03
どうして僕がその話を知っているかというと、中止となった原因の僕に、あえて有志として参加してくれないかという誘いがあったのだ。昨夜のセッティングも、打ち上げ花火の最終確認だった。
そして僕は、思い切って彼女を誘い、あの日の約束を果たそうと思っていて。もしも果たされたなら、その時に告白しようと企む僕もいた。
「一樹、まだなのー?」
「おう、今行くから」
僕は手早く準備すると、急いで玄関に向かった。
祭りは盛況で、射的や金魚すくい、カステラやりんご飴などの屋台が立ち並び、楽しい時間はあっという間に過ぎていった。そして、青年部の太鼓の時間が近づく中。僕はさやを連れて、神社の裏手、小高い丘の上を目指して歩いていた。
「浴衣、歩きにくそうだけど大丈夫?」
「大丈夫だよ?子供の時は登るだけで大変だったけど」
彼女はくすっと笑う。多分さやも昔の事を思い返しているのだろう。あの時と違うのは、さやが浴衣を着ている事と、さやの手を握り、僕がリードしている事だろうか。
「……」
「……」
時折さやが、僕の手をぎゅっと握ってきては、僕を不思議そうに見上げてくる。僕はその度にさやの手を強く握り返し、丘の上を目指した。彼女は何も訊かずに、僕の後をしっかりと付いてきてくれていた。
「……つい、たね。ようやく」
さやは丘の上のあった、ちょうど良い大きさの丸い岩に座り、ぽつりと零した。僕も彼女の隣に座る。
「ようやく、ついたよ」
単純に丘の上に着いたという事と、あの日、果たせなかった約束の事を重ねて応える。
「花火、見れたら良かったんだけど……。ごめ、んね。私のせい、でっ」
どうやらさやも、同じ思いだったらしい。
「ごめん、って、なにが?」
「……ぇっ、く」
さやはこれから始まる花火を知らない。だからだろうか?決して変えられない過去に後悔す




