表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/10

第一話 俺、転生させられました。



―時間が経つのって、早いよね……


あれから、はや十年。

俺は十歳になっていた。

十歳にもなれば、この世界の事も否応なくわかってしまうってもんだ。


この世界は、アンゲル大陸、プラン大陸、デスピア大陸の三大陸に分かれている。

そして、その大陸間は馬鹿でかい橋でつながっていて、三角形を形作っている。

俺が住んでいるのは、三大陸の中でも最も大きいデスピア大陸。


ここで、それぞれの大陸の特徴を軽く説明しておこう。


デスピア大陸。

ここは最も発達しており、快適な生活を送る事ができる。

さらに、学園(元の世界で言う、高校のようなもの。正確には違うが)が唯一存在している。

それもあって、人口密度は最も高い。


アンゲル大陸。

ここもデスピア程ではないが、ある程度発展している。

が、ここは主に工業、農業をしているため、住んでいる人はデスピアよりは少ない。

武具などは、ここで作られている。


そして、プラン大陸。

ここは最も開発が進んでおらず、ジャングルに近い状態。

もちろん住んでいる人はかなり少ない。

また、主にここでは狩りが行われる。

狩りで手に入れた素材で、衣服などを作るのだ。


まぁ、こんな所か。

あ、あとこの世界には種族って物がある。


まず、魔法を得意とする「魔人」。

白兵戦を得意とする「獣人」。

知略に富んだ「精霊」。

そして、オールラウンダーの「人」。


これを聞く限り、人が強いんじゃないか?って思うだろう。

だが、そうではない。

人はオールラウンダーだが、秀でた物がない。

それ故に、魔人に魔法では勝てず、白兵戦では獣人に勝てない。

精霊に知略では勝てないのは、言わなくてもいいだろう。

つまり、人は相手の戦い方に合わせて、戦い方を変えれるのが強みなのだ。


最初、種族があることを知った時、種族間の抗争とかあるのかと思った。

だが、この世界は平和そのもの。

種族が違うからと言って、差別があるわけでもない。

時々、種族間の抗争はあるらしいが、それも小規模なものばかり。

元いた世界に比べれば、かわいらしいものだと思う。


……しかし、俺は誰に説明してたんだろ?

そんなことを思っていると。


「レイー!手伝ってちょうだい!」

「わかったよー」


母さんに呼ばれた。

あ、ちなみに今の俺の名前は、「レイ・サイズニア」。

俺は自分の部屋から出て、母さんのいるキッチンに入った。


「これを盛り付けて頂戴」

「わかった」


柔らかな笑みを浮かべた母さん。

母さんの名前は「アンネ・サイズニア」。

この人は、俺の産み親ではなく、俺を養子にとった人だ。

十年前、俺はこの家の玄関に捨てられていたのだ。

そしてあの自称神(笑)に向かって叫んだ時に、出た鳴き声に気が付いた母さんが、俺の事をここまで育ててくれた。


「こんな感じでいい?」

「ええ、いいわよ」


母さんは、俺の頭をなでながら笑いかけてくれた。

……悪い気はしない。


「まったく、レイはよくできた子だな」


そう言って、キッチンに顔を覗かせたのは、親父だった。

親父の名前は「ヴィル・サイズニア」。


「親父がダメなだけだよ」

「ウフフ、レイの言う通りね」

「うっ……」


親父は家事が全くできない。


「あっ、そうだ、レイ。あとで剣術の稽古をしよう!」

「あ、話逸らした」

「うっ……」


親父は学生時代、剣術が得意だったらしく、暇があれば俺に剣術を教えてくれた。

母さんは魔術が得意だったらしいので、親父と同じく俺に魔術を教えてくれていた。


「ま、まぁ、そういうことで。飯が出来たら呼んでくれ」

「あ、逃げた」

「うわーん!息子に苛められるよー!」


親父は泣きながらキッチンから走り去った。

大の大人が泣きながら走り去る……シュールな光景だった。


そして、昼飯を食い終わった後、俺は親父に剣術の稽古をつけてもらった。



最近になって、自称神(笑)が言っていた、俺に付けたチートがなんなのかが分かり始めた。

それは、「人」という種族にしてはおかしい身体能力だった。

さっきだって、親父との剣術稽古で俺が圧勝しちゃったし。


いや、それだけじゃない。


普通、魔法は一つずつしか使えない。

例えば、炎を出している時は、それ以外の魔術が使えない。

いくら「人」が頑張っても、魔法を切り替える際の隙が無くなるだけ。

「魔人」であっても、同時に二つの魔法を使うことが出来るのは、少数しかいないらしい。

だが、俺はいくらでも同時に魔法を使うことが出来る。


このことを知っているのは、俺だけ。

両親にも言ってはいない。


さらに、「精霊」並みの知略を何故か持っていると来た。

何故そんなことが分かるかというと、「精霊」が知略を鍛えるための本をたまたま手にする機会があった。

その時、俺はそこに書いてあった問題を、悉く簡単に解いてしまったのだ。


あの時は唖然とした。

チートにも程があるだろうに。

あの自称神(笑)は加減というものを知らないのだろうか?


「まぁいいや」

「レイ、どうしたの?」

「あ、いや、なんでもない」

「そう?あ、そうだ。明日街の方にお使いに行ってきてくれないかしら?」


母さんが俺にお使いを頼むのは、珍しいことじゃない。

だって、親父がアレだから。


「レイ。今失礼な事を考えなかったかい?」

「人の思考を読まないでよ」

「あぁ、すまんな。……って、そこは「なんでもない」っていう所じゃないか?」

「いや、思ったことは本当だし、否定するのもなぁ、って思って」

「うわーん!息子に苛められるよ!」


親父はソファに置いてあったクッションに顔をうずめて泣き出した。


「お使いって何買ってくればいいの?」

「せめてスルーしないで!」

「明日メモを渡すから、それを買ってきて頂戴」

「アンネまでスルー!?」


母さんにまでスルーされ、再び親父はクッションに顔をうずめたのだった。





転生物って、主人公がどうしてもメタ発言してしまうのは、僕だけでしょうか……?



僕の文章が見るに堪えない時は、遠慮なく「m9(^Д^)プギャー」してくだs(ry



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ