お金が無い
楽しんでください。
家を出て、すぐにセスはギルドに向かった。いや、向かおうとしていた。
だが、彼はどこのギルドに行くか迷っていた。
「さて、どこに行こうかな。北、東、西、南どこに行こうかな?うーん、迷うな」
彼には、どこでも良かった。本当にどこでも良かったのだが、知らないうちに銀色の館に来ていた。
彼の悪い癖だ。迷うことはほとんど無いが、というか皆無だ。これまでは迷うことはなかった。考え出したら周りが見えなくなる。が、これは彼の良いとこでもあった。
セスは、銀色の館にに決め、中に入った。
中には、人が片手で数える程しかいなかった。
「おいおい、こんなところになんでガキが来るんだよ」
「ほんとだよ、ガキはママのおっぱいでも飲んでろ」
だが、そこでお酒を飲んで酔っぱらっていた若い男の二人組が、セスに近づいてきた。
セスはそんなのお構いなしでカウンターに行こうとした。
「おいガキ!聞いてんのか!」
男の一人が叫んだ。
「はぁー」
セスは面倒くさそうにため息をはいた。
「てめー、喧嘩売ってんのか!」
「ガキが調子コくんじゃねー!」
叫んだ方とは違う男がセスを殴った。セスは口から血を流していた。
「・・・」
セスは何もいわずにしていた。なぜ何も言わずに何もしないのか、誰もが思うだろう。殴られて泣きもせず、痛がるそぶりも見せない、むしろ、この状態で笑っていた。その笑顔は感情がこもっていなかった。ただ、言えるのは、とても冷たいということだ。
章の昔がちょっとうかがえるかもしれません。




