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ユレイユ書店の歴史の書  作者: 榮 裕也
一章 ミフィア・フィーシル
12/28

戦場のいろいろ

「記憶無くなってしまえー」


なんでこんなことになってしまったのでしょうか。治癒魔法が普及してないなんて聞いてませんよ。そりゃあ、お父様の言葉を鵜呑みにして治癒魔法を使った私にも落ち度はあると思いますが、流石にこんな簡単な魔法が普及してないなんて思っていませんでしたよ。


・・・・・・待ってください。私の魔法適正はどれが一番高かったのでしたっけ?どれも同じくらい出来ましたよね?・・・もしかして、ですけど、治癒魔法はとっても難しくて、治癒の適性が高かったせいで他の魔法と同じくらい上手く使えるということなのでしょうか。


嵌められた!


「ミフィア。自業自得だ。これからはしっかり情報収集することをお勧めしよう。」


「・・・レオ、気付いてましたか?」


「無論。」


「教えてくださいよー!!」


何で教えてくれなかったんですか!何故か一般常識に長けているレオが知恵を授けてくれなかったらまた同じことが起こしますよ。確信があります。


「先に言っておくが、我はまだ人間を数百人しか見ていない。ミフィアだけに適性があったとしても『適正者』が少ないのだなくらいにしか思わなかったのだ。」


そう言われればそうですね。言われてみればレオは洞察力が優れているので人の行動を見ながら情報を集めていたと言っても納得できます。知識は無いのに常識があるのはそこからの由来なのでしょう。今さら気が付いても意味がないということには気付いていません。ええ気付いていません。大切なことなので二回言いました。


「それにしても、治癒魔法も国宝級の魔法だったとは・・・知りませんでした。というか、レットさんは私の治癒魔法がおままごとに思えるくらいの手際でしたよね。」


「我はそのレットなる人物を見てないから話を振られても困るぞ。」


そうでした。レオとはずっと一緒に居るのでレオに会う前にレットさんと会ったことを忘れていました。今やレオは私の体の一部ですからね。ずっと抱いているのでクラスの皆はレオの背中と私のお腹はくっ付いているんじゃないかと噂していました。


違いますけど。


さて、どうしますか。ハイパーテクノロジーを秘めているゴーレムが東西に合計八体いるんですけど。いや、情報を隠蔽できる範囲を超えてますね。唯一の救いはあのゴーレムの名前を『製作者不明ゴーレム』として登録しているというところでしょうか。取り合えず戦いが終わるまで活動して終わったらすぐにでも回収しましょう。


ハイパーテクノロジーは悪用の一途をたどりますからね。


まあ、絶対に悪用されるというわけではないので、そうならないことを祈っておきましょう。



俺はとある戦士だ。ただ、今目の前に不可解なものがある。


時は遡り、今朝の警報が事の発端になる。


いきなり現れた魔獣の群れが王都に向かっていると聞く。魔獣は基本、強くなり過ぎた獣が魔石を宿して魔獣になるはずだ。なのに何故八千五百もの獣が一斉に魔獣になったのだろうか。しかもその魔獣はこの王都を囲むように出現しているらしい。


先に宣言しておくがこの国には現在、メイル・シンフォルという最強の魔法使いがいる。しかし、彼女はこの国には関わらないと王に宣言しているし、第一、そんなことをしたらサンスレット・ロードがこの国を滅ぼしかねない。その男は、この国最高と唄われた城の防御魔法を三秒で崩し、最高峰と言われた王国騎士を百人を五秒で薙ぎ払い、移動も含めてたった十二秒で完全に攻略した最強の男だ。


しかも、それは全盛期の力ではなくまだ発展途上の力だったらしく、今の力はそれを遥かに凌駕する力を持っているらしい。具体的にどれくらいかと言うとこの国最高と唄われた城の防御魔法を万分の三秒で崩し、最高峰と言われた王国騎士を百人を万分の五秒で薙ぎ払い、移動も含めてたった万分の十二秒で完全に攻略しきる人材だ。


だが、実際は人間として攻略した場合の話であって、神としての力を執行すれば、この国が初めから無かった事にも出来るだろう。億分の一秒程の時間で。


しかも、彼女はが戦闘に参加する前提で話を進めたとして、メイル・シンフォルは打撃では一体どのくらいの戦力になるか分からない。たしか、メイル。シンフォルは『上限レベルが無い』という異常なステータスを持っているらしく、魔法も伸びているが、それに比例して攻撃力も防御力上がるはずだ。だから物理戦もそこそこできるはずだが詳細はわからない。


そもそもの話、最強の男に頼ろうとしたらいい話なのだが、この国がメイル・シンフォルを攫ったせいでこの国の城は落とされたので、のこのこと助けを求めるなんて真似は出来ない。


さらに、その男はこの国を落とした後に国を作った挙句、四大陸主要都市全てと国交を持ち、大陸を浮遊させていろんなところに行って道楽三昧らしい。


行動が全く読めない。


・・・希望観測としては、メイル。シンフォルがなんとなく戦闘に参加してくれて、何か不始末を起こした所にサンスレットが登場し、全部解決・・・・・・少し、いや大分無茶があるな。


しかし、魔獣が大量発生しているのもまた事実。軍に所属している俺は勿論のことながら参戦することになった。配属されたのは東門。


そこは地獄だったと言える。俺は第三波だったが、一回目と二回目に配属された奴は大体重傷だった。応急処置班が頑張っているが、もうそろそろ死人も出るだろう。


「なんだ・・・あれ・・・」


一人の男が声を上げた。見上げてみると、そこには飛行する爬虫類・・・トカゲだ。


だが、それをトカゲだというものは誰もいないだろう。


それは爬虫類が魔獣化した時に一定確率で起こる突然変異の姿・・・


ドラゴンだ。


配属されて数分で俺が所属している部隊は壊滅した。勿論、俺も重傷と言っていいだろう。足が二本とも千切れていて、仮にこの戦いが終わったときに生き残っていたとしてもこれからの日常生活にも影響が残ってしまう。


つまり、俺の人生はここで終わったも同然だ。


「まあ・・・こんな状況で生きていた場合の事を考えていることすらおめでたいんだがな・・・。」


実際、俺たちがまだ生きているのは戦線で戦うベテランたちが粘っているお陰であって、それもいつまで保てるか分からない状況だ。大体、ドラゴンになる爬虫類は必ず準一級以上の強さを持っているからそこにいるだけで強いことが証明されるから、士気も確実に落ちている。


俺だってもうどうしたらいいか分からないくらいには疲弊している。他の連中だってそうだ。自殺をしようとする者や、現実逃避をしている者もいる。


「あれは・・・なんだ?」


次は一体何なんだ?もう勘弁してほしいところだ。


「ゴーレム・・・?」


ゴーレムなんて居るはずがないだろう。ゴーレムは魔力で動くはずだ。ならば魔獣に狙われて、魔力を吸われて活動が停止するだろう。魔獣との戦闘で利用できるはずがない。


「『私は製作者不明ゴーレムNo.2。治癒を開始します』」


「うお!?ゴーレムが喋った!?」


何でゴーレムが喋るんだ!?ゴーレムってのは単調な動きが出来るだけの魔動人形だろ?喋るなんて高等なことを出来るはずがない・・・中に人でも入っているのか?


「なんだこれ・・・傷が治っていく・・・。」


「千切れた腕が・・・直ってるぞ?」


「奇跡だ・・・!」


いや、本当に奇跡だ。俺の両足が直ってやがる・・・


このゴーレムいったい何者だ・・・いや『何物』なのか?製作者不明ゴーレムって言っていたから誰かが作ったんだろうが、なんでこんな回りくどいことを・・・。


しかし、あのゴーレムは異常だ。今の行動を総合して見るに、自動で移動、負傷者を見つけたら治癒といった感じだ。ただ、普通のゴーレムは対象を殴る蹴るのような単調な動きしか出来ないはずだ。更に、治癒魔法と言えば魔術の最終奥義の一つのはずだ。そんなことを出来る製作者とは一体・・・


「ゴーレムの製作者が分かればいいんだが・・・」


俺は戦士だが、このゴーレムの事が徹底的に分かれば戦闘時にけがの心配をしなくて済む。魔法使いだけじゃなくて世界に貢献できるのだが・・・


「『私は製作者不明ゴーレムNo.2。『ゴーレムの製作者が分かればいいんだが・・・』を質問と受け取ります』」


「ん?質問返答機能まであるのか?馬鹿みたいな魔法だな・・・」


「『返答は『ミフィア・シーフィル』です』」


ん?


「それ答えて良かったのか?」


「『私は製作者不明ゴーレムNo.2。『それ答えて良かったのか?』を質問と受け取ります』」


なんかそういう所は人間っぽくないな。ゴーレムは指定されたことを淡々とこなすというのが常識だが、このゴーレムもその類に漏れないのだろう。


「『返答は『大丈夫』です』」


「何故だ?」


「『私は製作者不明ゴーレムNo.2。『何故だ?』を質問と受け取ります。返答は『ミフィア・シーフィルの把握領域にその答えは存在していません』」


何で答えてよかったかなんて普通は考えているはず無いか・・・。というか、このゴーレムは製作者の精神領域に干渉することも出来るのか・・・


「『把握領域が更新されました。返答を更新します。返答は『うっかり製作者の名前を設定するのを忘れていた』です。把握領域が更新されました。返答を更新します。『ゴーレムの製作者が分かればいいんだが・・・』の返答を『メイル・シンフォル』に更新されました』」


「今更更新されても手遅れなんだが・・・」


しかし、ミフィア・シーフィルとは誰だ?シーフィルというのは最近党首とその家族が一網打尽になった大貴族で、今は平民だった女が乗っとる形になっているはずだが・・・その一家にミフィアという人間はいなかったはずだ。詳しくないから断言はできないが。


「じゃあ質問だ。ミフィア・シーフィルの素性を言え。」


「『私は製作者不明ゴーレムNo.2。『じゃあ質問だ。ミフィア・シーフィルの素性を言え。』を質問と受け取ります。返答は『シーフィル家が拾った子供でありとあらゆる能力を詰め込まれた最終兵器『ベアエリーテル』』です」


なんだそれは・・・ベアエリーテル?そんなもの聞いたことが無いぞ?


「ベアエリーテルとは何だ?」


「『私は製作者不明ゴーレムNo.2。『ベアエリーテルとは何だ?』を質問と受け取ります。返答は『三邪神の上に立つ負神の名前』です」


なんかヤバイ名前が出て来たぞ?本気でまずいんじゃないか?なんでそんなヤバイ神様がこの戦いを支援してるんだ?


「ミフィア・シーフィルはベアエリーテルであってるか?」


「『私は製作者不明ゴーレムNo.2。『ミフィア・シーフィルはベアエリーテルであってるか?』を質問と受け取ります。返答は『否』です」


違う・・・?つまり計画名というわけか。流石にそんな奴がこの戦いを支援している訳が無いか。ということはシーフィル家がなんかヤバイ計画をしていて、ミフィアはその集大成ということか・・・それならばこんな複雑な命令をゴーレムに与えれることも、治癒魔法もうなずける。


そういえば、俺が話しかけたときには全員治癒が完了していたな。ひとりひとり治癒するのではなく全体を一気に治癒したということか・・・


まあ、今分かったことはメイル・シンフォルにに匹敵するくらいの魔法使いが味方しているということだけだ。しかも、前代未聞の治癒魔法付きで。


「これは・・・勝てるかもしれないな・・・」


この恐ろしい数の魔獣に勝てるかもしれない。



「はあ・・・何でこんなに魔獣が出現したのでしょうか・・・魔獣は魔力を食べるから嫌いなんですよね・・・。」


私は今、北門に来ている。朝の散歩というやつです。いえ、別に魔獣を倒しに来たわけではありません。なんとなく魔力を開放してみたら倒せてしまった・・・的な?事が起こるだけです。


別に私は協力なんてしませんよ。私をわざわざ監禁しようとした国に手を貸す必要はありませんよ。・・・でもミフィアが心配になったのもまた事実・・・仕方がありません。ミフィアがこの国にいる間、まあ百年くらいでしょうか?そのくらいは協力してもいいでしょう。


さてと、そろそろ魔力の調整というかなんというかそんな感じの事をしましょうか。あー、なんか暴走して魔力爆発が起きそうですねー。


ちゅどん。


あー・・・あたり一帯魔獣が破裂しましたね・・・この方法で魔獣を倒すと魔石以外が無くなる代わりに魔石のサイズが一回り大きくなるのが嬉しいところです。取り合えず全部回収しましょうか。


「『*イ*** ***エ** ***リ **** ***ム* *** *ジ*** **サ***』手元に来たれ“転移”」


いやはや・・・やはり詠唱魔法は便利ですね。何の魔法を使うかをばらす代わりに魔力効率が上がって魔力の消費が少なくなります。レットも面白いものを作りましたね。


「そういえば、ミフィアも詠唱をしていましたね。何処で習ったのでしょうか?今度聞いて・・・いえ、確かお姉さんに習ったそうでしたね。私が知っている限りでは一番強い魔法使いですね。勿論、私とレット、それと会ったことのない列強の人を除いてですが。・・・ひい、ふう、みい・・・ダメです。数千はあるので数えきれませんね。家で数えましょう。」


これだけあれば当分生活には困らないでしょうね。ミフィアと一緒に暮らすと決めて心配でしたが丁度良く魔石が大量に出現したのでいい感じです。


「ガアアアァァァァァアアァァアアアアッッッッ!!!」


「なんでしょうか・・・ッ!あれは!」


しくじった・・・魔獣が・・・私の魔力に耐えきってしまいました。この量の魔力を耐えれるということは既に絶級の魔獣だったことになります。くそ・・・あれは反則です・・・


ステータス

攻撃力113502500

防御力920000

魔力nnniisiiiedssiaaa///

妖力0

呪適正0

技適正0


等級:零級


攻撃力一億越え・・・私が魔力を注ぎ込む前は七百万程度だったはずですが・・・魔力との融和性が高い希少種でしたか・・・どうしましょうか・・・正直、勝てません。攻撃力が一億超えている人間なんて列強の十番以内の連中くらいです。


終わりました・・・


私の人生もそうですが皆の人生も終わりました・・・


私のミスで世界が・・・


「メイル!大丈夫か!」


あ・・・


私のヒーローレットが来てくれました。


そういえば今日は・・・・・・前回からピッタリ一週間ですね。


「大丈夫です。それより・・・あっちの魔獣の方がやばいです。」


そうです。あのヤバイ魔獣を倒してもらわねば世界が終わってしまいます。いえ、現在生きている列強十位以内の四人以外全員死んでしまいます。


「お!あんなにでかい魔石は何年ぶりかなあ。」


魔獣を見て魔石に還元して話を進めないでください。何で魔獣を見ると魔石が一個二個・・・っていう風に数えるんですか。


・・・私も同じことをしていた気がします。


それではやっちゃってください。


「『****************************************************************************************************************************************************************************************************************************************************************』お前は今日からns%moo¥eeiii////だ“リ・メイク”」


ああ・・・何言ってるか分かりませんね。詠唱で使われている言葉は未知の言語で、それを流暢に喋れるようになると詠唱を一々区切らないでよくなりますし、一言もこの国の言語として聞き取れません。


一応解説を入れておきますが、この魔法はレットが作り出した魔法の一つ、リ・メイクです。魔石を保有する生物を無機物の好きな物に作り替えるという魔法です。つまり、簡単魔道具クッキングということです。魔法でパパっと魔道具創るとか研究者が発狂しそうです。


今回は何に作り替えるのでしょうか・・・


あ、一センチ大のキューブになりましたね。つまり今回できたのは『持ち歩き式小惑星ゼヒツェーン』ですね。ゼヒツェーンは16という意味だそうです。試作十六型という意味でしょうね。


持ち歩き式小惑星ゼヒツェーンは小惑星・・・と言っても一周二千キロはある星なのですが、それを異世界と共に作り上げるという馬鹿げたアイテムです。自分だけの星で、自然、生物、魔物、魔獣が存在する自分だけの世界を作り上げたというわけです。ただし、自分だけの世界なので知的生命体は居ないという感じです。


一つの惑星の資源を自分の物に出来る魔道具です。


ぶっちゃけありえない。


人間にできる領域を遥かに超えてるとおもう。まあ、レットは何十年か前にこの世界にいる神をシバきまわした挙句神に昇格してたみたいなのでもう驚かない。私は驚きません。


「さて、北は制圧完了、西と東は謎のゴーレムかっこわらいが何とかしてる。後は南だな。」



さて、何が起こってるかは飛行監視ゴーレムで把握しました。レットさんが参戦していることがとっても予想外ですが何とかなるでしょう。というか居るんなら全部片付けてくださいよ。


いやまあ、もう私結構目立っているので記憶処理する方向で方針は固まってますが。ですがレットさんがバーンと解決してくれれば記憶操作なんてめんどくさい魔法を使わずに済んだはずです。なにせ、あの魔法は魔法というより儀式に近いので魔力より呪適正が物を言い、専門外な私は苦戦を強いられてしまいます。


本当は呪適正も上げているのですが、それを開放すると私がステータスを複数持っていることがばれてしまうのでステータス統合魔法を作り上げるまでは魔法が得意なステータスを使っていこうと思っています。


「ふう・・・全部雑魚ですね・・・南は雑魚しか出てないというのは本当のことでしたか。」


私は剣技を使い続けて精神が消耗しているので山の上に座っています。


魔獣の山です。


アニメでよくある強い奴が初登場の時に沢山倒した獲物を山にしてそこに座り、黄昏れている時に主人公が来て「やあ」とか言ってしまうあのポーズです。


別にカッコいいとは思っていませんがなんとなくやってみたくなりました。別にいいですよね?


それにしても魔獣って魔石以外は使い道が分かりませんね。取り合えず部位ごとに分けでストレージに入れておきましょうか。その為にもこの山から下りなければなりませんね。


高さ十メートルの魔獣の山とか・・・どんだけ出現してるんですか。魔石だけでも相当額になると予想できますよ。魔獣を倒す前に魔力を流してやったりしてたので魔石は一際大きいです。そのため、かなり高額で売れることが予想できます。


メイルさんもそんな感じの倒し方をするそうですが、一気に魔力を流し込んで破裂させるようなのである一定以上に魔石は育たないと思います。しかし!私はゆっくり魔力を注いでメイルさんのよりも上質で、かつ大きい魔石を大量に作ったのでメイルさんのより高く売れる自信がありますよ。


解体解体。


収納収納。


「き・・・君、一体何者なんだ?」


「答えませんよ。記憶が消しずらくなるので。・・・ああ、私はあまり目立ちたくないので暴れた後は記憶処理をすることにしてるんです。」


他にも何か言ってきますが全部無視です。


あれは・・・ガラの悪い人たちですね。ニタニタしながらやって来ました。何でしょうか?


「おい娘、女の子がここに居ちゃ危ないだろ?魔石やらなんやら全部俺らに渡してくれたら安全な奴隷商に届けてやるよ。勿論、先に味見するがな。俺の部下に年下に優しい男が居るんだよ。」


ぎゃははははという下卑た声が聞こえます。うっわぁ・・・キモイですね。こいつらが何したいかが手に取るように分かりますよ。ついていったら儲けもろもろ持っていかれて十八禁の薄い本並の待遇が待っていると思います。自分で言うのもあれですが私結構可愛いですし、八歳なのに胸も膨らんできています。前世よりは確実に大きいです。


前世の私まな板すぎ・・・?


転生っていいものですね!勝手に胸が大きくなるので万々歳って感じです。


「何か言えっての!!」


「きゃあ!やめてください!乱暴しないでー!!」


あえてか弱い女の子を演じてみます。分かりますよ?調子に乗るんですね?しっかし馬鹿ですねえ。この男たちは。私が魔獣をポンポン狩ってるシーンを見ていなかったのでしょうか?まあ、激しく抵抗して正当防衛と周りに証明するために茶番はしますが。


「げへへ・・・そそるじゃねえか。ガキは専門外だが・・・こいつは俺も味見してやろうかな!」


「そうですか。ならば死ね。」


六人とも魔法で拘束しました。周りから見たら私に絡んでた男がいきなり倒れたことになりますね。兵士さんがたくさん居るところで騒ぎにしたので沢山兵士さんや騎士さんが見てくれています。全員私を助けようとしてくれていたみたいですが、実際私は魔獣キラーなので本当に助ける必要あるのか?という顔をしていました。


「はあ・・・全員漢女おんなのこにしておきましょうか・・・」


「嬢ちゃん・・・流石にそれはアウトだと思うぞ?」


・・・仕方ありませんね。あまり暴れすぎると記憶を消しずらくなってしまいます。


「分かりました。魔獣の所に捨てておくだけにします。」


「罰が重くなってないか?」


気のせいです。


さて、もう帰りますか。


記憶の処理は・・・終わりましたね。うわお。勝利の雄たけびが凄いですね。自分たちだけで倒したことにしましたから、攻略不可能と思われる強敵を粉砕したのですからね。ボロボロになりながら。


皆さんよく頑張りましたね(棒)


私は傍観者でしたが皆さんの雄姿はたしかに見届けましたよ(棒)


さて、帰りましょうか。片付け方がなんか雑だった気がしますが私は気にしませんよ。帰ったらメイルさんにここぞとばかりに甘えるんです。


「ミフィア。ヤバいぞ。空を見ろ。」


戦闘では両腕を使うので頭に避難していたレオが声を出しました。何時でもレオとは一緒ですからね。いきなりレオが巨大化するとみんなが驚くので戦闘には参加していませんでしたが。


「あれはドラゴンですね。およそ超級でしょうか。」


冷静に分析していましたがそんなことしている場合ではありません。


・・・下手したら死人が出ますよ。これ。

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