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No.02 甘え欲求には逆らえない。

いつものマンションまでの帰り道。だがいつもより少し違う。ななが好きな彼が後ろにいる。


ななは清楚を演じる。


「こほんっ。え、えっと...。」


口をパクパクと動かすが、胸がドキドキしすぎて言葉が出ない。


「あらまぁ...恥ずかしがっちゃってぇ」


「そそそそそ、そんなんじゃないから!!!」


あからさまに動揺する。


「うぅ...。」


顔を真っ赤にする。


(望月さん...学校ではあんなにかっこいいのに...なんか今は小動物みたいでかわいい...かも...)


瑠花は顔を少し赤く染める。


3人のマンションが見えてくる。自宅に近づくにつれてどんどんとななの心臓の鼓動が早くなる。


(うぅ...好きな人家に入れちゃうぅ...)


「あの...家どうせ隣なので...一回お風呂入ってもいいですか...?」


「もちろんいいわよ」


一行は一度それぞれの部屋に別れる。部屋のドアが閉まるとななは糸が切れた人形のようにズズズズと扉の前に座り込む。


「おねぇちゃん......!なに勝手に誘ってんのぉ......まだ心の準備が」


「好きな子とごはん食べれていいじゃない」


「すすすすす、好きじゃないし!!!!!ただの同級生だもん!!!たまたまお隣さんだっただけだもん!!」


照れ隠しに小さな口から小さな可愛らしい八重歯を出し、あむっと姉の柔らかい腕に噛みつく。


「ん......。はいはい。」


ななはちゅーちゅーと幼げな音を立てながらななかの血を吸う。


「もう。で、ほんとは?」


姉から離れて膝を抱えてそっぽを向きながら。


「..........好き。大っ嫌いになるくらい......好き......。」


消え入りそうな声で白状する。


その顔は熟した林檎のように真っ赤に染まっていた。

清楚の仮面はとっくにはがれていた。


「ピンポーン」


家のインターホンが鳴る。ななの心臓が飛び跳ねる。


「あ、の……お待たせ、しました……っ」


「いらっしゃい。あら......。」


ななかは目の前の光景に目を丸くする。


ドアの前に立っていたのは、襟元と袖口に繊細なレースのフリルがあしらわれた、ミルク色のブラウスを身に纏った他でもない瑠花だった。


ななはリビングから可愛らしく顔を覗かせて瑠花を見る。


(―――――っ!!)


「ごめんなさい......。これしか乾いてなくて......。」


瑠花は顔を真っ赤にしながらブラウスの袖に付いたフリルを指先でいじりながら、上目遣いでななを見上げる。


ダボッとしたサイズ感のせいで、フリルに包まれた首筋がいつもよりずっと白く、無防備に晒されていた。


(……っ、可愛すぎる。……反則。……食べちゃいたい……っ!!)


心の中で悶絶しながら、本能から喉がゴクリと鳴る。


フリルの隙間から覗く、吸い込まれそうな白い肌。見た目からしても、もちもちしていそうだった。


そこから漂ってくるお風呂上がりの甘い匂いのせいで、ななの心臓はもう限界を迎えていた。


「……なな、いつまで見惚れてるの。ほら、瑠花くん中に入れてあげなさいよ」

姉の呆れたような声に、ななは弾かれたように顔を上げる。

「っ、あ、う、うん……。……ど、どうぞ、瑠花くん」

お風呂上がりの甘い匂いに、頭がクラクラする。

――もう、どうにかなってしまいそうだった。

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