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突撃浪漫ロボで、異世界を制覇する  作者: 焼飯学生
第4章 常闇の遺跡

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第18話 大坑道からのSOS

「う~ん! おいひいですぅ~!」


 真白を保護してから一週間程経過した。

 着々と依頼をして金を溜めた俺らは、傭兵連合会のカフェで、真白にフルーツパンケーキを食べさせていた。


「昨日のハンバーガーも美味しかったですが、このフルーツパンケーキも甘くてとても美味しいです!」

「私もそう思います! あっ、真白ちゃん。パフェ、一口食べますか?」

「頂きます!」


 フルーツパンケーキを美味しそうに食べている真白は、伊織からパフェを一口貰い、それも美味しそうに味わう。

 えっ?甘やかしすぎって?こんな可愛い生き物に、美味しい食べ物を食べさせて何が悪い???


「…これが母性…いや父性というものなのか?」


 甘いスイーツで楽しんでいる2人を見て、俺は父性らしきものを感じながらアイスカフェオレをストローで飲む。

 そうして、食事を楽しむ2人を見ていると、何やら受付の方が騒がしくなり始める。


「…少しお手洗いに…」


 受付が騒がしくなっているのに気になった俺は、カフェオレを飲み干してから、嘘を付いて席を立った。


「はい! 分かりました!」

「……」


 俺が席を立つと、俺のことを一切疑ってない真白に対して、伊織はジト目で俺を見つめてくるが、俺は無視してカフェを後にした。

 カフェを出た俺は、掲示板の方に人が集まって居るのが見え、俺はその方に向かい皆が顔を向けている掲示板の内容を確認してみる。


「…緊急クエスト?」


 張り出されていた依頼書に見出しのように大きく書かれてあった文字を見た俺はそう独り呟き、依頼内容を詳しく見てみることにした。


 ~緊急クエスト~

 ホロナブ山脈、センルリア大坑道にて大量のアビスが発生。このアビス発生源の発見並びに、坑道内のアビス殲滅が目的。この度の依頼は政府並びにドワラル社の依頼であり、活躍によっては追加報酬あり。また大坑道で発生したため、全傭兵が受けれる者である。

 基本報酬:金貨1枚 銀貨5枚


「へぇ~…」


 内容を見た俺は、依頼に興味が出てくる。

 基本報酬も中々いい値だし、政府と企業からの追加報酬ありとなると、相当な金額になる可能性がある。

 真白に美味しい物を食べさせるためにも、これは必要だ!


「では早速~…」


 受けるべき依頼だと判断した俺は、傭兵証明書を出して依頼を受けるために受付へ向かおうとした。

 その時、


「アサヒさん?」


 真白の声が後ろから聞こえて来たため、俺は声がした方を振り返る。

 振り返った先には、不思議そうに首を傾げている真白と、笑顔だが完全に怒っている伊織が居た。


「アサヒ殿? また勝手に動こうとしましたね?」

「ち、違うのだ伊織殿、これには谷より深い訳があって…!」

「なら話してくれます?」

「む、無論だ。あそこの掲示板に張り出されている緊急クエストがあるだろう? あの依頼報酬が中々の物で、是非受けてその報酬で真白に美味しい物を沢山食べさせようと…」

「………確かに、それ相応の理由がありましたね。私も受けます」

「え?」


 威圧感に押しつぶされそうになりながら俺が訳を話すと、伊織は納得してくれて、真白は少し驚いたように伊織の方を見た。


「そうであろうそうであろう! 活躍すれば追加報酬もある故、真白に美味しい物を食べさせるついでに旅の資金も集まる。実に素晴らしい依頼なのだ。これは是が非でも受ける必要がある!」

「えっ…あの…」

「いつもみたいに先走ったのかと思いましたが…今回ばかりはそれ相応でしたね…疑ってしまい申し訳ありません」

「あっ…えっと…」

「構わぬよ。では、早速受けに行くとするか!」

「はい…!」


 納得してくれた伊織と共に俺は受付へと向かい、依頼を受ける準備を始める。


「あの~…そこまで私に良くしてもらわなくても…」


 受付に傭兵証明書を渡して待っていると、真白が恐る恐るそんなことを言って来た。


「悪いが真白、今の我々は全力で君を愛でることに幸せを感じているのだ。だから全力で甘えてくれ」

「え、えぇ…」


 俺は真白の頭を撫でながら答え、真白は若干引いたような顔で見てくるが、俺は気にせず手続きを続け、さっさと終わらせた。


「さて伊織殿。このセンルリア大坑道に行くにはどうすればいいのだ?」

「そうですね…魔導機関車で近くまで移動。そこから徒歩という感じになると思います。ですがまぁ…ヨグルサム共和国はそこまで大きな国ではないので、今日中には行けると思います」

「そうか…では、ホテルに置いてある荷物をまとめいて向かうとするか!」

「「はい!」」


 ―◇―


 荷物をまとめた俺達は、魔導機関車で数十分かけてセンルリア大坑道の最寄りの駅に着いた。


「…人が多いな」

「ですね…」


 駅前には、俺らのように傭兵連合の依頼で来た傭兵やアビス討伐のために派遣された軍隊、アビスに追われ避難しようとしている者など多くの人が集まって居た。


「移動したが、下手に動いたらバラバラになってしまうな…」

「固まって向かいましょうか。真白ちゃん、手を繋ぎましょう…!」

「はい…!」


 人混みの中、俺らは出来るだけ離れないように塊ながら他の傭兵達が歩いている方向に向かい始める。

 暫く歩いていると、石造りの小規模な町が見えて来た。

 目を凝らして町中を見てみると、軍人らしき者や傭兵が仲間同士で話していたり、飯を食べているのが見えた。どうやら人が避難して居なくなった町を拠点として扱っているようだ。

 俺らが町の中へと入ると、


『あー、あー…! 連邦軍のお人は北側に、傭兵の方は南側にお集まり下さい! 繰り返します! 連邦軍の方は北側、傭兵の方は南側にお集まりください!』


 町の入口付近で拡声器らしき物を使って指示を出す傭兵連合の職員が居り、軍人と傭兵はそれぞれの指示に従って移動し、俺らも南側の人が少ない所で指示があるのを待つことにした。


「真白ちゃんって、本当に綺麗な肌をしていますね。ぷにぷにです!」

「ひゃ、ひゃめてください〜…」


 真白のモチモチすべすべの肌を堪能している伊織を微笑ましく思いながら見ていると、


「わぁー! エハルト小隊よ!」

「凄い…本物だ!」


 少し騒がしくなってきた。

 声の方を見ると、何やら人だかりが出来ており、目を凝らしてよく見ると白銀の鎧を着た女性騎士、ザ魔法使いと言える恰好をしている女性、全身を重そうな鎧で覆い巨大な盾を持っている者が、似たような装備した者達をそれぞれ率いて歩いているのが見えた。


「……伊織殿、エハルト小隊というのは…?」

「エハルト小隊は元軍人で構成されている傭兵団と聞いた事があります。誠実で傭兵連合の中でもトップクラスの強さを誇るため、人気が高くエハルト小隊に入るために傭兵になる人も居るとか」

「今回の依頼はそう言った傭兵が参加する程…ということか」

「ですね。気を引き締めて行きましょう!」


 強い傭兵団が来たこと知った俺達は、気合を入れ直す。

 そうしていると、


『あーあー、こちらウィラード連邦軍第13旅団旅団長! こちら連邦軍第13旅団旅団長! 傭兵諸君に本作戦、モール作戦について説明する! 全員傾聴せよ!』


 拡声器を作って旅団長が声をかけて来た。


『本作戦の目的は坑道内に発生したアビスの殲滅、並びに発生源の排除である! まず、第33歩兵連隊と傭兵諸君が坑道付近のアビスを殲滅、その際坑道内に入れる者傭兵は、坑道内へと入り、内部偵察を行え! 傭兵による内部偵察後、我々第13旅団の第32歩兵連隊が坑道内に突入、殲滅戦を開始する! 周辺地域の安全確保後、傭兵諸君の坑道内へと入り殲滅戦に参加せよ! また、アビス溜まりを確認した者は、早急に我が軍に報告せよ。第42魔術兵連隊の者が向かい浄化する。これがモール作戦の内容だ。本作は、一二〇(ひとふたまる)…12時から開始とする! 以上!』


 旅団長の作戦説明を聞いた俺は内心引いた。

 さらっと傭兵は内部偵察という名の鉄砲玉になれ…か……まぁ報酬が高い分仕方ないか?

 そんなことを思っていると、


「そう言えばアサヒ殿、真白ちゃんはどうします?」


 伊織が真白をどうするか聞いてきた。


「無論、ここで待ってもらおうと思っているが…」

「えっ…」


 伊織の質問に答えると、ついて行く気満々だったのか真白は驚いた表情で俺の方に顔を向けてくる。


「今から出向く場所は大変危険な場所だ。丸腰の真白は連れていけないよ」

「で、でも…私…その……実験でちょっとした力がありますよ…! 役に立てるはずです!」

「それでもダメだな…」


 真白は何とか付いて行こうとするが、俺は首を横に振り止める。


「な、何でですか!」

「真白を幼いから、使えないという訳で言っているのではない。ただ、君が持つ力とやらを我々は知らないのだ。力という物は、完璧に理解してこそだ。理解できない力をそのまま使えば、真白の力を生かすことができない。今は真白のその力を知る暇がないから待つ用に言っているだけで、これが終わったら模擬戦でもして君の力を理解したのち、模擬戦後はしっかり真白の力にも頼ると約束しよう」

「…今知ればいいじゃないですか…」

「攻撃の範囲が分からないからな…無関係の人を巻き込む訳にも行かん故…今回ばかりは我慢してくれ…」

「む~っ…」


 不満そうに膨れる真白を見て、俺は申し訳ない気持ちになりながらも頭を撫でた。


「…分かりました。大人しく待ってます…」

「代わりと言ったら何だが、これが終わったら美味しいスイーツでも食べに行こう!」

「約束ですよ?」

「無論だ! ではそろそろ時間故、行ってくる!」

「帰ってきてくださいよ!」

「うむ!」

「はい!」


 真白に俺と伊織は帰ってくることを約束し、モール作戦に参加するため、坑道に向けて歩き出した。

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