。
「......確かにセス君を勝手に行かせたのわぁ~ひどいと思いますけどぉ~、それがルールですからぁ~仕方ないですよ~」
「......本当にすまなかった」
「次からはちゃんと相談してくださいねぇ~」
「......あぁわかっんっ!」
エリカはジークを押し倒してすぐにキスしていた。




