強敵との戦い
「ここならいいでしょう?」
ルイに連れてこられた場所はかなりの広さがある。入港した荷物を入れる玄関口のような場所だ。
「こっちはどこでもいいけどね~」
そうは言いつつもルイに従ってこの場所まで来てしまった。証拠品が壊されることは確かに痛手なのだ。
ルイはこちらを振り向き、話し始めた。
「よーいドン、なんていりませんよね?」
殺意の篭った目線がこちらへ向く。とっさの判断で横に飛ぶと、刃物のような風が腕を掠めた。直撃していたら体が真っ二つだ。
「……急に攻撃してくるなんて紳士じゃないね~」
ヒョーカも咄嗟に身を躱したようで傷ひとつ負っていない。しかし、今まで以上に真剣な表情から攻撃の強さがわかる。
「避けないで下さいよ?」
ビュオッ、ビュオッ、ビュオッと連続で風の音がする。
避けきれない……!
と思ったが目の前には氷の壁があり、風の刃を防いでいた。ヒョーカの魔法だ。
「大丈夫~?」
ヒョーカはこちらのフォローもしてくれている。ありがたいが、足手まといにはなりたくない。こちらからも攻撃を仕掛けなければ。
雷撃
1秒にも満たない時間での攻撃。ルイの体を雷が貫くように感じた。捉えたと思ったが、ふわりと飛んで攻撃を避けている。かなり風の魔法を使いこなしている様だ。
「避けるんじゃねぇよ!くそ!」
雷撃を連発で発動する。以前よりも制度が上がっているはずだが、10発以上の雷は一撃も当たらない。
「どんどんいこう~」
氷の矢が中に浮かぶ。100発以上の氷の矢がルイに向かって放たれる。
ガガガガガッ
勢いよく飛び出した氷の矢は、その全てが風で防がれてしまう。
「……う~ん、弟くんちょっといい~?」
ヒョーカがこちらに耳打ちをしてくる。その間にも防風が吹き荒れ、風の刃がこちらを襲うが、氷の壁に阻まれている。
(私の魔法はルイの風で防がれちゃうみたい~。弟くんの魔法を避けてるところを見ると、弟くんの雷撃は防ぎきれないのかも~)
なるほど、確かに氷の矢は避けずに防いでいるが、俺の雷撃だけは華麗にかわしている。
(単に数が多くて避けられない可能性もあるけど~……私が時間を稼ぐから何とか攻撃を当ててくれない~?)
何とかと言っても……雷撃は全て避けられてしまう……
とすると、打てる策は一つしかない。ヒョーカにこちらからも耳打ちをする。
(3分時間を稼いでください。なんとかします)
パンドラの箱。この状況を打開するにはそれしかない。
仕事の都合で投稿が遅くなってますが、毎日投稿は続ける予定です。




