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情報交換(私達は本当のことは話していない?)

長いこと間が開いて所々内容を忘れてしまう症候群

 5月19日(土)22:10 情報交換

 スタッフ集会所


「来たか」

「お待たせしました」

「長時間 待たせてしまった詫びに、はいこれ差し入れ」

「ん?おぉ、別に構わないのだがね。だが有り難く頂こう」


 私達は移動する途中で自販機を見付け、監督と私達の分の缶コーヒーを買って来た。その内の一つを久米井は監督に差し出す。


「話の前に少し良いか?」

「別に構わない」


 缶を手に取った監督は久米井にそう話し掛ける。


「君達はどうしてこのキャンプ場の事を調べてるんだ?」


 何も知らない者からすると疑問に思うのも当然だ。しかも調べているのは学生だというのだから心配もする。


「あまり人に話す内容では無いが、そうだな。私はとある雑誌社にアルバイトとして働いている。今回ここへは臨時スタッフとしてもそうだが、ここで起きたある事件の実地調査もしに来ている」


 ──よく言うよ。


 息を吐くようにすらすらと嘘を並べる久米井に私は呆れる。

 妙に熟れている辺り、定型文か何かなのだろうか。(後日話を聞いたら本当にバイト先の身分証を持っていることが判明した)


「アルバイトなのにこんな所まで来て調査なのか?」

「何分人使いの荒いところがあってな…」


 すると久米井は何処か遠くに居る誰かを見詰めるように視線を上げる。その言葉は嘘は見られず、何処か実感が籠もっていた。


「今から話す内容はネットで探してみれば似たような事はいくらでも載っている。先ずは──」


 そうして久米井はこのキャンプ場とその近隣で起きた不可解な傷害事件について説明する。

 初めは半信半疑だった様子の監督も久米井話が進むにつれて思い出したことが多くあるみたいで表情が段々と険しい物になっていった。


「──とまぁ大体こんな所だ。ここまでで何か質問や感想はあるかな?」

「…馬鹿げている。あり得ない。そんな話があるものか。普通ならそう思うところだ」

「別に納得しろとは言わない。普通なら一笑に付すか宗教の勧誘かと間違われそうだしな」

「だが那由多君の話を聞いて納得できるところも多かった」

「ほう?」


 そう言って監督はコーヒー缶のプルタブを開けて二口ほど口に含んで飲み込んだ。


「何から聞きたい?」


 どうやらある程度の気持ちの整理が出来たみたいだ。


「まず私が知りたいのは、合宿がここに決まった経緯だ」


 久米井もそれに気付いて居るみたいで、確認すること無く話は進む。


「経緯か…今思えばかなり不思議な物だったな」

「不思議?」


 意味がよく解らず私はそう聞き返していた。


「そもそも今回の合宿地は僕が決めたことでは無く、このサッカーチームを運営するもっと上の方からのお達しだったからな」

「その口振りだと、普段は何から何まで自分で決めていると言った感じだな」

「口振りも何も、事実その通りだぞ」


 監督からの説明によると、合宿自体は毎年行あり、企画運営は全て監督の裁量で行われてたらしい。


「今まで…全部お一人で?」

「流石に細かいところはそれぞれの専門知識を持っているスタッフに任せているがね。医療や食事、テントの設営。監督として知識は頭に入れていても、本職には及ばない」

「貴方自身の人望もかなり厚いんだろうな。でなければ毎年合宿なんて出来ないだろうに」

「そうだね…本当に有り難い限りさ…」


 そう言って監督は遠くを見詰めるように視線を空に向ける。


「だが今回の合宿は何かが違ったんだな?」

「ああ」


 すると監督は私の方を見る。


「明日見君。そもそも君は疑問には思わなかったか?」

「疑問、と言いますと?」

「君は中学時代は運動部に所属していたと聞いた。だったら君もこのような強化合宿には参加したことがあるはずだ。その上で何かおかしいと思わなかったか?」

「えーっと…」


 おかしいこと。このキャンプ場についてはおかしいことだらけだけど、監督が聞きたいことはきっとそう言うことじゃ無い。だから場所については否定される。と言うことは…


「時期、ですか?」

「どうしてそう思う?」

「この結論自体は、今私達が持ってる情報と監督から伺った話を総合して消去法で出した物です。

 でもそれが解ったら確かに変なことが多いです」

「どう言う事だい明日見くん?」

「行うにしても早すぎる」


 連鎖的に湧いてくる疑問を整理すると以下の通り。


 ①時期について。

 ②場所について。

 ③上記の条件を指定した理由について。


 ①については月校単体で見れば特に違和感は抱かない。全国レギュラーレベルの強豪校は強くなることに関してはかなりストイックだ。選手達の糧となるなら如何なる方法であれ模索していく。月校側もそれを了承してこの合宿を引き受けたのだろう。

 しかし今回の合宿についてはキンダーズが主体で、月校はその提案に乗っかる形でやって来たので、月校側にはなんの思惑は無い。精々『滅茶苦茶都合が良かった』程度の話だ。

 となると話はキンダーズ側になる。しかしそうなると解らないことが多く出てしまう。


「この合宿って、企画したのはキンダーズ側なんですよね?」

「そうだ」

「だったら何でゴールデンウィークでは無く、それがが終わった後に開催されるんですか?」

「え?あ、そう言う感じ?」

「どうしたの久米井?そう言う感じって?」

「いや、世間一般では休日というのは勉学に励む物だと聞いたからてっきり…」


 ──こんな時に世間知らずアピールすんな!話の腰を折るな!


 思わずそう叫びたくなるが、監督の前でそう言うことをするのは憚られる。


「開催時期につては思うところが無かったわけではない。寧ろ多すぎるくらいだ。子供達だって友達と遊ぶ時間だったり、那由多君の言うように勉強をする時間がある。そうで無くとも何か自分の好きなことをする時間は必要だ。当然僕達は猛抗議したさ。まだ5月だ、夏休みまで待って欲しいと」


 だが。と監督は言葉を区切る。その顔に言いようのない悔しさを滲ませながら。


「上は頑なだった。撤回する様子なんて無かった。終いには『監督を辞めさせる』何て脅しまで言ってきた」

「これは穏やかでは無いな。一体どんな権限があってそんな重要な人事を簡単に動かせるというのか」

「明らかに何かおかしいですよ!でも…こうして開催されているところを見ると…」

「そう。こうして見ての通りだ」


 その顔は何かを諦めている顔だった。


「まぁ開催時期の不自然さは理解できた。言われてみたら世間一般では休日と呼ばれているごく普通の土日が潰れた。言葉にしてみればそんなところか」


 次に②について。態々このキャンプ場を指定したこと。これが益々解らない。

 気になってホームページを見ても特にコレと言って変わった様子は無い。ただちょっと山奥にある最近話題の人気レジャー施設と言うだけの物だ。


「監督はここについて何かご存じですか?」

「いや…ここについては精々、今人気のレジャー施設くらいにしか知らなかった。先の話が持ち上がった時点でここの予約がなされていたから、急いでこことその周辺について調べたものだ」

「で、実際にこうして使ってみた感想はどうかね?」

「非常に充実している。不気味なくらいにな」

「やはり監督もそう思うか」

「不気味?監督に久米井もそれってどう言う──」


 二人に聞き返そうとしてふと気が付く。

 よくよく考えたらいくら近年になって整備が進んだ人気レジャー施設だからと言って電気や水道は勿論、ガスに電波に温泉や飲食店がこんな山奥で整ってるのは何か作為を感じる。


「疑問を口にしながらも自然と答えに行き着く辺り、普通に頭はいいんだよなぁ」

「合宿でスマートフォンなんかを使うことが無かったから少し時間が掛かっただけよ」

「ホントどんだけ中身の無い生活をしてきたんだ明日見くんは…」

「うるさい」


 ──今は割と気にしてるんだから。


 しかし同時に疑問に思うところもあった。


「でも、ここに限った話では無いんじゃないですか?」

「と言うと?」

「需要に合わせてインフラ整備を推し進めているキャンプ場はあまり珍しくないと思うんですけど、どうなんでしょう?」

「やっぱアホだな。と言うかどこのデータだそれ?」

「うぐっ…」


 久米井による容赦ない言葉の火の玉ストレート。結果私の精神はズタズタになる。


「ど…どう言う意味?」

「そもそも建前としてキャンプとはその不便さも含めて楽しむ物という風潮もある。

 それに電気やガス、水道に電波。それらがこのキャンプ場で使えているレベルに持ってくるのにどれだけ手間がかかると思う?

 明日見君達は特に気にも留めていないようだから指摘するが、一キャンプ場にここまでぶっといインフラが通ってるのは明らかに異常だ。現にここは一般に開放されてからしばらくの間はその手の整備をしていないことも解ってるし、近隣のキャンプ場も特にそこに力を入れていないことも調べが付いてる。

 お陰で最初にここに来てからあった違和感がやっと解消されたよ。まったくここに来たらスマホじゃ無く景色を見ろってんだ、大体──」


 ──久米井って、こんなに熱くなるのね。


 今日その日に溜まった不満をまき散らす久米井に戸惑う私はそんなことを考えてた。


 思えば休憩時間ではキンダーズもサッカー部もスマホや携帯ゲーム機を出して過ごしている者が多かったように見えたが、それらに対してずっと不満でも溜まってたのだろうか?


「──ゴホン。少々熱くなってしまった。申し訳ない」

「い、いやぁ気にしなくて良いと思うわよ?(特別意訳:これ以上長く話されたら堪らない…)」

「う、うむ。拘りが有るのは良いことだ。無理に周りに押しつけないのも良い。ただ、不満は溜め込みすぎないようにな?」

「善処する。話の続きだが、私も先日ここには来たことがあるが、その時点ではコレと言って変わったことは殆ど無かった」

「確か遠足の時だったわよね?」

「その時には何も?」


 監督の質問に対して久米井は渋い顔を作る。


「殆ど自由に出歩ける時間が無かったからな。もう少し何かを掴めていればここに居るみんなを危険に晒さずに済んだものを…」

「言っても仕方が無いわよ。そう言えばさっきは聞かなかったんだけど、貴女はともかく周りの人は何か無かったのかしら?」

「何度も言うが、自由時間らしい自由時間は殆ど無い。私含めて周りもそれは変わらない」

「それは監視が強かったとかそう言うことか?」

「いや、単純にプログラムが盛り沢山でその準備やら会場への移動やらでここについて調べる余裕が無かったと言うことだよ」


 そう語る久米井の顔は疲れているようで何処か楽しげだった。


「だから私もこのキャンプ場について最初に持ってた情報はホームページで書かれていたこと以上のことは知らない」


 結局このキャンプ場について話はこれ以上の情報は出て来ず、一旦この話は終いとなった。

 残ったのは③のどうして今日と明日にここで合宿が行われたか。


「時期と場所についてはそもそもここのことが解らない以上、いくら私達で話し合っても何も結論は出ないだろう」

「そう…なのかな?」

「仮に何か新しい情報があったとしてもそれについて意見を交換している時間は無い」

「確かにな。よく考えたらもう十時半を回ってる。スタッフ達も一部はまだ起きているが、君達臨時スタッフはもう寝ている」


 そう言われて私達のテントの方を見ると灯りが消えてて、動いている人の気配も殆ど感じなかった。


「さぁ、明日も早い。正直ここについては不気味なことこの上ないが、それでも予定が組まれている以上それを守らないわけには行かない」


 確かにその通りだ。この話し合いも監督に無理を言ってお願いしたもの。本当ならまだ彼に流行ることが沢山あるはずだ。ここまで付き合ってくれただけでも感謝しか無い。


「何かあったらまた僕に話して欲しい。大人だからこそ君達の力になれることがきっとあると思うからね」

「お、言ったな?なら遠慮無く頼ろう」

「こらこら久米井。少しは遠慮しなさいって」

「ははは!大人は子供に頼られてこそだからな。特に先生ってヤツは頼ってくれると嬉しく思うモノなんだぜ?」

「そう言うモノですかね…」


 小中学生の頃を少しだけ思い出してちょっとだけナイーブになる。あの頃の私も誰かを頼れば何かが変わったのだろうか。


「あ」


 自分達の寝床に戻ろうとして椅子から立ち上がる。そんな中で何故か監督が椅子から立たずにそんな声をもらした。


「さっきああ言った手前で凄く情けないが…頼みたいことが一つだけある」

「いきなりですね…なんでしょうか?」


 監督は少しだけ気恥ずかしそうに後頭を掻く。


「実は昔から暗いところが怖くてな。一緒にスタッフテントまで来てくれないか?」

「…何も知らない人が聞いたら完全に事案だぞ監督」


 と言っても私達を待っている間は集会所でずっと一人だったため動くに動けなくなってしまったらしく。そんな中で私達が来てから安心して気が抜けたらしい。そのせいか腰が抜けてしまったようで、何とか立ち上がった物の生まれたての子鹿のように脚をブルブルさせていた。

 そんな監督に付き添って私達は少し時間を掛けて彼をスタッフ達の集まるテントまで送ってから自分達のテントへ向かったのだった。

「いやぁ…本当にすまない」

「いい年した大人が何て情け無い。今日一日で抱いていたアンタへの信頼を返してくれ」

「そんなこと言わないの久米井。誰だって怖い物の一つや二つは有る物よ」

「しかしな」

「それにその信頼だって一部は貴女の勝手な解釈なんじゃ無いの?こういう人はこうあるべき、みたいな」

「む…」

「なんかすまないな明日見君」

「まぁバイトをしていれば色々有るので」

「むむむ…」

「確か喫茶店勤務だったか?幸大君から色々聞いている。とても良い先生だそうだぞ?」

「そう言って貰えて本当に有り難い限りです」

「そう言えば、今回の臨時スタッフはキンダーズメンバーからの推薦枠があったのは憶えてるかな?」

「ええ、まぁ」

「実は幸大君が明日見おねーちゃんも是非、ってここに推薦していたんだ」

「それは何となく解ります」

「どうしてそうせずに一般枠で入ったのかな?」

「そ…それは…」

「あー…言いたくないなら別良いさ。誰でも話したくないことの一つや二つは有る物だからね」

「そうして頂けると助かります」

「僕も幸大君から君の話を沢山聞かせて貰ってな。そう言えば君が幸大君と知り合ったあとからかな、毎日楽しそうだった幸大君がもっと楽しそうにしていたんだよ」

「そうだったんですか」

「だから明日見君とは近い内に何か機会を設けて少し話したかったんだ。今回はまぁ、こういう形にはなったが君の人となりは何となく解った」

「ほう?明日見くんのことが今回の邂逅で何か解ったと?では監督の見解を一部聞かせて貰えないかね?」

「ちょ、ちょっと久米井~」

「そうだな。真面目でひたむき。あとはきっと友達思いだ」

「友達は極端に少ないがね」

「うるさい」

「それにしてももう少し速く歩けないかね?大分時間がかかっている気がするんだが」

「スマン…だがこの年になってもやっぱり怖い物は怖いんだ」

「はぁ…切っ掛けは?それさえ解れば何かしらの解決策もあるだろうに」

「まぁ心当たりは無数にありそうだが…一番はきっと子供の頃かな」

「あぁ、そう言うのは何となく解るかも知れません」

「何を二人で通じ合ってるんだ?仲間はずれはやめろ、さっさと話せ」

「ハハッ、解った解った。子供の頃の僕はそれはまぁ絵に描いたようなヤンチャ坊主でな。どこそこで何かやらかす度に婆ちゃんや母ちゃんにそれはもうこっぴどく叱られたモノだよ」

「ははぁ何となく読めたぞ?さ、続きを」

「おう。そんでもって余程酷いことをやった暁には、多分今では考えられ無いかもだが納屋や蔵に閉じ込められてそこで暫く反省しなさい!って言われたんだ」

「う、うわぁ…」

「確かにそこは暗いが、それだけで今でも怖がる物か?」

「勿論最初はそうでも無かった。それに大抵の場合夕飯の時間とかには出して貰えたからな。ただ…」

「ただ?」

「その日だけは少し状況が違ったんだ」

「…ゴクリ(私が唾液を飲み込む音)」

「あれは今日みたいな気温の日の夏休みだった。その日はいつものように友達とヤンチャしてそれが見つかってみんなで怒られる。そんないつも通りの日だったんだ」

「それがいつも通りとか懲りないのか?」

「今にして思えばまぁ不思議な物だが、その頃はなんか楽しかったのさ。で、何時ものように婆ちゃんに手を引っ張られて蔵に閉じ込められて外から鍵を掛けられた。そこで反省しなさい!っていつも通りに」

「そこまでは普通?だったんですね」

「どうせいつも通りだから夕飯には出して貰える。そう楽観的に構えていた。なんならそこで昼寝が出来るくらい」

「待って。私でもなんか話が読めてきた」

「折角だから最後まで話させてくれ。その日もいつも通りだと構えて余裕ぶって昼寝をした。そして目が覚めたら蔵の中が真っ暗で手元も何も見えなかったんだ」

「あぁ、もう夜になってたんだな」

「そう、丁度今みたいにね。ビックリして婆ちゃんや母ちゃんを呼んだんだけど、もう二人とも寝ていたみたいで誰も来なかったんだ。それから暫くは誰彼構わず周囲にブツブツ文句を言ってたっけか。そうしてると急に体が冷えてきて今の状況を漸く客観視できるようになった」

「あぁ…それは怖いわけですよ」

「夏とは言え、夜は冷える。オマケに昼飯も夕飯も食べてない。空腹と寒さに震え、蔵の中に一人ということを認識して『もしかしたらずっとこのまま?』と考えてもうそこからは色々余裕が無くなったな。もう恐怖に耐えきれなくて時間も体力も気にせず叫びに叫びまくった。そうでもしないと恐怖心に飲み込まれて身動きが取れなくなりそうだったからね。その後漸く声が届いたのか、トイレに起きた婆ちゃんが蔵の扉を開けてくれた。蔵から出たときの僕は、婆ちゃんが言うには『今までの生意気さが嘘のように萎んでた』らしい。以降は何か悪さしよう物なら閉じ込められた蔵のことが脳裏を過ってそんなことが出来なくなってた。今でもあの夜のことは忘れられない…」

「なんだ、ただの悪ガキが真っ当になっただけの話じゃ無いか」

「話だけ聞くとそうかもしれないが、意外と幼少期に経験した怖い出来事というのはずっと怖い物だ。なんなら君達も有るんじゃ無いか?」

「そう…ですね…」

「否定はしない」

「人によっては些細に感じることでも、当人からしたら真剣だ。だから何かあったときはその辺りちゃんと気を使えるようになるんだぞ」

「まぁ私達はそんなに友達居ないからあまり関係は無いかな?」

「そもそも私は嫌われ者ですし…」

「そ、そうか。でも今後出来ないとも限らないから憶えておくんだぞ?」

「「は~い」」

「…随分気のない返事だな。まぁ当人が良いのならそれで良いのか?」

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