01
『ねぇ、指きりをしよ?』
これは、遠い日の記憶。
『え、ほんとう?ほんとうにしてくれるの?!』
何度も見て、擦り切れそうになっている出来事。
『え、っと。それじゃ、指をからめて、こう……』
夢にまで見る、悲しい過去。
『指きりげんまんウソついたらはり千本のーます、指切ったっ』
いつも夢はここで途切れて。終わりを僕に見せつけるんだ。
『かずき!!』
彼女の声が、耳に届く。
『ねぇ、かずき?』
なに?
『ねぇ、ねぇってばっ?!』
? なんなの?
『こたえてよっ、かずき!!』
……ああ、そっか。僕は、滑り落ちたのか。
『ねぇ、ねぇってば……』
全然、体動かないや。
『かずきぃ…………』
……指きり。守れなくてごめんね。
『……』
あれ?さや、なんて言ってるの?聞こえないよ、さや。……ねぇ、さやっ!?
「起きろってば!!」
「ッ!!」
声にはね起きると、そこは自分のベッドの上で。
「もう、何で自分から誘っといて寝坊してんのさ」
傍らには、淡い群青の浴衣を着て、長い黒髪をポニーテイルにしたさやが居た。
「? どうしてさやがいるんだ?」
「なにを言ってんのさ、一樹は」
さやは不満げに唇を尖らせる。それから人差し指をぴっと立て、
「問題。今日はなんの日で、今は何時でしょう?」
「え? ……あ」




