迫りくる選択の時 弐
迫りくる選択の時 弐
たったったったったったったっと、元気良く何時もの沐浴する湖の湖畔へと掛け降りて来た流々華ちゃん。
ふう。
「よっこらしょっと……肩への食い込み半端ないな! ~ん? どこがいいかな?」
キョロキョロと安全に降ろせそうな、平たそうな場所を探します。
「あっこでいっかな! うんうん」
平そうな場所へと数歩、カニ歩きしてピタリ。
緊張の壱瞬! 崩れないようにそっとしゃがみ込む。
降ろす時が崩れやすいからな……。
崩れ落ちないように精神集中。
わたしのズボラな山よ!
壱心同体壱本の線だかんね。
真っ直ぐ真っ直ぐだよ!
漫画盛りの洗濯物の積み上がった背負い籠を、そっと出来るだけ平らそうな湖畔へと優しくおろしました。
わっさわっさわっさ……と、崩れ落ちないまでも揺れている漫画盛りの洗濯物たち。
よっし! ガッツポーズ!
「ちょっと溜め込み過ぎだったかな? 背負って駆け降りて見ると、わたしのずぼらなその重みが、流石に肩にずっしりきたわ」
コキコキコキッ!
パン! パン! と、頬っぺに気合いを入れて。
「もうそろそろちゃんと反省だね……よっし! でわでわやりますか!」
「モクモク魚~っ! 出ておいで~~~っ!」
「ぎょぎょぎょぎょぎょ! ぎょぎょ~~~っ!」
向こう岸の上空に黒々としたモクモク雲が渦を巻きながら現れてゆきます。
沐浴の泉がキラキラとしたさざ波を立てて回りだしました。
「よし! いい感じだよ!」