引き継がれる重荷 参
引き継がれる重荷 参
「師匠! 呼んだか?」
「ジャーマン! 呼んだぞ! むしろ待ちわびたぞ!」
「急になんだ? 今日は皆がこぞって筋トレの日じゃないのか? 待ちわびられる程、遅くは無かった筈だけど?」
「ふん! どうせ、もう少し行けるかも? 後ワンセットしてからとか、そんな筋トレの美酒に浸っていたのであろうが? 違うか?」
ぎくっ! 図星だ! 流石は師匠!
「そんなことは無いとだけ言わせてもらうけど! 即座に駆けつけて来たのだが、ちと道がこんでたもので山越えで来たからかも? 師匠を待たせたのなら、そこは素直に謝ろう! すまん師匠! で、要件はなんだ?」
「ふん! わしを超えられるかな? ジャーマン! リングへ立て! 今までの鍛練の成果とやら見極めてやる!」
「唐突になんだ? 訳分からないぞ? 何か言うに言われぬ隠し事でもあるんなら聞くぞ! 師匠! 奥方に何か良からぬ隠し事がばれたのか? 処分する物があるんならわたしに任せておけよ!」
「今日はそっちでは無いが、後日改めて頼む事となるであろうと予言しておいてやる! ここしておけよ! ジャーマンよ!」
「それは承知した! じゃあなんだ? ただ純粋に、わたしとの力比べなのか?」
「そんな些末な事などどうでもよいわ! リングに上がれ! ジャーマンよ!」
タタタタタッ! トオ~~~~オッ!
「どうやら今日はマジみたいだな! 師匠! いや! アイアンクローの爪! 後悔すんなら今のうちだかんね! わたしのジャーマンでギブって言わせやるから!」
「ふん! ひよっこが! わしのアイアンクローの餌食となりブリッジの腰を折るんだな! あっはっはっはっはっはっ……」
遂に師匠越えの時が来たって事か? 燃えちゃいますけど!
「ジャーマン! 行きま~~~~~す!」
ダッダッダッダッダァ! トオオオオオオオオオッ!




