絢爛剣士〜最強の剣術を持つを俺は魔族にデバフをかけられ本気が出せません〜
1000年以上前から四大災魔獣略して四災と呼ばれる魔獣が人間の住むカルラン大陸で脅威となっていた 。
そして時は1119年14歳の少年ルークが四災の一角ガルウェインを討伐し、人々からは称えられ、四災討伐時に出来た烙印に恐れ迫害するものもいた。
「困ったなぁ」
俺はガルウェインを倒した時戦いの地ヤンソン村の唯一の生き残りの少女がいた。
その少女は服は黒焦げで決して綺麗とはいえる状態ではなかったがその青い瞳と金色の美しい髪はまるで人形のようだった。彼女を孤児院に預けることも考えたが俺の経験からそんなことはしたくなかった
「お互いに行き場もないし助け合っていこうな
そうだ名前と歳は」
「シャーロット・リリア…… 10歳……」
4歳差しかないとは思えないほど痩せて元々の大きさよりもこじんまりしているように見えた。
「お兄さんは? 」
「俺の名前はルーク 14歳 一応年上だから頼りにしろよな」
1107年俺が二歳のとき国王の家臣の一人が魔族と契約しカルラン大陸各地で多くの大人が子供を残して消息を経ったらしい。
そして残った子供たちは一度王都に集められ孤児院でみんなで寄り添って過ごしていた。
あまり覚えていないがその場所は孤児院の中にいる最年長がみんなの世話をしていたらしい。そんなこんなで俺もどこか彼女に同情していたのだろう。
「とりあえず家に帰ろう」
俺は王都を出ようと彼女と共に北の門に歩き出した
王都は物流と人を繋ぐ大陸最大の都市で王国騎士団の中核でもある。
王都から出ようとすると左足から見える烙印をもつ少年とボロボロの服で歩くだけで精一杯な少女を見る目を意識するだけで悪寒がした。
「もう帰るのですか 。それなら俺が護衛をしよう名前を言うのが遅れた俺の名前はランド・シ」
「お断りします。行くぞリリア」
こいつはランド・シルバー王国騎士団副団長にして王都にきて俺と一番最初に戦った相手だ。団長は70を超える人だから戦いには参加していない。
そのためこの国の騎士団のトップは実質彼らしい。彼はナルシストのような雰囲気を漂わせていて左目が前髪で見えなくなっている。
彼とは戦い何とか俺が勝ったが彼の水魔法と剣術二代流派の水天流を達人らしくなかなか強かった。さすがは騎士団No.1だ。
「待ってくれよ。おまえは自ら突っ込むのなら良いかもしれない。でも、俺の水天流なら守ることに優れているんだ。そしてこの護衛は国王直々の任務だ『王国を救った英雄を家までは送り届けてやってくれ』と言うことだ」
国王の命令には流石に逆らえないのか申し訳なさそうに言ってくるので俺は聞くようにした
「わかりました……俺の家までですよ」
「ありがとうございます俺のことはシルバと呼んでください」
俺が見た限りだと彼は任務にも関わらず思わず笑みがこぼれていた何か裏があるのだろうか? そんなことはどうでもいい。とりあえず俺の住んでいる場所に帰らないとな。
「よし出発だ」
王都を出たあと俺はリリアに色んなことを教えることにした。リリアはなんでも目を輝かせて興味津々に聞いてくる。
「お兄さん! この世界はどんな風になっているんですか」
「この世界は人間の住むカルラン大陸、魔族が多く住んでいる魔大陸ランデン大陸そして、誰も踏み入れたことの無い消失大陸の3つがあるんだ」
「それじゃあそれじゃあお兄さんの出していた火はどんな風に出せるんですか」
なんて答えたらいいんだろ基本属性があって魔法にも色々と種類があって……
「ルークさんが困っているので俺が教えよう。この世界には四代魔術というのがあって火・水・風・土の四つがあるんだ。これは生まれた際に検査があってどれに適性があるかは分かるんだ。ルークさんで言えば火属性の適性俺で言えば水と風に適性がある。そんなふうにあんたもきっと何か適性がある。その道を極めるといい」
彼は笑って見せた。そんな表情の彼にリリアは引き攣った表情で
「あ……ありがとうございます……」
彼女なりの精一杯の返しをして見せた。でもシルバーは気にすることなくこれからも永遠と話し続けた。
「あと剣にも流派があって水天流と剣心流のふたつがある。まぁそんなん気にしなくてもいいけどな」
まぁそんなこんなを話しているうちに家にも到着した。
「よしここまで着いてきてくれてどありがとうシルバー いなかったら今頃盗賊とかにも襲われてたかもしれないからな」
「実はルークさんお話があるんだ」
俺はとんでもないことを言われてしますのかこのまま襲われてしまうのかとドキドキしながら彼の話の続きを待っていた。
「俺をルークさんの弟子にしてくれ」
王国騎士団の副団長が俺に何を言ってるんだ? 確かに俺には1度負けたけどその時もだいぶ接戦だった……
「俺はこのままじゃ四災には勝つことが出来ない……ルークさんをみて思ったんだ。
水天流をまだ極めきれてはいないでもルークさんの剣術は剣の始祖絢爛流を使うと聞いているだから俺にも通づるとこがあると思うんだ。
そして俺の奥義を使いこなすにも必要なことなんだよ」
このシルバとか言うやつ俺の流派も知っている上に奥義まで隠し持っていたのかよ。まだまだ底がしれない人だな。
「俺の弟子になるのはいいけどまだ俺の師匠がこの街にはいるんだ先ずは師匠の許可を貰わないと」
この街は剣士の街として知られている絢爛流を使う伝説の剣士が教えた人達が住み着いている場所だ。とりあえず師匠の道場に行こうとみんなに声をかけた。
「ここも変わらないな 道場の雰囲気もそのまんまだ」
俺が見たのは杖をついて弱々しい師匠の姿だった。
足も棒きれのようになり今では歩くので精一杯の状態だった。
「ルークよく帰ってきたなぁ 知らない顔の人達じゃ。わしの名前はグレイ・ザーク
絢爛流の使い手にしてグレイ家最後の後継者である」
彼は俺の師匠でグレイ家に代々受け継がれている絢爛流の使い手であって最強の剣士と言われている。孤児院にいたときの俺を里子として迎え入れてくれた。そのときには俺を含む子供が四人いてこの四人だけが絢爛流のあとをついでいる。みんなどこに行ったかわかんないんだけどな。
「シルバが絢爛流を教わりたいらしいんだ」
緊張した面持ちのシルバが急に俺に話を振られたので慌てて挨拶を始めた。
「挨拶が遅れました私の名前はランド・シルバ以後お見知りおきを」
「わ……私はシャーロット・リリアです。よろしくおねがいします」
リリアも合わせるかのように挨拶をした。
「ルークやその騎士団の人が絢爛流を教わりたいのか?
絢爛流は名前とは裏腹に地味で相手を葬り去るための流派じゃ。他の二代流派に通づる所はあるかもしれんが一線を画すことだろう
まずはルークとシルバお主らで戦いあってくれ。話はそこからじゃ」
「ルークさん手は抜かないで下さいよ」
シルバは笑いながら答えた。その瞬間周りは静寂に包まれた。
「一瞬でカタをつけたいんで死なないで下さいね
本能解放ビーストモード」
普段隠れていた左目が突如光だしシルバの力が増大していくのが肌で伝わってきた。彼の力なのだろうがいつもの彼らしさがなくどこか獣のようなものにしか見えない。
「この状態だとあんま体が言うこと聞かないんですけど人間を超える力を得ることができるんすよ驚きました? ルークさん」
マズイなこれは一撃で仕留めるしかないよな。あまり使いたくはないんだけど。
俺も行くしかない。
「絢爛流 閃光剣舞」
次の瞬間シルバは地面に倒れた。ここで、グレイは試合を止めた。シルバは負けたが絢爛流を教えてもらえることになった。その流れでもう一人も絢爛流を学ぶことになった。
「私も剣術を学びたいです! あんな風に戦えて誰かを守れるようになりたい。」
「まぁまぁ話はあとじゃもう暗いから明日から稽古をを始めようじゃないか」
グレイは笑いながらそう答えた。時間もたち あたり一面も暗くなり、俺は外を眺めていた。そこでグレイが俺に話をしてきた。
「何をしていたんだ外ばっか眺めて、お前その烙印は四災を倒した時に出来た痕か。
その烙印のせいでお前の実力の半分しか出すことが出来んのだろ。それに火の魔法しか使うことが出来なくなるとは四災を倒すことのできた、かつての男も短命であった。お前はもう戦うのはやめろ。四災を倒した英雄として余生をすごせ。」
「師匠俺は戦い続けないと行けないんだよ。四災がここで姿を現したということは今後の魔族の動きも活発になる。だからこそシルバもどうにかして強くなろうとしている。
そしてこの世界で四災を倒せるのは俺だけだ俺が行かなくてどうすんだよ」
俺は葛藤もあった。正直俺がこれ以上戦っても何か出来ることがあるのだろうかこの状態が続くのなら俺もいつか足手まといになる日も来ると思うでも抗ってやるよどんな奴が来ても。
「いい機会だ俺にも教えてくれよ師匠 奥義ってやつを」
まだ起きていたリリアに声をかけた。
「今後はどうするの剣術もいいけど魔術も学んで欲しいなぁって思ってるんだけど」
俺は魔術があれば大分戦いが楽になると思ってる。実際四災のあいつを倒したのも魔術のお陰だしな。
「私は魔術も学びたいです。最近は色んなことがあって考えることは出来ないけど村をめちゃくちゃにした元凶をこの手で倒したいです」
「やっぱ強いなリリアは。俺は少しの間しか見てないけど本当に年下とは思えないよ。
これからもよろしくな」
「はい! よろしくお願いします」
こうして俺の長い一日が終わった。正直これから戦うことには自信があると言えば嘘になる。だけど俺はあと三体の四災を倒してみせる。
今日からリリアを魔術と剣術を教えることになった。魔術に関しては座学から初めているのに真剣に聞き続けている。俺は他の魔術を教えてあげたいが、火属性魔術。シルバは水と風魔術を教えることになっている。もちろんシルバも剣術のときは生徒だ。午前は魔術午後は剣術だ。
「今日は魔術の前に魔術のランクを教えるよ魔術には六つの種類があって初級・中級・上級・超級・王級そして零級。剣術も王級までは一緒で絶級がある。
王級と絶級は奥義を習得出来たらなれるんだよ。」
あまりに急に説明したからかもだからリリアはポカンとしていた。気を取り直して魔術の授業に戻った
「うーんおかしいなぁ? もっと簡単に出来るはずなんだけどな」
「まだまだ頑張ります」
俺の見立てではリリアには火の魔術の才能がない。ある程度魔術の才能は生まれた時に決まっているからそれ覆すのは難しい。まだ初級魔術のファイアすら使えていない。他の水や風は中級を習得しようとしているのになんだか悔しい。
剣の方は成長もまずまずで躓くとこは今の所なさそうだ。
数ヶ月がたった。リリアは火の魔術は初級を覚え水と風は中級まで習得していた。絢爛流も中級までは習得することが出来た。たが流石の彼女も同じ授業をし続けるのも飽きてきていそうだった。
上級魔術や剣術は多くの人が習得せずに終わるもので、魔術学校や剣術学校などに通う生徒は中級を覚えたら、卒業するものが多い。だからこそここから教えるのが難しい。だから工夫をしようと思う。
「今日はリリアに遊びながら学んでもらいます。魔術を使ってかくれんぼをします。」
「分かりました師匠」
この頃からリリアは授業の時は俺の事を師匠と呼ぶようになった。まぁ嬉しい気持ちもあるがちょっと距離が遠くなった気もして寂しい気持ちもある。かくれんぼと言っても俺は火の魔術しか使えないからちょっと頭を使うしかない。
「中級魔術 火の粉塵」
これは大気中に火の流出をまいて周りを見えなくさせる魔法だ。この魔法は割と応用が聞くし、逃げにも使える便利な技だ。
リリアは視界の見えないなか、少しの間考え込んでいた。
「初級魔術 風の小刀」
何も考えずいきなり風魔術を打っばなしてきた。
風の影響で火の強さがどんどん強くなってきた。火は風との相性が悪い。だから火の魔法を促進してしまった。同じ属性同士ならその中の練度を不利な属性ならそれ以上の級の魔術を、有利な属性ならそれ以下の級でも対抗することができる。
リリアはどう動いて来るか。
「中級魔術 水柱」
俺の魔術もリリアの魔術によって消されてしまった。むしろ俺の魔術を超えるレベルのものを使われてしまっていた。リリアに俺は上機嫌で相性のことについて解説した。基本の四大魔術は四すくみの関係になっていて、火は風に強く水に弱い、風は土に強く火に弱い、土は水に強く風に弱い、水は火に強く土に弱くなっている。
彼女は自分なりに噛み砕きながら学んでいるようだった。
その日の夜俺の師匠が寝ている部屋に向かった。そこには師匠の明日の準備をしている少年の姿があった。その少年はジンという男で俺が返ってくるちょっと前からこの道場にいた男だ。彼は元冒険者で彼は水天流を超級まで習得し、絢爛流も中級まで習得している。いわば天才だ。
「今日もお疲れさまっす。リリアさんはどうですか? 」
「今日は遊びながら魔術を学ぶことをしてリリア自身から魔法の相性にも気づいてくれてよかったよ」
ジンはシルバを剣術だけでは勝るほどらしく魔術は使うことが出来ない。彼は気を使えることが出来るがまだ慣れていないのかよそよそしい感じもする。
「そういえばルークさんって師匠のことどこまで知っているんですか? 」
そこから俺は師匠の話をした。
絢爛流最後の剣士にして最強の剣士。かつて四災の一体を倒し魔術が使えなくなって絢爛流を起こした初代よりも強いらしい。
先代は剣心流と水天流を絶級まで絢爛流を王級まで習得した。
そして俺たちの師匠は剣心流、水天流、そして絢爛流を全て絶級まで習得している。
今までの戦闘で一度も傷を負ったことがなく魔族が1番警戒する人物だと。
「師匠ってまじですごいんすね。ルークさんは絶級にはなれたんですか? 」
「俺は王級止まりだよ剣士一応剣心流と水天流は上級までは習得したけどね」
俺は師匠にならいトレーニングしているが未だに奥義を会得することはできていなかった。
そんなたわいのない会話を毎日のようにしていたら気づいたら2年の年月がたっていた。
師匠はだいぶ衰えて来ていた。そしてシルバが王都に戻ることになった。
「グレイさん、ジン、リリア、師匠いやルーク今までお世話になりました。これを生かしてまた騎士団で国を守ってくるよ。
俺のいない間に随分変わっているらしいからね。」
そう言ってシルバは去っていった。結局彼は絢爛流を上級まで習得していた。彼は騎士団副団長の地位を保ったまま復帰することが出来るらしい。
一応修行すると申請したら何故か通ったとシルバは言っていた。
俺達もシルバが居なくなったあとも授業を続けた。
シルバが去って1年の時がたった。
リリアも火属性魔術は中級、風と水は上級まで習得し、絢爛流も中級、剣心流と水天流を上級まで習得した。
俺が思うにリリアは今でも十分強い今騎士団に言っても幹部にはなることが出来るだろう。
師匠も衰えては来ているがまだまだ元気だ。
ある日事件が起きた。家の街の周りがざわめきだしとてつもない魔力をほこっていた。
俺は気づいていた多分師匠も同じことに気づいていただろう。四災の一角がここの近くに突如現れたことを
「やばいリリア。町の人達を山の所に避難させて欲しい。多分四災が襲来した。俺は四災を倒しにいく。」
リリアは焦りながらも冷静にそして端的にに言葉を言った。
「信じてます。お兄さん生きて帰ってきてください。」
俺はその言葉の瞬間走り出していた。俺の師匠も一緒に走っていた。師匠の話いわくあれば四災のブルーノ・ライトニングらしく四災の中では1番弱いらしい。
ただ奴の雷魔術は零級クラスらしく1発当たっただけで即死亡ととんでもない力を持っている。その威力は背中の棘のようなものから自然の魔力を吸い取っているらしい。
奴は町から少し離れた荒野にいた。王都に向かって歩き進めていた。
俺らで食い止めしかない。俺は自分の持つ火の魔術の最大火力をぶつけた。
「不死鳥」
その一撃はブルーノの体を包み込んだ。だか奴の体には傷が入ることは無かった。やつに弱点はないのか、探せ、確実にあるはずだから。
「ルーク奴は背中の棘を切ればいい。
それが無くなったなら奴は魔力を回復することが不可能だ。」
師匠が囮になり俺が魔術で奴の棘を焼き切ることにした。
「わしが道を作る 絢爛流 閃光演舞」
雷には雷をぶつけるかのように彼の剣技は優れていた。縦横無尽に走り回り四災を弄ぶかのように舞い続けた。これが普段寝てばったかの男とは思えない。
俺は確実に生まれた隙に王級魔法炎魔神を圧縮し打ち続けた。
「あと少しだ耐えてくれ師匠」
奴の棘も少なくなっていたと思ったら。
「グォォォォ……」
今まで貯めていた魔術を解き放とうとしていた。それは零級を優に超す力であたり一面が無くなる所では済む火力ではなさそうだった。
「下がれルーク。わしがどうにかするルークは魔術を準備していろ。」
グレイがそう言った瞬間今までの騒音がパタリとやんだ。ただ今はこの男を見届けるしか無かった。
「絢爛流奥義……無げ ゴハァ」
その瞬間師匠は血を吐いて倒れたそれを待っていたかのようにブルーノは一撃をぶつけて来た。
俺は死を覚悟した。
「水天……流……奥義 明鏡……止水」
目を開けるとそこには大の字になって突っ立っている師匠の姿があった。今際の際まで俺を守ろうとしていた。師匠はそのまま倒れ込んでしまった。
師匠が倒れたあと俺には興味がないのか何もせず、ただ王都に近づいていた。
俺があと一撃与えれば倒すこともできていたかもしれない。でも今の俺にはそれすら無理だった。
一言も話すことなく絶命した師匠が、アンデットにならないように火葬した。
その後俺は歩いて町に帰っていた。そこで多くの魔族が山の方に向かっていることがわかった。俺は走り続けた。山にいる魔族を薙ぎ払い進み続けた。山の山頂についたとき俺はあまりの光景に絶望した。町の警備をしている人や町の人たちが屍の山になっていた。その屍を貪る魔族もいた。その中でリリアとジンだけが戦い続けていた。
「ここを俺達で切り抜けるぞ」
そこからは一心不乱に魔族を斬りつけていた。あと数体になったとき背後から剣で貫かれた。残った魔族が拍手をしある男が俺の前に立ちふさがった。
「こうしないと倒せないんですよねルークさん。」
ジンだ。
「俺が魔族だって気づかなかったんですか。まぁあのグレイを騙せていたんだからな。お前なんて騙すのは簡単なことだ。」
そう言って魔族本来の姿を表した。彼の話をすべて真に受けて言うなら、やつの本名はジンではなく。スミリ・ランドロフという六代幹部の一角らしい。そしてこいつらは四災を従える存在だと。
「お前には一緒かかっても分からないだろうが……多分俺の師匠は最初から魔族だとわかってたろうよ。
その上でお前を助けてやろうとしていたんだ! 」
俺は出せる声を振り絞っていった。朦朧とする意識の中精一杯出したつもりだ。
「まぁいいさこれで絢爛流最強の男が消えた。俺の役目も終わりだ。こんな弱いやつにわざわざ手をかける必要なんてないからな。」
そう言って奴は姿をくらました。
俺はこの現状を見て何も言えなくなった。俺の家族も失い、町の人も失った。最強と思ってた自分が全く通用しないことを知った。四災とは桁違いの強さだ。
「師……しっかりして……さい……師匠……し……」
リリアが何か問いかけていることは分かった。今はただ何も考えたくなかった。次第俺は体の力が抜けて気を失ってしまった。
「師匠……大丈夫ですか」
俺が意識を取り戻したことを確認するとリリアはそっと胸を撫で下ろしていた。
どうやら俺は丸一日寝てしまっていた。
リリアの話を聞いた俺が倒れたあと直ぐに王国騎士団が駆けつけてくれたらしい。
俺は王国騎士団に話を聞いた。この大陸全体で突如として魔族が現れたらしい。騎士団団長は1万の魔族を前に1人で戦い消息不明。騎士団も一部地域を残してほとんど壊滅した。四災のブルーノ・ライトニングはシルバがトドメをさしたらしい。そして団長をシルバが就任し、こうして今回の襲来は終わった。
俺は町の人から非難されていた『魔族を町に住ませていたと』そのせいで街のみんなは死んでしまったと。周りの目も冷たく、リリアもその対象になっていた。家には石を投げ入れられていた。
翌日シルバがここに帰ってきた。そして生き残った町のみんなと集会を開いた。そして俺に一礼して
「騎士団団長シルバがここに帰ってきた。我ら騎士団が四災を討伐した。」
周りのものは歓喜した。泣き合い喜びあるものもいた。そのなかでシルバは、
「そして今回四災の討伐の功労者はルークそしてリリアである。そのため魔族を匿っていた件については今回は措置を見送る判断とする。
実際彼が居なかったらこの街は四災に引かれていて今頃全員死んでいるだろうからな」
周りは一度黙りながらも騎士団団長の意見を受け入れるしか無かった。そうしてこの集会が終わった。
シルバは俺に話をしてきた。
「ここも住み心地が悪くないか?今なら王都に……」
そんな気持ちもあったが俺はまだここにいたい気持ちがあった。
「俺はここでまだ修業するよ。勝てると思って勝てない。救えると思って誰も救うことが出来なかった。
俺は四災を倒した時で慢心していた。
でもそんな俺でもまだ守りたい人がいる。いや守らなくちゃ行けないんだよ。師匠のためにも……」
シルバはついに口を開いた
「師匠。いやルークお前の気持ちは伝わってきた。本当はこの流れで騎士団に誘おうと思ったんだけどな
ただルークは強くなれ俺も四災の呪いを受けちまったからな。結局この世界で1番強いのはルークなんだから。」
そういって彼は笑顔でこの町をさって言った。
その後リリアが話をしてきた。
「師匠。私もっと強くなりたいです守れなかったから今度は誰も被害が出ないようにだから今後も私に剣術を教えて下さい。」
「分かった……今後も教えて行くよ」
そっから何日も時間が経った。あの地獄のような一日から時間の感覚がよく分からなくなっていた 。リリアは俺のことをお兄ちゃんと呼ばなくなった。また、彼女は今まで以上に成長が早くなった。
気づいたら3年の年月がたっていた。俺も20歳 リリアも16歳になっていた。
リリアは町の人からも認められ、リリアに求婚する人もいた。だがそれを全て断り、騎士団に入団するらしい。シルバの助けもあってか最初から幹部扱いらしく騎士団の中でもリリアは強い方らしい。
「リリア結婚はせずに、騎士団ね。頑張ってくれよ俺が教えることはもうほとんどないからな」
「結婚は……心に決まっている人がいるので……私は師匠も騎士団に来て欲しいです。師匠も来たら……」
結婚と言葉をした時彼女は赤らんで言った。彼女の言葉を受けてもいいと思ってしまっていた。確かに騎士団に入れば強くなれるかもしれないし国を守れるかもしれない。
でも俺は国もそうだけど四災に勝たないといけない。だから俺は前にすすむためにも修業をしないといけない。
「ごめんな俺は行かない。俺にはもう戦う自信が無いんだよ」
そうすると彼女は諦めたのか私に一礼をして王都への道を歩みだした。正直失望されたかもしれないでも俺は俺なりに強くなる。彼女は超級まで絢爛流を習得し火、水、風も超級まで習得した。彼女は王都ではほとんどの人には負けないだろう。
「俺も強くならないとな」
そう俺は呟いた。
そこからの日々は過酷なものだった。毎日のように修行して飯を食って、寝て、修業して倒れた人を道場に匿って、飯を食って、寝て。
倒れた人を匿った? リリアが去ってから1年程だったのだろう。俺の道場の前で1人の青年が倒れていた。彼の名前はザクロ・グラス 赤髪、低身長の重力魔術を操る青年だ。
混合魔法と呼ばれる基本の四代魔法を超える威力を持つものだが重力を操る人は今まで見た事ない。
俺を見て
「お前飯をくれないか。死にそうなんだ。」
飯を食べると満足したようだがすぐに俺の部屋で寝てしまった。気付くと俺の家に住み着くようになり、一緒に修行していた。
「ルークはつえぇな」
今の所俺の102勝1敗か彼は重力を強くするだけかと思ったら。無重力にも出来る。ただ繊細で範囲が広くなればなるほど魔力の消費量が多くよく倒れてしまっていた。
俺たちはずっと修業続けていた。
そして数年が経った。
「ルーク、起きてくれ騎士団が来たんだ! 」
グラスは全力疾走で俺の元に来た。俺たちどうなっちまうんだ。と焦るグラスを宥め騎士団に会いに行った。
「ルークお前に騎士団に加入することを命じる」
「嫌だね。そんなもの入るものか」
「これは王国総本部司令からの命令だ。」
俺は騎士団に入らないと行けないなぁ絶望している中周りがざわつき出した。団長が来たとか何とか。
「私が王国騎士団団長 シャーロット・リリアだ。騎士団のリーダーとして君に加入を命じる。」