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(仮)のX WORLD【WEB】  作者: アマサワオヤコドン
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ぽかぽかの誘惑


   ぽかぽかの誘惑


 ごくり……。

 落ち着け……落ち着け……落ち着くのよ、わたし。

 もう、起きてしまった事は仕方ないんだから、しっかり現実を受け止めよう。

 うん。

 摩耶ちゃんの張ってくれてた、ぷにょぷにょドーム無かったらヤバかったかも?

 有り難う摩耶ちゃん!

 感謝だよ!

 やっとなんだよ! やっとこさお水を汲み汲みして沸かしたんだぞ! 3日ぶりの……待望のぽかぽかのお風呂タイムだったのにぃ~い!

 もう! プンプンだぞ!


 ほわぁんほわぁんほわぁんほわぁんほわわわわ~ん……。

 たったったったったったっと軽やかな足取りで、底の尖った水桶を下げた天秤棒を担ぎ、くねくねと蛇行する細い小径を颯爽とかけ降りてゆく。

 2キロ程下った先に乳白色の冷泉が涌き出ている。

 普段はそこで沐浴(もくよく)をしているのだが、ぽかぽかのお風呂の味をしめてしまってからは、壱月(ひたつき)壱度(いちど)から、半月に壱度(いちど)になり、それが弐週間(にしゅうかん)壱度(いちど)壱週間(いっしゅうかん)壱度(いちど)となり、伍日(いつか)壱度(いちど)壱端(いったん)落ち着いたものの、今は参日(みっか)壱度(いちど)汗だくになりつつも道場を兼ね備えたお(うち)への往路を、ゆらゆらと桶を揺らしながら天秤棒を担いで、キラキラと目を輝かせて何度も何度もお風呂が壱杯(いっぱい)になるまで掛け降り掛け登っていました。

 外から内ドラム缶風呂へと、簡易的な水路を流れて、汲み上げてきた冷泉をザバンザバンと流し込んでゆくシステムだ。

 何度も往復してドラム缶風呂いっぱいに注ぎ込むんだ後、()ボックリの木の割れ木を焚き付けてぽかぽかお風呂にしてゆくのだ。

 まだ、ぽかぽかしてたいよ~っ!

 ぽかぽかの誘惑と決別しなければならない、その時は刻壱刻(こくいっこく)とせまっていました。

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