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霧の森
霧の森
霧の闇に包まれた、鬱蒼とした森の奥深く。
創始以来誰も立ち入る事の無かった、黑森と呼ばれる未開の地。
あたまの、先っぽまでぶかぶかよれよれのローブをすっぽりと被った影が壱つ、霧煙る中、影絵のような白と闇の世界をゆっくり不適な笑みを浮かべゆく。
手持ちの青い焔のランプにぼやんと照らされた小径を、なれた様子でさくさく生い茂る草葉を揺らしながら白い闇へと吸い込まれるように消えてゆきました。
ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ……。
「もう! 開きなさいよ!」
ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ。
ドンドンドンドン!
ガチャガチャ、カチン!
「ふう」
ギギギギギギギギ……バタン。