閏拾参月
閏拾参月
閏拾参月。
天帝学院院政理事会が開催されていた。
「天帝学院理事の皆様、お忙しい中召集頂き有り難う御座います」
「肝心の院長がこられてませんが? わたしたちを呼び出しておいて、お寝坊さんですかね?」
バン! と激しく椋のテーブルを叩く音。
「何故今日なんだ! 門の解放日の書き入れ時だというのに!」
そうだそうだ! と、何名かの理事が声をあげる。
「大変申し訳ありません。只今院長様は、ご準備をなさっておりますものでして。忍の壱字で、暫くお待ち下さいますようお願い申し上げます」
「何を馬鹿げたことを申しておるんだ! わしは帰るぞ!」
ばたばたと慌ただしく席を立つ音と共に、出席者の理事の面々が立ち去ろと出口に殺到する。
「忍の壱字で待てと申しましたのですが……理事の皆様のお心に、届いておりませんようですね。」
「ふん! 貴様ごときに何が解るか! 壱期に壱度のこの書き入れで、来期が収益が決まるといっても過言では無いのだからな! 門の解放期間が終わった後、また後日開催すれば良かろう! わしはここに提案するぞ! 賛同するものは挙手を願おう!」
「そらは残念ですね。壱期という短い間でしたが、皆様御苦労様でございました。閻魔水鏡! さあ! 貴方たちの罪の重さを、その身に背負いなさい!」
「何? わしらは理事だぞ? 罪人ではないのだぞ?」
壱瞬にして闇を映した銀の世界が広がり、出口に殺到していた理事たちは壱人残らず水面鏡に呑み込まれてゆきました。
「なんと嘆かわしい事で御座います。今期も誰壱人としてこの場に残られませんでしたか……はあ。業の深さゆえで御座います。嗚呼、嘆かわしい。嘆かわしい限りですね。これを持って壱件落着! 今季理事会を解散致します!」
静かに壱礼し、会議場の扉は堅く閉じられガチリと施錠されました。




