前編
あーーーーーーーっ!!!!遅刻だああーー!
朝起きてこれが私の第一声なんて悲しぎる。でもこれが私の一日の始まりでもある。
ところで、なんで私がわざわざ大声さらしてるかって、あ、説明しなくってもわかるか。
というか説明するなら手を動かさなくっちゃ。
ええっと・・・まずは着替えちゃうか・・・もう食べるのは移動中でもいいよね。
クッキーくらいなら食べられるし、水分なしでもいける。
水分で思い出したけど、水筒洗ってなかった。あーあー会社のお茶までがまんするかな。
ええと、シャツを着て、パンツもOK、顔はちゃちゃっとなでるくらいで色添えて、
隠し味にマスカラを・・・っておなか減ってきちゃったよぉ・・・
なんで今日に限って出勤なんだろ・・・いつもならパソコンの前に立つだけなのに・・・
ええっと、ますくはどこだ・・・洗ったんだっけ。外か。
マスクをつければお顔の出来上がり。いっちょあがり。
さて、出かけよう。自転車のカギは持ったよね。
クッキーを口に入れながら、私は考えるヒマもなく自転車こぐのに力を入れていた。
あとは、時計の文字盤ばかりが頭に張り付いていた。
文字盤で思い出したけど、上司のプレゼントどうしよう。
急いでいても思い出すこの疑問は、今日起きるのが遅れた理由でもあって。
最大の元凶。時計を買おうと思った。その一言に尽きるね。
上司は運動もできて私と違って自転車何時間でもイケる、
そのうえ、寝不足なのに私のミスはちゃんと答えてしまうその余裕、
しかも自分の仕事は私の半分で終わらせてしまう。
そして、デスクはきれいで、だれが見てもいいオンナだってわかる。
しかし、一つ気がかりなことがあって、身の回りにはには時計がないのよね。
デスクの上も、お邪魔した家とか、腕にも。
時間調べるのってスマホとかPCのやつだけなんだよね。
それはそれでいいんだけど。
でも、テキパキしたあの正確に時計のない生活って結構きになるんだよね。
時計買ってあげようかな、そういえば来週誕生日だし、って考えたのが昨日の残業明け。
帰って考えたんだけど、時計って買うのは簡単だけど、あげるのたいへんなんだよ~
だって、あの人の家って質素なワンルームでモノなんて本棚と収納があるくらい。
あとベニヤを張って作った木のテーブルに木の丸イス。飾りっけないのよ。
あんな部屋ってどういう時計あげよう?デジタル?アナログ?
木の時計にしようか?でも古時計みたいのしかないし、質素だからってプライベートに
仕事用のきっちりした金属の時計上げるのもねえ。
あとはメロディ時計、目覚まし時計、時報では都が出てくるのとかって・・・
あーあーそれ私の趣味じゃん。ダメダメ・・・ちゃんと・・・しらべないt・・
いろいろ考えたんだけどね。ああ・・目の前が暗くなって・・・
あーーーーーーーっ!!!!遅刻だああーー!
といった感じに初めに戻る。
ゴーーーール!
そうこうしているうちに職場。ダッシュで3階!定刻通り・・・じゃなかった
朝礼中でした、すいません。
あーあーもうどうしてこうなるのよ・・・
私には時計の神様はいないのかな・・・
あれ?時計がある・・・腕時計?
私って腕時計あるんだけど・・・中学入学から使ってるのね。
父親にあんたってどんくさいからって、預けられちゃったんだけどね。
特に時間には余裕がありすぎて予定に余裕がないって。
つまり時間を守るために時計を渡されたってことね。
で、おいてある時計だけど、メモまで張ってある。
「これを肌身離さず使いなさい」上司からだ。
なんでだろ、私腕時計持ってるの知ってるのに。上司。
ええと、時計の説明書まである。アラーム、ストップウォッチ・・・
げえ、多機能のたっかいやつじゃん。しかも防水までついてる!!!
こんなの持たされて、時計なんて渡す気がなくなっちゃったよ・・・あーあー
もうあきらめた!時計は忘れようもう!決めたんだから!
ケーキでも買おうか。でも私が好きなの以外知らないし、あとは何かあるかな。
本は読まないからわからないや。小物は合わないし、
服なんて・・・スーツ買うの?ムリムリ。
私はスーツの着ないとこに入ったんだから、わからないって。
あーーーーーーーっ!!!!遅刻だああーー!
あのあと夜まで考えたんだけど、また考えてるうちに寝ちゃった。
また昨日と同じか・・・
あれ?でも遅刻じゃなかった。時計が振動してたんだ。そりゃあ起きるわ。
結局もらった時計を放さず身に着けてたんだっけ。
ああよかったよ・・・ちっともよくない!
プレゼント何にするんだってコラ。
もう真剣に考えな。私。
つづく。