No.01 清楚ちゃんも甘えたい。
公園のベンチで座っている姉である望月ななかを見つけたなな。
「あ~!おねぇちゃん!」
ななは勢いのままななかに飛びつき、ななかの膝の上に乗っかり、清楚モードから超甘えん坊モードに切り替わる。
「おねぇちゃん!なでなでしてぇ」
「もー。甘えん坊さんなんだからぁ」
しかし、ななかの表情と行動には拒絶の色は見えない。
「えへへぇ...」
そこに、学校帰りの瑠花が通りかかる。瑠花は清楚なイメージしかないななが見知らぬ(恐らく姉であろう
)人物に甘えているという衝撃的な光景を目撃する。
「えっと、望月さん?」
ななはビクゥッと肩を震わせ、ギギギと歯切れの悪い歯車のように顔を瑠花の方に向ける。瑠花を目視した瞬間、声が出ないほどに顔を真っ赤に染める。
「あの、その、えっと、、、」
ななは照れ隠しのように姉の胸に顔を押し付ける。瑠花に見られたのと吸血鬼の本能的な反応で瑠花の血の匂いに反応して心臓の鼓動がどんどんと早くなっていく。
「あらまぁ、、、」
ななかは落ち着いた声でななを落ち着かせながらななの頭を撫でる。
(あの望月さんが甘えてる、、、?)
瑠花もつられて頬をほんのりと赤く染める。心拍数が急上昇する。
ななは心の中で悶絶する。
(好きな人に見られたぁ、、、)
ななかはななの雰囲気を読み取り心情を察する。
(ふーん、もしかしてこの子が...。ななの弱みゲット~)
「あら...ななのお友達?」
ななは姉からの問いかけに必死に否定するように首を横に振る。
「女の子?」
ななは顔を上げ、潤んだ瞳で姉を見つめて蚊の鳴くような声で。
「・・・男の子」
ななに潤んだ瞳で見つめられたななかの胸がきゅぅっと締め付けられる。
「あの、、、」
ななとななかが2人の世界に入りそうなのが気まずくなって声をかける。
ななかが反応する。
「あら、ごめんなさいね。よかったらこの後家で夜ご飯食べないかしら?もちろんあなたが良かったらの話なんだけどね。」
姉の衝撃的な提案にななが硬直する。
「え...?」
ななが可愛らしい間抜けな声を漏らす。
ななの硬直が解ける。顔を真っ赤にして。
「だめだめだめだめーーーっ!!!!」
(家でもこんな甘えてる姿見られたら私の清楚キャラが死んじゃう!)
「あ、えっと……。急でびっくりしちゃいましたけど……。望月さんが嫌じゃなければ、ぜひ……。いい、ですか? 望月さん。さっきも可愛かったですよ?」
瑠花の「可愛かったですよ」の一言に心が跳ねる。
「―――――っ!!!。わ、わかりました...。ど、どうぞ...。」(血の匂いが……もっと、甘くなった……っ。うぅ...。)
紡ぐ言葉の歯切れが悪い。心の中で悶絶する。




