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崩壊するお家
崩壊するお家
何? このクレーター?
て、言うか……お家がボロボロじゃん!
て、言うか……穴の端っこが、お家の下まできてるし!
どんどん崩れていく……わたしの、わたしのお家。
ぽかぽかと暖かいドラム缶風呂に浸かりながら、流々華は頭をフル回転させていた。
今のこの状況で、何を……何を……優先するべきなの?
いやいやいや、そんなの考える事もなく壱択だし!
なのに...…何故? 迷ってるわたしがいる。。
どうして……。
ギギギギ……ギギギギ……。
とっくに崩壊への歯車は回りだし、始まってるって言うのに……何してんのさ。
ヴオフ! と、鈍い音。
頬っぺたに拳を突き刺す流々華がいた。
勿論、わたしの右の頬っぺたに!
渾身のグーでだ!
ジーンと痛みと赤みが増してゆくのがわかる。
お気に入りのわたしのお着替えたちが、奈落の底へとひらひらと落ちてゆく……。
その光景をぽかぼかと暖まりながら、ただ見詰めるしかなかった……。