表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ロードオブハイネス  作者: 宮野 徹
第二章 龍との契り
31/153

陰謀の影

ライラを含めた数人のメイドたちと共に、私はしばらくエクシア家に留まることとなった。


「とりあえず、お前にはうちの者から監視を付ける。活動範囲も限定するが、悪く思うなよ。」

「わかっています。」


ロイオ指定した活動範囲は、思っていたよりも広かった。といっても、どうあがいても、外の情報を仕入れるには、難しい広さだ。戦況や、他の勢力から陰口を出し入れさせないための処置なのだろうが、これでは文字通り箱入り娘になってしまうようだ。


「それと、アレンと言ったか?あいつの元へ行くときは、監視のものだけを同行させろ。兄者もそう遠くへアレンを置くことはしないだろうが、念のためだ。」

「はい。」


こういったところは、兄弟揃ってしっかりしていると思う。帝国王族としての威厳はある。けど、本人が言うように、帝国王族のなかでのエクシアの立ち位置はそれほど良くはない。ロイオの息子である、エルドリック。次期家長となる彼の未来は、そう明るくないと言われている。


エクシア家は、アーステイルの分家ということもあって、大きな権力と、確かな実力を有した名家だ。しかし、昨今の実力主義に流れは、大きくなる一方で、その中でのエクシアの魔が落ちは、帝国王族内に大きな激震を産んだのだ。


エルドリックは、アーステイルの、強いてはエクシアの血筋が持つ力を、ほとんど遺伝していないのだそうだ。要するに、魔法特性は平凡で、突出した力ではないということ。国を導いてきたアーステイル家にとっても、世紀の損失と言われている、失敗作だ。


エクシア固有の能力については知らないが、アーステイル一族の魔法特性は、大地の記憶(アーステイル)。地面を隆起させたりすることが出来る魔法だ。その力を使って、帝国王族は、偉大なる霊峰、グランドレイブを開拓し、今では山脈そのものを帝国の中心地としているのだ。


しかし、アーステイルの分家は全部で8つ。その血統を受け継ぐものは、もはや珍しいものではないのだ。つまり、それだけしか取り柄のない人物の価値は、無いに等しい。エルドリックの立場は、エクシア家の没落にも繋がる、悲しい現実に躓いているのだ。


そんな中で、エクシアが私との縁談を申し込もうとしたというのは、打算ありきの話としか思えない。そうでなくとも、自家の勢力を大きくするための政略結婚が、そこら中で行われているのだから。


あれ以降、事態が事態だし、まったく動きがなかったのだが、実際のところロイオはどう思っているのだろう。


「以上だ、何か聞きたいことはあるか?」

「・・・あの、ロイオ様。」

「なんだ?」

「・・・もし、答えたくないことであれば、何も、聞かなかったことにしていただいて構いません。ですが、ロイオ様の真意を知っておきたくて?」

「ん?なんだ、改まって。」

「以前、我が家、アダマンテとの縁談話、ロイオ様は、どのくらい本気で考えていらっしゃいますか?」

「なに?縁談?」


やはりこの人は知らないようだ。ロイオの知らないところで、事が運ばれていたというのは、それは、・・・あまり面白くないことだ。


「先月の貴族会議で、私と父のもとに、エクシア家の使いの者が、私との縁談を申し込んでまいりました。」

「・・・面白くない冗談だな。」

「私も、そう思っております。最初は、単なるロイオ様のお戯れと思っていたのですが、あなたが何も知らないというのであれば、事の大きさは戯れで済む話ではありません。」

「バロックスに聞けば、その時のことを聞けるか?」

「はい。父も一緒でしたので。」

「・・・わかった。監視には、俺が信頼に足る人物を置く。それでも警戒するなら、好きにしてくれ。こっちで調べてみよう。」


そういって、ロイオは足早に去っていった。今のところロイオ本人に悪意があるようには見えないけれど、警戒をするに越したことはないのだが、正直それを考える余裕はない。今は、自分のことで精一杯なのだから。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ