セスが出ていった後のちょっとした話 3
カロルの妙案を試すべく、ジークはすぐに城から出て馬車に乗り、2時間かけて家の門の前に今到着した。
「......この方法でエリカを怒らせずにすむはずだ!」
ジークは確信していた。
「ジーク様、お帰りなさいませ。エリカ様がジーク様をお探しでしたよ? 早く行って差し上げないと命はないそうです」
執事長のバトラスがジークを迎えに来てさらにとんでもないことを言い出した。
「......そうだな。早く行った方が良さそうだな」
だがそんなことを言われてもジークは動じない。
むしろ、堂々としている。
カロルの妙案があるからだ。
ジークは怒られないと自信をもって、エリカのところに堂々と向かった。
「そこに座ってくださいねぇ~」
ジークが部屋に入ってすぐの言葉はこれだった。
扉が3ミリメートル開いたかどうかぐらいのタイミングでエリカは言う。
「いや、ちょっと待て」
ジークはエリカに話をしようと持ちかけようとした。
「そこに座ってくださいねぇ~」
エリカはとても笑顔だ。
さらにその笑顔は一輪の花のように、咲き乱れる桜のように、美しい。
どんな男も一目見てしまえば、魔法にかかったかのような錯覚をさせてしまう程の、とびっきりの笑顔だった。
だが、目は笑っていないし、穏やかな雰囲気は出していない。
ただあるのは殺気にも似た雰囲気だった。
「ところでセス君はどこかしらぁ~?」
エリカはセスか見あたらないことに気づきセスを探し出す。
「あなた、セス君わぁ~?」
周りを見てもセスが見あたらないため(あたりまえなのだが)ジークに聞く。
今こそカロルの提案した妙案を使うべきだ! とジークは確信し。
「......それはだな」
ジークはカロルの言った妙案を一字一句間違えずにエリカに説明した。




