表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ロードオブハイネス  作者: 宮野 徹
第二章 龍との契り
33/153

アレンのお家

リンクスの使いの者が私も元へやってきた。最初は、ジエトからの伝言か何かがあると思っていたのだけど、どうやらアレンの隠しどころへ案内してくれるそうだ。


連れていかれたのは、フォルゾの街の端っこだった。そこに不可解な岩山があって、中が空洞のようになっている。どうやらジエトは、アーステイル家の力を使って、即席の洞穴を生み出してしまったらしい。洞穴の入り口には、当然のようにリンクス家の使いの者が見張りをしていて、住民が間違って入らないようにしていた。


なんとも豪快な解決策。もっと他にやりようはなかったのだろうか。まぁ、龍の姿のアレンを隠しておくのに、これほど便利なものはないだろうが。エルザと、そしてライラにも同行してもらって、アレンの元へやってきた。どうやら洞穴は地下に向かって伸びているようで、ご丁寧にその道のりは階段状になっていて、短時間でこんなことをやってのける大地の記憶(アーステイル)という力に心底驚かされた。


地下は篝火が焚かれていて、水が流れる音が聞こえる。いったいどこから水を流しているのだろうか。まさか地下水脈を引き当てたとかではないだろうが、それなりの大きさの池がある。その傍に、龍の姿のアレンがとぐろを巻くように居座っていた。


「これが、あの青年なのですね?」


初めて姿を見るライラは、恐る恐る聞いてきた。エルザも、言葉にはしなかったが、心底驚愕している様子だった。


「うん。怖いよね。でも、安心して、彼、襲ってきたりはしないから。」


龍の姿でいれば、体は大きいけど、なかなか愛嬌のある姿をしている。私にとっては翼竜を相手にするのと同じ感覚だ。


「アレン?起きてる?」


――― ロウ キタノカ イイダロウ ココ ―――


「いや、くつろぎすぎでしょう・・・。私たち、一応軟禁されている身なんだから。」


――― ソウイワレテモナ ―――


彼はそういうと、全身から眩い光を放ち始めた。光は徐々に収縮していき、やがていつもの青年の姿へと変わった。


「もともとこういう巣穴で暮らしていたんだ。なかなか話の分かる国王様だな。」

「あのねぇ・・・。」


緊張感がないというか。まぁ、彼の性分なのだろうけど。私の心境とは大違いだ。


「食べ物とかは大丈夫なの?」

「5日に一回外へ出ていいって言われてる。」

「そんなんで平気なの?」

「あぁ。龍族は人間なんかよりも頑丈な生き物だからな。水があれば餓死することもない。龍の姿でいればなおさらだ。」


それはまぁ、なんというコスパのいい生き物だ。確かに洞穴の中には水場と彼が寝床としている干し草しかない。匂いも何もしないため、用を足すこともないのか・・・。本当に生物なのだろうか。


「じゃあ、意外と快適なのね。」

「おう。それで、何か用か?」

「ううん。別に。あなたがどうしているか様子を見に来ただけ。あと、一応補充もね。」


私がそういうと、彼は意図を察してまた龍の姿へと変異してく。干し草の上でくるくる回ってから好みの姿勢になって落ち着いた。こうやって見ていると、意外と翼竜と似ている部分がある。愛くるしい生き物にも見えてきた。


とりあえず私は、前足の甲殻に噛みつかせてもらい、魔力の補充を行った。発作が起きていたわけじゃないから、満足感などはなかったが、体の中へなだれ込むように魔力が移る感覚が、以前よりも鮮明に感じ取れた。これは、もしかしたら龍化が進んでいるということだろうか?でも、翼も変異した腕も、あれから全く変わり映えはしない。翼に至っては羽が抜けすぎて、もはや到底飛べそうもないものになっている。こんな異形な姿に変わってしまったことは、もう仕方がないとしても、せめてもう少しいい見てくれになってはくれないだろうか。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ