新説少女1
「で、よ」
キャラ立ちして勢いがあるうちに言っておこう
「なんですか」
「正直、主人公がボケってのは辛いものがあるの」
ツッコミの方が心理描写しやすいって理屈
ボケの考えてる事はわからないってのもあるけど
「それで」
「変わって」
よしっ言った!言えた!
正直、ここで喋るぐらいなら口に出した方がいいとか思ってたのよね
読心術は当たり前だし
「嫌です」
「なんでよ!いいじゃない!ってか今までぐだぐだだったのはあんたが意味不明だったからでしょ!」
何考えてるかわからないって…娘に冷たくされた親父の心境かっ
「それは確かにそうですが、私にツッコミが出来るかどうか」
「まさかのツッコミ放棄!?」
待って、主人公の佐奈はボケしか出来ません
てか破天荒少女ってタイトルなのに破天荒じゃなくなるじゃない
ってかほかにツッコミがいないじゃない!!
兄!?まさか父にやらすの!?無謀すぎるよね??
「ほら、考えてる内にだんだんぐだぐだに…」
わかってる。わかってるが…
「お前が言うなぁぁ!!」
ちゃぶ台をひっくり返したいわ!って佐奈がツッコミいれちゃったし!
「なんなのよアンタ!ツッコミじゃないの!」
「え…」
「そこで戸惑った顔をするなぁぁ」
ダメだ!このままじゃ繰り返しだ!
そうなったら俺のターン
「トラップカード発動!!視点を強制的にチェンジ!こっからは執事視点!これ決定!もうかわらない!」
「そんな子供みたいに…」
大声で叫ぶ佐奈様を尻目に紅茶を煎れ始める
あ、皆様はじめまして執事視点です
何故紅茶を煎れているのかと申しますと興奮した佐奈様を落ち着かせる為にお茶でも飲んで…という訳にございます
「視点を奪った途端急に黙り混むなー」
佐奈様自体、視点交代に不安の種が消えたのか落ち着いてきた様子
ならこの紅茶いらないか
「ちょっあんた天然!?普通無言で飲み干さないでしょ!執事が喋れば喋るほどキャラが独り歩きして尚且つ歪んだ方向にフルマラソンなんだけど!」
「独り歩きのフルマラソンですか」
率直な意見をずばりと
「…………」
すると黙り混むお嬢様
「佐奈様?」
「それよ!それ!その的確なツッコミ!」
心なしか輝いてらっしゃる
「賢いはずなのに体からアホっぽいオーラが出てたのよ!やればできるじゃない!」
「そうですか。それなら私も言いたいことが」
言っても言いだろうか
いや、言わなきゃ話が終わらない
「キャラ変わりましたね」
「アンタが言うか」