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夏の海の別荘で 6
「貴様等が、ジーク・クラウンとカロル・スード・スワンか。・・・貴様等の命、貰い受ける!」
男は、(男、と言ったのは、声が低かったからだ)
もの凄いスピードでジークに迫り、そして、ジークの心臓めがけてナイフを突き出した。
しかし、ジークは動かずに男のナイフを素手で弾いた。
男は一旦距離を取り、上級の火魔法、フレイムスパイラルを放った。
それは、ジークとカロルに向かわずセスの方に向かった。
しかし、それは、一瞬にして凍り付いた。比喩ではなく、炎が凍ったのだ。
凍った炎は地面におちて砕けた。
二人、エリカとレインは反応出来なかった。
では、誰が凍らせたか、それは、
セスではなかった。
なら、誰が凍らせたのか。それは、並々ならぬ魔力を放出している、銀色の狼がいた。