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ユレイユ書店の歴史の書  作者: 榮 裕也
一章 ミフィア・フィーシル
25/28

ラーメンにはチャーシューを入れなければ。

タイトルに意味を求めてはいけないとおもうんですはい。

「びぃあああぁぁあああ!!!」


チャーシューがもうじき完成しますかね?意外と時間がかかっているのかと言うと、チャーシューにするために火加減を調整しているからです。


「ミフィアよ、我はあの男が材料のチャーシューを食いたくはない。」


「奇遇ですねレオ。私もです。」


緊張感のない感想だとは思いますがそれしか感想が出てこないので仕方がないと思います。


気を取り直して、自宅に帰りましょうか。あのアスタリスクは私から半径百メートル以内に入ると自動で迎撃してくれるので安心して自宅で寛げます。ああ、あの豚と教育機関で半径百メートル以内に入ることはまずないでしょう。


初めに、あの豚は滅多に登校してきません。メイルさんがダイスキで毎日求愛(悍)に来ると思っていたのですが体が重くて動けない(笑)なのだそうな。もっと痩せましょう。それ以外にも、無駄に敷地面積が広いせいで私のクラスと校長室の距離が百メートル以上あるんです。


敷地面積の半分を取っ払っても距離が百メートル圏内に入ることはありません。


もっと校内面積を狭くしてください。無駄に歩きたくないんです。


死にます。足が。


というわけで、自宅。レオをキャットタワー的なやつの上に下ろして私はベッドにダイブします。部屋は地球の女の子部屋みたいな感じになっています。なので、この大陸ではオーバーテクノロジーな物がありますが目を瞑ってください。


因みに高い金を出して輸入すれば現代科学の十歩先くらいを行っているオーバーテクノロジーな技術機械を入手できますよ・・・。


欲しいような、しかしおばあちゃんがスマホを使えない現象に陥るような・・・


「ですが2016年程度の技術なら扱えますよ。魔石を用いてそれっぽいものは作れたので多分この大陸では一番いい暮らしが出来ていると自負しています。」


そう言うとレオはキャットタワーから頭を覗かせ口を開きます。


「そうは言っても、現時点でこの大陸にも技術大陸の技術機械が幾つかあるはずだ。一概にここが一番とは言い切れんぞ?そもそも、メイル殿の自宅の方が何かと便利なものが多かった気がするのだが。」


「いいんですよ!私には使い方の分からないものが多すぎたのでこっちの方が格段に利便性が高いんです!」


メイルさんのお家では完全にスマホの使えないおばあちゃん状態になっていましたのでこの家の魔術機械と技術機械はその経験を活かしてセレクトしているんです!


カーペットにベッドにクッション等々、この部屋には高級な布類が豊富に使われているのでルンバが使用できないのが痛いところです。


ですが、ぶっちゃけてしまえば浄化魔法で埃の一つまで綺麗に消せるんですけどね。


「ミフィア、何故此方をじっと見る。我は猫のような見た目をして居るが抜け毛は一本たりとも無いぞ。聞いているのか?おい!タワーを揺らすな!どう確認しても汚れは出て来んぞ!!」


そう、何故かレオからは抜け毛が一本も出ないんですよね・・・。小動物を飼うのは抜け毛の処理等までが一セットだと思っていた私としては若干違和感があってしょうがないです。前世ではペットを飼っていなかったせいか今世では世話を焼いてみたいという欲望が強いです。


因みに、何故前世ではペットを飼っていなかったと断定できるかと言うと、無駄に小動物の知識が多いくせに、経験則的なものを一切知らなかったからです。


ハムスターでも買えばよかったじゃないですか。


そういう訳でレオとの生活は前世との若干の誤差はありますが理想にかなり近い最高の暮らしが出来ています。


もう少し人間関係が平穏なら尚のこと良かったのですが贅沢は癒えません。・・・いえ、これは贅沢なのでしょうか?ちょっとしくじっただけで処刑や国外追放が待ってそうな人間関係は嫌ですって言うのは贅沢ではない気がします。


両親兄姉は私の選択関係なく自滅してしまっていますし完全に人生ハードモードです。誰ですか貴族生まれは人生イージーモードとか言っている人は。少なくとも平民に生まれて平穏に暮らす人生よりはずっと波乱万丈ですね。


そういえば、大海水龍のイリウはも手入れがいらないそうですね。エルザが驚いていましたよ。エルザのお父さんは龍の鱗という最高級素材を入手できなくて別の意味で驚愕していました。


龍の素材は魔物の龍ではなく魔獣からしか取れないからこそ素材として最高級を牛耳っているのです。魔物からも入手できれば龍の素材は今の値段の十分の一くらいにはなっているでしょうね。


現時点で龍の討伐は舞姫の一件しかなく、それまでに出回っていたのは何百年も前に見知らぬ誰かが倒した素材がリサイクルされているものばかりなのだそうです。


まあ、私のお陰で新品の龍の素材にありつけたわけですので鍛冶師的にも冒険者的にも万々歳なんじゃないですかね?因みに騎士団や軍にはその素材は絶対にあげません。あの集団は碌に戦闘し無いうえに所属していく内に腕がなまって装備の能力を十全に発揮できないんですよ。


もう少しマシな集団だったら考慮したんですけどね。


それに比べて、冒険者はいいですよ?志がとても低い人もたくさんいますがその中にとても志の高い人がいるのでそういう人に装備して欲しい限りです。熱意と実力が比例しないのは世の理ですがそういう人は成功して欲しいんですよね。


その手助けに龍の素材の装備を使ってほしいです。


“ミフィア、それは流石に荷が重いぞ。実力が無いものが装備する場合、準二級魔獣程度の素材を使ったものが最良だと思うぞ。”


なっ!?直接脳内に!?


・・・まあ、その通りと言えばそうなんですけど・・・龍の装備を付けたら皆一線級の冒険者になれるじゃないですか。


“そのような努力の報われ方を望んでいる者はその『熱意のある者』の中にはいないと思うぞ。”


むうう・・・


育成の方がいいのでしょうか・・・。其方の方が手間はかかるのですが私自身が見ながら成長の方向を示唆することが出来るので悪いことをするような輩にならないという大きなメリットがはあるので実質とんとんと言ったところでしょうか・・・。



時間が余りましたので、ライズ君に頼まれた頼みごとをやっておきましょうか。


必要なアイテムは全てライズ君から着払いで送って貰っています。・・・何故着払いなのでしょうか。着払いの代金はメイルさんが払っていましたし・・・とするとライズ君の作戦にメイルさんも一枚かんでいるのでしょうか。


かんかんこん。


まあ、気にせず任務を遂行しましょう。これが上手く行けばあの壊滅級に臭い豚を丸裸に出来るので私的には万々歳です。何が『ユレイユ・シィキア』ですか。絶対に偽物ですよ。


というか、全能列強の力の差というものをあの豚は理解しているのでしょうか?


とんてんかん。


全能列強とは世界の古今全てにおいて総合的な『強さ』をランキング化したものです。千位と九百九十九位の力の差は言葉の通り雲泥の差です。


どれだけ背伸びをしてもどんな強力な装備に身を固めても絶対に届かない差がランキングの差なんです。稀に急成長しランキングが入れ替わることもありますがそれも本当に稀なことなんです。


私だってランキングに乗りたいのですが全然乗りません。前、何やら不穏な伝言もいただきましたし。『サンスレット・ロードと同じ理由で列強に名を残すことは出来ない』でしたっけ?レットさんちゃんと列強に名前刻んでいるじゃないですか。


カチャカチャカチャ。


それにしても、レオをテイムしていることを考慮した場合、少なくても列強には名を刻めそうなのですが・・・本当に何らかの理由で名前が表示されていないのでしょうか?


でもその場合、レットさんの『名を残せない』という言葉の意味を知らなければなりません。謎解きはあまり得意ではないのでどうしましょうか・・・本人に聞くのはありでしょうか?


答えを知っている人に謎解きの答えを聞くのは邪道と言えば邪道なのですがこの際気にしないでおきましょう。だって現実なんですもん。死活問題なんですもん。


と、そんなこんなで頼まれ事は粗方終わりましたね。後はカモフラージュをしておいて帰りましょうか。


もう夜になってしまいましたね・・・時間が余ったからと作業を開始しましたが思ったより時間がかかってしまいました。まだ十歳の私がこんな夜中に出歩くのは傍から見たら危ない行為に見えるでしょうね・・・私は別に大丈夫ですが。


私を襲う方の人を心配していただいて結構です。


それにしても・・・『アスタリスク』を発動したからと言ってあの豚の音沙汰が無いのが気がかりですね・・・普通にストーキングを続けてアスタリスクにぼこぼこにされて帰っていくのを想定していたのですが一切現れていないのは想定外です。


レオが対処してくれているのでしょうか?


「レオ、ユレイユ(笑)を最近見ないのですが私の知らない間に迎撃とかしていませんよね?」


「うむ。あの男現れていないぞ。」


成程・・・普通に近づいてきていないのですか。何処か不穏な空気が流れてますね・・・。嵐の前の静けさというやつでしょうか?私も色々細工しているようにあの豚も細工やら罠やらを作っているのかもしれませんね。


自分の立場を脅かすかもしれない人間は早めに殺しておきたいと思うのは権力者の性ですからね。自分で言うのもアレですが、実際私ってかなり危険人物ですからね。


身元不明の平民がいきなり侯爵家の養子になったんですから、何を起こすか分かったものではないと肥えた豚は思うでしょう。私は何かする気はありませ・・・いえ、ライズ君に唆されたせいで色々やろうとしていますね。前言撤回です。


「索敵をしてみたのだが・・・あの男は現在この都市に居ないようだ。今は安全だぞ、ミフィア。」


それを聞いてホッとします。


「それは良かったです。今、この町で一番気を付けないといけない人はあの豚ですからね。実力もそこそこあって権力者張りの欲もあるのはあの男くらいですからね・・・。物理的に強いので実力行使をされてしまったらこちらもタダではすみません。」


全く。こう、厄介な案件が多いのですから原因の一人が居ないのはとてもありがたいです。


そろそろ家に着きそうですね。・・・あの影は誰のでしょうか?


「あ!やっと帰宅しやがって・・・奇遇だな!ミフィア!」


そこの人影の正体はなんとフレデリックでした。うっわぁ・・・


さっき『やっと帰宅しやがって』って言いましたよね?絶対に待ち伏せてましたよね?本当にやめてくださいよ。本当に怖いんですからねそういうの。


「運命を感じるなっ!」


スイマセン鳥肌立ちましたお帰り下さい。完全に待ち伏せしていましたよね?それっぽいセリフも言っていたのにまさか聞こえていないと思っているんですか?思いっきり聞こえていますよ?本当にこういうの止めてもらえますかね?


ここ二年でこういう事が徐々に増えているんですよね・・・。少しずつ増やせばばれないと思ったのですか?なかなか厭らしい方向に頭が回るようになっていますね・・・筆記試験では悉く赤点のくせに・・・。


「それで、どうしたんですか?」


「む?要件を言えということか?もう少し話してからでもいいだろう?」


嫌ですよ。何が楽しくてストーカーと談笑しないといけないんですか。早くお引き取り願いたいのですが残念なことに相手は貴族を通り越して王族です。理由を付けて手早く済ませましょう。


「すいません・・・もう遅くて眠いんです。出来るだけ早く終わらせませんか?」


そう言うとフレデリックはうーむと悩み始めます。聞いていましたか?私眠いので早く終わらせたいと言ったんですよ?何長考しているんですか。


「それなら俺の家で話をしよう。そこならすぐに寝れるし何より長い間話せるな。」


は?


頭湧いているんですか?ごほん、ではなく・・・頭おかしいんですか?これだから筆記最下位は・・・


「何言っているんですか。私の家はすぐそこですし話を手短に終わらせれば今すぐ寝れるんですよ。早く終わらせてください。」


「しかしだなあ・・・」


何ですかそこまで誰かと話したいんですか。夜中に押しかけておしゃべりしようとかどれだけかまってちゃんなんですか。本当に困りますよ。それ以上粘るなら無視して帰ります。


「あ!待ってくれ!分かった分かった・・・手短に話すことにする。」


出来れば最初からそうして欲しかったです。


「それでだな・・・現在、この町では不穏な動きが見られるのはミフィアも知っての通りだ。それで、王宮で調査した結果、ユレイユが何処かから実力者を引き入れようとしているらしい。そもそも、ユレイユ程の実力者ならば自分で何でも出来るはずなのだが・・・」


そこで話を一旦切ります。あ、分かりましたよ?その後衝撃の事実的なことを告白するんですよね?でも、流れ的に私はもう知っていそうな事実なのですが・・・


「誰かに頼るということは、即ちユレイユ校長は『ユレイユ・シィキア』ではないのかもしれない。」


はい。知っています。


「更に、メイル・シンフォルからの情報によると、奴の列強順位は九百番台前半らしい。メイル・シンフォルでも対処できるというのは吉報だが、あいつが連れてくる人物は・・・全能列強二百六位らしい。」


「二百六位・・・メイルさんより一つ上ですか・・・。それは厳しいですね。」


私の表情が暗くなったのを見て、フレデリックは慌てて訂正します。


「ああ、別に必ず戦闘になるわけじゃない!国が何とか説得して退けよう!」


本当にそんなことできるんですかね?今まで同じようなことを言った事がありましたが成功したのは極一分でしたよ。王子なんですから権力くらいは上手く使ってくださいよ。フレデリックが王位に就いたら本格的に危ないですよこの国。


・・・まあ、極稀に成功するのでその極稀に期待しておきましょう。



そして時間軸は三回目の学習際前まで飛びます。なにせ、何もありませんでしたからね。・・・この話、日常回を削り過ぎじゃないですか?


で、今年もトラック一周走(多分二百メートルくらい)の選手決めを行っています。これは確実にライズ君になると思っていたのですがフレデリックと何方にするかで激しい討論が行われています。


「ライズ様が一番に決まっているわ!」


「何よ!そんなぽっと出の平民よりフレデリック様のほうがイイに決まってるわ!」


ファン同士の激突みたいですね。というか平民でも大丈夫派と貴族至上主義+王族に媚を売りたい派で綺麗に分かれていますね。


私としては元々平民だったのでライズ君の方に付いたほうが目立たないでしょうがそもそも興味ないのでどっちつかずな態度でのらりくらりと話を躱しておきましょう。


そういえば、マージョリーさんはライズ君が活躍することをよく思っていないようでしたがこの討論には参加していませんね。


静観しているというか・・・睨んでいるというか・・・


まあ、私には関係ない事なので見なかったことにします。


「ぶぁふぁふぁふぁふぁ!今日も勉学に励んでいるようだな!」


うっわぁ・・・18782いやなやつが帰ってきてしまいました・・・今まで何処にいたのかは聞かないので早急にお帰り下さい。


「んん?今日はメイルはおらんのか・・・チッ・・・精々努力しろよ」


お前は精々新月の夜に気を付けろよ・・・ではなく、もう少し教師としても態度を見直してくださいよ。メイルさんがいるかどうかで態度を変えすぎです。


あ、言っておきますけど、その『ぶぁふぁふぁふぁふぁ』っていう笑い方はメイルさんにとっても不評ですよ。寛大を装っているのかもしれませんが普通に気持ち悪いです二度と姿を見せないでくだゲフンゲフン。


「ああ、そうだ。ミフィア・ドランバルド。お前は退学だ。」


・・・は?


・・・まあいいでしょう。アベル君に会えないのは残念ですがこの学校で学べることなんて一般常識くらいですからね。その辺はドランバルド家のメイドさんに教えてもらうということで手を打ちましょう。


「わかりました。さようなら。」


「は?何勝手に帰ろうとしている!帰っていいとは一言も言っていない!」


次は何を言っているんですか。退学なら普通帰るでしょう。そしてもう二度と門を潜ることは無いでしょう。なのに何で引き留めるのでしょうか。


「何故抵抗しない!それでは計画が・・・」


最後の方がよく聞こえませんでしたが・・・ってそんな都合のいい事は起きていませんよ?ごにょごにょ言っていましたがバッチリ聞こえていますから。計画って何ですか?もしかして『それだけは!』『ならば要求を呑め』『何をすれば・・・』『メイルを罠に嵌めるのだ』的な流れですか?


「私は退学になったですから帰らなければいけないでしょう。それに、退学になった私に教育機関長として何かをすることは出来ないと思いますが。」


ぐぐぐ・・・と唸る豚はやはり気持ち悪いです。本当に後先考えていませんね・・・


「そうだ!貴様は生徒でもないのにこの教育機関に立ち入っている!不法侵入だ!貴様は現在犯罪を行っているから、こちらには貴様を捕える権利がある!」


滅茶苦茶な暴論ですね・・・。


というかやけに人が多いと思ったら兵士が沢山潜んでいますね。もしかして非常事態で数の暴力が出来るように人を集めていたのでしょうか・・・


「ひっ捕らえろ!」


・・・どうしましょうか。正直逃げおおせる自信はあるのですがそんなことをしたら冤罪にもかかわらず公務執行妨害になりそうです。・・・いえ、これは妨害なのでしょうか?確かに執行の妨げになる行為に当たりますが・・・


脱走罪とか?


まあここで暴れても得策ではないでしょう。普通に捕まって私に非が無い事を主張しましょう。幸い、国の一番上は腐っていないのでアベル君かフレデリックにこの話が届けば釈放一直線でしょう。


「大人しく捕まれ!」


抵抗していませんけどね。


「まさかこんなに可愛い子供だとはな・・・楽しみだぜ・・・」


何か不穏なセリフが聞こえましたよ。おかしいですね・・・アレですか?幼女でもイケる口の人ですか?普通に怖いんですけど。というか私の貞操が脅かされそうなのですが。


普通に怖いです。まさかこんな人に会うなんて・・・というか、私とレオは引き剥がさないのでしょうか?レオはそこそこ強いので、実力が分かる人なら真っ先に私と分断すると思うのですが・・・


あ、実力が分かる人ならそもそも私を捕えませんよね。私って一応龍の魔獣を単独撃破出来るくらい強いかったはずですから、そういう人はまず立ち向かってこないでしょうね。


「こんなことをしてもいいんですか?私って一応、ドランバルト家の養子何ですけど・・・」


「ふん!貴様が何らかの方法で取り入ったのだろう。彼方も貴様が居なくなって清々しておるわ!」


いや、取り入ったのは確かなのですが、家族の仲は良好だと自負しているのですが・・・どうしてでしょう。この豚が死亡フラグを乱立させていっているようにしか見えませんよ。私が思い当たるものでも六本は立っています。


才能ですね。


「わかりました。大人しく牢屋に入ることにしましょう。」


一先ずは従順な振りをして牢屋に連行されます。そういう事なのでユレイユ(笑)の方に向き直りましたが、あのやろーはにやりと笑い、手に持っている魔道具を起動しました。


いつの間に取り出したのでしょうか・・・と思ったのも束の間パリンという音と共に景色が変わり、牢屋のように様変わりします。


というか牢屋です。


恐らく、さっきの魔道具は一回限りの転移魔法が込められていたのでしょう。パリンって聞こえましたし。取り合えず、辺りを一通り確認します。


そして誰もいない事と特殊な加工で魔法が使えなくなっていること以外ごく普通の牢屋だということを確認してから行動に移します。


「呪術展開。クラシック・ワン・ルーム。」


必要のない詠唱を行い呪術を発動します。するとあら不思議・・・快適な生活空間とパーソナルスペースが出来上がりました。風呂、トイレ、上下水完備。外からの侵入を防ぐ仕様もあります。



『牢屋』がゲシュタルト崩壊しそうな空間ですね。

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