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突撃浪漫ロボで、異世界を制覇する  作者: 焼飯学生
第4章 常闇の遺跡

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第22話 地下からの招待

 俺が前線の状況を伝えると、傭兵連合と旅団長代理は少し話し合った後、作戦の変更を急遽認めた。

 変更された内容としては、瓦礫となってしまった町を放棄し、作戦本部を安全が確認された坑道入口へ移動。坑道の攻略も少し変わっており、防火壁で閉じた各鉱脈へ続く坑道内を傭兵や連邦軍が班を作り、それぞれ手分けして探索するというものになった。

 作戦の再開時刻は15時になったため、それまで傭兵や兵士の者達は身体をしっかりと休めることにし、それぞれが好きな方法でリラックスして時間を過ごしていた。そんな中、俺はというと…


「……アサヒさんって、中々素顔見せませんよね?」

「そうですね。一応素顔は何回か見たことはありますが…鎧を脱いだ所を見たことは私もありませんね」

「……」


 伊織と真白の2人から、素顔や鎧を一度脱ぐように遠回しで強要されており、俺は必死に顔を逸らして聞こえていないふりをする。


「一度でいいからアサヒさんの素顔しっかりと見たいですね~」

「そうですね~真白ちゃん、鎧を外している所も見たいですね~」

「…………」


 顔を逸らしているため2人の顔が分からないが、物凄い圧を感じる。

 だが、俺は「ここでちょっとくらい…」と言って見せるような慢心はしない!そんな慢心が一瞬で正体バレや失敗に繋がるということを色々な所から学んでいるからな!だが、それはそれとして、2人の圧はどうにかしたい!早く、早く時間になってくれ!!

 切実に時間が来ることを願いながら、2人の圧をひたすら無視していると、


『作戦開始10分前になりました。坑道攻略作戦に向かう方は、坑道内の中継広場までお集まりください。繰り返します』


 作戦前を知らせるアナウンスが流れ始めた。


「そ、それでは行こうか伊織殿! 真白、留守番頼んだぞ! では!」


 俺は少し速足気味にその場を離れて行くが、そのせいで俺は気付けなかった。


「……真白ちゃん、どっかで隙を作って、鎧を着ていないアサヒ殿を見ません?」

「そうですね。私も気になるので、アサヒさんには悪いですが…伊織さんに全力(・・)で協力します」


 速足で広場へ向かう俺の背中を見ながら、2人が悪巧みを企てていることに…

 そして、一足先に広場に来た俺は、広場に設置された坑道内の地図を見ることにした。


「裂けゲートは中継地点にあるかな?」

「そこそこの広さがあったら、出てくると思うし、案外道の道中にあるかもよ?」


 地図を見ていると、自然とそういう会話が聞こえてくる。

 TALOSをプレイしていた時は、基本的にソロプレイだったから、こういうのは最奥に最短で行くけど…今回は班を組まされたからなぁ…メンバーは確か、伊織と傭兵2人、そして連邦軍1人だったけな?

 そんなことを考えながら、俺は周囲を確認して人目がつかないように隠しながらTALOSの画面を起動し、機体一覧を見始めた。

 今回は坑道という狭い場所で戦う。故に俺の機動力は強制的に低くなるので、武装は近接〜中距型かつ、味方を巻き込まない武装があるカスタムが一番良いだろう。

 暫く、登録機体一覧と睨み合いをしていると、今回の作戦にピッタリなカスタムを見つけた。


「…拾弐式、カスタマイズ」

『承認。武装、拾弐式に変更します。』


 システム音声が流れた後、俺の装備は漆式から拾弐式に変わった。

 拾弐式は、右腕に自動小銃(アサルトライフル)、左腕に籠手のように付けられた小型速射超電磁砲ライトラピットレールガン、右肩には縦二列にミサイル発射口が並んでいる八連装噴進砲マルチミサイルランチャー、左肩には小型自律航空機射出器オートドローンカタパルトという比較手に狭い場所での戦闘を目的とした武装となっている。


「これなら狭い坑道内でも活動できる…! 改めて武装の仕様を再確認するか」


 そうして俺が武装の仕様を確認していると、


『作戦開始5分前となりました。広場に居る皆さん、指定された班の者達との合流、お願いします』


 広場全体に聞こえるような大きさで、アナウンスが流れ、俺は伊織と他の班のメンバーを探し始めた。

 暫く探しながら歩いていると、


「あっ、アサヒ殿! こちらです!」


 伊織の声が聞こえ、声の方を顔を向けると、少し離れた場所に伊織と、褐色の肌に紺色の髪の美女、背丈には似合わない大きな魔女の帽子を被った茶髪の背の低い少女、朱色の髪に連邦軍の西洋風の鎧と兜を着た女性が居た。


「お初にお目にかかる。私は傭兵のアサヒだ!」


 人混みを縫って4人の元に駆け寄った俺は、早速自己紹介をする。


「ホート・マドラスだ。よろしく」

「ま、魔道士のランク・ロチャックです…」


 俺が自己紹介をすると、傭兵らしき美女と少女が自己紹介を返してくれた。


「全員揃ったようだな…私が貴様らの監視役となった連邦軍第13旅団所属第32歩兵大隊のテレーロ軍曹である。不幸なことにも、我が分隊の隊員達が先の戦闘で死傷したため、代わりとして君らが配属されることとなった。私は他所者だとしても厳粛に対応する。以上、突入時間まで待機せよ」

「「「「…………」」」」


 テレーロの言葉に、皆が呆気に取られる。

 アイツあれだな、絶対部隊で鬼軍曹とか言われてるだろ…俺が苦手なタイプだな……

 そうこうしていると、


『それでは皆さん。作戦開始時刻になりました。武装を整え、各兵隊長の指示に従って坑道内へ突入してください』


 というアナウンスが流れ、


「我々は先頭組だ。さっさと行くぞ…」


 テレーロが動き出したので、俺らは後に続いた。


「今から防火扉を開ける! 総員武器を持て!」


 人混みを通って防火扉でしまった坑道の入口付近に来た俺らは、先に居たルーレンの指示に従い、先に展開していた重装歩兵の後ろでそれぞれ武器を構える。


「開門!」


 ――ギギギギ


 皆が各自の武器を構え警戒する中、ルーレンの合図が出たことで、防火扉はゆっくりと音を立てながら開き始める。

 開門と同時にアビスが襲ってくる。皆がそう思っていたが…


「…居ない?」


 防火扉が開き、扉の向こうを見た俺は思わず声を出した。

 そう、防火扉の向こう側の坑道にはアビスどころかあの黒い靄すらなく、ただ薄暗い道が続いているだけであり、他の場所も同じだったのだ。


「どういうことだ?」

「もしかして、裂け目(ゲート)が閉じた?」

「いや、それでもアビスは残り続けるはず…」


 様々な所から、現状に困惑している人達からの憶測が聞こえてくる。


「…探索はこのまま続行。それでいいですね? 旅団長代理?」

「はい。例え裂け目(ゲート)が閉じたとしても、何処かに残党が居るはずです。坑道の確実な安全確保のために、探索は続行とします」


 ルーレンからの問いに、旅団長代理ははっきりと答え、探索は続行となった。


「では、第一陣は出発せよ!」

 はい!!!!


 気合を入れ直した俺らが、それぞれに割り振られた坑道に入るために歩き出したその時だった。


「遅い…」


 坑道からそのような言葉が聞こえたと思ったら、それぞれの坑道への入口から黒い手のような物が無数に現れた。


「全員武器を取れ!! アビスだ!!!!」


 全員がルーレンの呼びかけに従って己の武器を黒い手に向けて使おうとしたが、


「うわっ!」

「きゃっ!!」

「なっ!」


 黒い手は無差別に人を掴んではそのまま坑道内へと引きずり込み始め、あっという間に半数以上が引きずり込まれた。


「うおっと!」


 俺はギリギリで黒い手を避け続けるが、狭い上に人が少なくなるほど、相手をする黒い手が増え始める。


「あ、アサヒ殿!!」

「っ! 伊織!!」


 伊織が黒い手に捕まったことに気付いた俺は、助けようと手を伸ばすが、別の黒い手が割り込んできたため俺の手は届かず、伊織は複数の黒い手に掴まれながら坑道の奥へと消えて行った。


「ちっ! もう俺だけかよ!!」


 TALOSの各箇所に着けられている方向転換スラスターを使って、黒い手を必死に避けながら俺は、広場に居るのが自分だけと気づいた。


「ドローン射出!」


 ヘイトを少しでも分散するためにドローンを出すが、ドローンはあっという間に黒い手に掴まれ、そのまま粉々に粉砕された。


「数が多すぎる!!」


 自動小銃(アサルトライフル)小型速射超電磁砲ライトラピットレールガンなどの武装を使って黒い手を撃って怯ませるが、黒い手は更に増えてきて、数で押された俺は足を掴まれてしまう。


「やっ!!」


 足を掴まれて一瞬動きが止まってしまったことで、黒い手が次々と俺の身体に掴まり、まるで繭のように俺は黒い手に包まれてしまった。


「ああ…こいつは…不味い……」


 そんなことを呟きながら、俺は視界を塞がれたまま坑道深くへと引きずり込まれて行った。

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