重荷の戴冠式
重荷の戴冠式
とうとうこの日が来てしまった...…。
蜜柑司祭なんてやりたかないのに……まったくさ!
めっちゃ憂鬱でしかない。
流石にもうそろそろ覚悟らしきものを、決めなくてはいけないのだろうか……?
はあ……もう溜め息しか出てこない。
外は何やら騒がしいが、自分の事や自分の周りの小事に忙しい奴らがお祭り騒ぎしているだけの事。何か事件でも起きてくれないだろうかとも、心の奥底では願ったりなんかしてるって云うのに、決して何も起こりゃしない。それが現実って物だって事も、重々承知しているつもりでもある。
はあ……まったく、溜め息しか出てこない。
こんなくそったれな世界なんて、終わってしまえばいいのに...…そんな事を思ったりするくらい憂鬱なんだってば! まったくさ! 世界が本当に終わったら困るからね! 本気じゃないからね! わたし、誰に言い訳してんのさ……まったくさ。
ふう……どうすっかな? わたしに勤まるんだろうか?
絶対にクルトン様、いや、あのくそジジイの最期の嫌がらせに決まってるって! まったく!
本橘を率いるわたし。
右近の橘率いるのリリー。
左近の橘率いるのジャーマン。
表門は橘だけど、裏門は地獄の番犬だかんね。
不浄の浄土を広げ彷徨う輩を成敗なんて荷が重々だよ!
まったくさ!




