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引き継がれる重荷 参
引き継がれる重荷 参
アイリスは沸々込み上げてくる怒りを宥めながら蝋燭灯りが揺らめく薄暗い石段を掛け降りてゆく。
下からゆっくりと石段を登ってくる、黒いローブを羽織った者の姿があった。
薄暗い中でも蝋燭の灯りの下を通過する時に顔が確認出来た。
アネモネさんだ。
蝋燭の灯りが消えていないか確かめに来たのだろうと一礼して通りすぎようとしたときに声をかけられた。
「シスターアイリス、お疲れ様です」
シスターアイリスって呼ばれたの初めてだった。何時もはアイリスちゃんて呼ばれてるのに……ここでは誰もシスター等と呼んだりしないのになと、少し訝しげながらも、まあ何時ものからかい半分の冗談なのだろうと、わたしはそもまま掛け降りていきました。




