迫りくる選択の時 捌
迫りくる洗濯の時 捌
漆色のシャボンが、ぷわわわわわん、ぷわわわわわんと、巻き上がる水柱から次から次へと産み出されてゆきます。
縞々の実のツンとした目にピリピリくるような香りが、水柱の回転の風圧に乗って押し寄せてきます。
ぼたたん、ぽたたんと、漆色の泡の塊が水面へと落ちては湖の表面を覆い尽くしてゆきます。
「あららららら? 摩耶ちゃんは素直に呑み込まれてくれてたのに? 流々華ちゃんは駄々っ子ちゃんなのね? うふふふふ……いいわ、いいわよ! 遊んであげましょうね! サイクロンサンダーハリケーン!」
天を覆っていた黒雲が更に濃度を増し、渦を巻きながらビカビカビカビカ光り出しました。
幾筋もの雷が次から次へと止まることなく落ちながら黒雲の渦の尻尾が降りてましりました。
ボッチャン! ボッチャン! ボッチャンと雹が降り始めたかと思うと、あっという間に辺りが白く滲む程に雹の嵐が降り落ちます。
水の氷柱が湖から生えるが如くに、針山の様な光景が広がっていました。




