馬脚 壱
馬脚 壱
うああああああああああああああああああああああ……。
くるくるくるくると廻っていた。
どこかの空間を、くるくるくるくると廻っていた。
体感ではくるくるくるくると高速で、錐揉み回転しながら落下しているようである。
自由落下しているのであろうか? それすらも分からない?
内なる声なき声が、うあああああああああああと言っているのだ。
ゴオオオオオオオと物凄い風切り音と風圧だろうかが増していっていらように感じている。
それと、とってもボディが熱々なのである。
ここは何処なんだ? 何処へと落下しているのだ?
それに? 何故に落下しているのだろうか?
爽やかな秋風の吹くなか大草原をパッパカパッパカお散歩していたと記憶の断片には確かにあるのだが……。
可笑しいよ? 可笑し過ぎるよ? 何なんだよこの状況は? さっぱり意味わかんないしさ? 誰か誰か誰か誰かさ~ん! 教えてよ~っ! ヘルプミー……。
誰も助けちゃくれないか。
えっと……右回転? 左回転? どっち廻りだろうか?
左回転だね。 何となく地表が近い感じがするね。
兎に角回転を止めないとな? 幸いにも尻尾の方が上だかんね。
右の翼をちょっと開けてと……。
尻尾分回すぞ! 右回転だ!
毛氈尻尾ッぽ!
ヒュルヒュルと風に靡いていた尻尾の壱本壱本の毛が、細かなひだ状に開きだし尻尾の根元からうねる螺旋状に右回転を始めました。




