迫りくる選択の時 参
迫りくる選択の時 参
「スパウトさ~ん! お願いしま~す! 摩耶ちゃん中々来てくれなくて~っ!」
「いいけど、縞々の実もってきたの?」
「うん! 参つだよ!」
「あらまあ? 縞々の実参つも! て事は、結構溜め込んじゃったんじゃないの? 良いですよ! 何時もの場所わかってるわよね? 渦渦するからポポポイポイポイしなさいな」
「いつも摩耶ちゃんに付いてきて、ちゃんと見てましたから分かってますって! 縞々の実行きま~す! ウリャリャリャ! ラャ~~~~~あっ!」
シュン! シュン! シュン!
キラキラと魚達が、くるくるバシャバシャ渦巻く中心にポッチャン! ポッチャン! ポッチャンと見事に縞々の実が着水し、くるるる、るるんと渦の中心へと飲み込まれてゆきました。
「は~い! 確かに、縞々の実参つ頂きましたよ!」
湖水へと沈みゆく縞々の実を、キラキラと光ながらくるくるパクパクくるくるパクパクと魚達が渦巻きながら噛み砕くいてゆきます。
次第にキラキラの渦の中で魚たちに噛み砕かれた縞々の実が、漆色のシャボンの細かな泡へと変わり包まれて行きました。




