引き継がれる重荷 壱
引き継がれる重荷 壱
「アイリスよ! おまえが次の蜜柑司祭となるのじゃ!」
「クルトン様! 嫌です! 謹んでお断り致します!」
「ゴヴォッ! ゴヴォッ! この期に及んで何をいう!」
「喧嘩早いジャーマンで良いじゃないですか? 反発は多いかもですけど、祈りの鉄拳で強引に取り纏めてくれますって!」
「駄目じゃ! おまえしかおらんのじゃ! 頼む! 最期ぐらいは素直に聞いてくれ! アイリス!」
「それでしたら! なんでも、はい! 承りますのリリーが適任かと思いますが!」
「駄目じゃ! 聞くばかりでは、益々の増長を招いてしまうのがわからんか! 全てを叶えるなど、夢のまた夢でしかないと言うことがわからんか!」
「うっせえジジイ! 耳たこです! 失礼致しました。心の声が少し漏れてしまいました。面倒臭いのはゴメン遊ばせなので! 早く逝っちゃって下さいよ! 後はわたしが適応に、クルトン様の最期のお言葉としてお伝えしますから!」
「わしが生涯をかけ……ゴヴォゴヴォゴヴォゴヴォッ…」
「まあまあまあ! そんなにカアッとなると逝っちゃいますよ!」
「五月蝿いわ! どれ程の思いで、この左螺旋と右螺旋のいがみ合いを取り纏め今を築いたと思っているのだ!」
「クルトン様に拾われてから、ずっと面倒臭い光景を見てきたからでしょ?」
「おのれ! わしはまだ大地に還さんぞお!!」